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『はじめてのUXデザイン図鑑』荻原昂彦

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内容

UXデザインのための脚本作りの5ステップ

①体験の“主人公”の解像度を上げる

②“結末”を描く

③“シーン”を多面的に理解する

④“あらすじ”を決める

⑤“登場人物”と“小道具”を配置する

 

体験の“主人公”の解像度を上げる

具体的にどの項目で解像度を上げるかはケースバイケースです。

 

ただ、それではとっかかりがないでしょうから、共通する大事な項目を挙げておきます。

●基本的な属性情報(年齢、性別、住んでいる場所、年収、家族構成、仕事など)

●ライフスタイル(休日や平日の時間の過ごし方、趣味など)

●情報感度(どんな雑誌やアプリや TV番組からどんな情報を仕入れているか)

●興味関心(どんなことに興味や関心があるかや、成し遂げたいゴールがあるかなど)

 

“結末”を描く

主人公に最終的にどう感じてもらいたいか、何を実現してほしいかという、体験を通して提供したい“価値”を定めることが大事です。

 

“シーン”を多面的に理解する

主人公のどのようなシーンでの体験作りをしていくかで、体験に求められるものは全く違ってきます。

だからこそ、シーンを特定することがとても大事になってくるのです。

これは商品開発やマーケティングなどさまざまな場面で意外と見落とされがちながら、体験作りに大きな影響を与える要素ですので、しっかりおさえておきましょう。

 

“あらすじ”を決める

時系列で並べて整理するのは、次の4つが基本です。

①出来事

②顧客の行動

③(そのときどきの)顧客の気持ちや思考

④(そのときどきの)顧客が接する情報や人や物

 

自分で決めない

そもそも決めるということはたいへんなことで、

●決めるために調べたり考えたりする負担やストレスがかかる

●決める上で必要な知識や感性が求められることもある

●決めたからには結果に責任を持たなくてはならない

●「自分で決めるなんて当たり前でしょ」と思われて、サポートされる機会が少ない

 

セサミクレジット

●商品やサービスの説明だけでなく、ユーザーへの対処の違いの理由の説明も価値を持つ

●把握できる情報が適切に増やせれば、納得感や行動変化につながる理由の説明ができる

●コントロール可能な理由(普段のマナーや約束を守るなど)を説明すれば、自助努力を促し、よい評価を得ようと行動変化を促せる

 

ナラティブ

ストーリーはストーリーの語り手や主人公がいつまでも主役であり、誰が語ったかよりも、物語の中身に軸足があるのに対して、ナラティブは、聞き手がストーリーを受け取った後、それを、自分を語り手として再度語り直した、その物語を指します。

 

面白かったポイント

UXパターンをまとめた本があまりないので、たしかに図鑑として使える。

一つひとつ解説は軽いので、もう少し深堀していきたい。

UXパターンはビジネスモデルともいえるので、ストックを増やしていくとアイデア生成スピードも上がると思う。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆

 

目次

第1部 導入編 UXデザインの全体像を見てみよう

1-1 UXデザインってなぜ必要なの?
DXにUXデザインは必須
UXデザインは“モノからコトへ”の担い手
サブスク化の広がりで、UXデザインからもう逃げられない
1-2 UXデザインは“脚本作り”
脚本作りの5ステップの詳細
作為性とユーザー参加
脚本作りの5ステップと図鑑の関係

第2部 図鑑編

第1章 居心地系
体験エッセンス1 言い訳の提供
事例1 新型SNS“BeReal”
事例2 社長のおごり自動販売機
事例3 ライブ配信サービス“ツイキャス”
事例4 NFTによる顕示欲デザイン“ CHIMNEY TOWN GIFT(チムニータウンギフト)
体験エッセンス2 所属感アシスト
事例5 みんなで防犯“Neighbors(ネイバーズ)”
事例6 ファンコミュニティ“Fanicon(ファニコン)”
事例7 バーチャルオフィス“oVice(オヴィス)”
体験エッセンス3 ハードル下げ
事例8 音楽コラボSNS“nana”
事例9 大人気ゲーム“スプラトゥーン”
体験エッセンス4 罪悪感の転嫁
事例10 高級ブランドバッグが使い放題“ラクサス”
事例11 おやつの定期お届け便“スナックミー”
体験エッセンス5 見え“ない”化
事例12 体重見せない体重計“スマートバスマット”
事例13 必須情報を不要にした“LINEギフト”

第2章 後押し系
体験エッセンス6 心のサンクコスト
事例14 パーソナルジム“RIZAP(ライザップ)
事例15 美容院行き放題“MESON(メゾン)
事例16 上手な最初の一歩“デアゴスティーニ”
体験エッセンス7 自分で決めない
事例17 テーマで選ぶギフト“dozo(どーぞ)”
事例18 プロが選んだ服が届く定期便“ airCloset(エアークローゼット)”
事例19 伝統的な結婚文化“お見合い”
事例20 新しい家事代行“Yohana(ヨハナ)”
体験エッセンス8 失敗OK
事例21 お値段は使用後に顧客が決める“あと値決め”
事例22 投稿が消えるSNS“Snapchat”
事例23 正解もゴールもない玩具“レゴブロック”
事例24 遠慮なく使い放題“はがせるマーカー”
体験エッセンス9 難問
事例25 自分向けと感じる“Google の採用広告”
事例26 世界一は意外と誰でも?“ギネス世界記録”
体験エッセンス10 トライアル2.0
事例27 メガネの新しい試着体験“オーマイグラス”
事例28 読書自体のトライアル“丸善ジュンク堂書店”
事例29 レンタル感を揺るがす“レンティオ”
体験エッセンス11 使う分だけ
事例30 そのとき飲む薬だけ“PillPack(ピルパック)”
事例31 つくるのに必要な材料だけ“ Kit Oisix(キット オイシックス)”

第3章 納得系
体験エッセンス12 理由の説明
事例32 不信感の払拭“Facebook 広告の表示説明”
事例33 ネガティブじゃない“訳アリ商品”
事例34 人の信用が数値化?“セサミクレジット”
体験エッセンス13 プロセス参加
事例35 開かれた実験室“リビングラボ”
事例36 企業が試行錯誤した知恵“人事評価”
体験エッセンス14 使い道の明示
事例37 みんなのための“ベルマーク”
事例38 払った保険金は誰のもの?“ Lemonade(レモネード)”
事例39 買った服の製造コストがまるわかり“ EVERLANE(エバーレーン)
体験エッセンス15 診断
事例40 AIが先生の英会話“スピークバディ”
事例41 状況を含めて理解してくれる“大塚家具”
事例42 私にフィットしたヘアケアを発見“ MEDULLA(メデュラ)”

第4章 参加系
体験エッセンス16 応援のリッチ化
事例43 応援の民主化“少年ジャンプ+(プラス)”
事例44 見ず知らずの誰かを応援“フリータンク”
事例45 世界中での人気の立役者“BTSファン”
体験エッセンス17 無名からの育成
事例46 マンガやアニメにない価値“ テニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)”
事例47 自由な応援が最高とは限らない“ 宝塚歌劇団のファンクラブ”
体験エッセンス18 差からの連帯
事例48 お酒好きも苦手な人も“ビアボール”
事例49 貧富の差を超えて同じものを食べる“ Everytable(エブリテーブル)”
事例50 暗闇だからできる交流“ダ イアログ・イン・ザ・ダーク”
体験エッセンス19 脱顧客
事例51 顧客が無償奉仕“ネスカフェアンバサダー”
事例52 一見さんお断りの汎用性“京都のお茶屋”
事例53 プロ意識vs お客様扱い“スクラム採用”
体験エッセンス20 貢献の余白
事例54 どこも住み放題“ADDress(アドレス)
事例55 みんなで作る経済ニュース“NewsPicks(ニュースピックス)”
事例56 社会とつなぐ“OriHime(オリヒメ)
体験エッセンス21 ナラティブ
事例57 語り手のバトンタッチ“ハッシュタグ”
事例58 注目のNFTコミュニティ“Ninja DAO”
体験エッセンス22 マイルド参加
事例59 ちょうどいい参加度合“ライブゲーム”
事例60 演者と観客の間“イマーシブシアター”

第3部 活用編

0導入
1主人公の解像度を上げる
2“結末”を描く
3“シーン”を多面的に理解する
4“あらすじ”を決める
5“登場人物”と“小道具”を配置する

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