絵はすぐに上手くならない

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『絵はすぐに上手くならない』成冨 ミヲリ

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内容

完全にマスターできないのが絵の世界

 

うまい絵というのは、2種類あります。

芸術的にうまい絵と形を知っているうまい絵です。

 

形を知っているのは必須条件。

形は覚えるもの、形は体に入れておくもの。

臨界点を超えることによって物の形を覚える能力は飛躍的にアップします。

 

絵を描く情報の伝わり方

  • 目 よく見る、たくさんの情報を得る
  • 脳 目から受け取った膨大な情報を整理。描くべきものと描かないものを選別。情報の選別こそが個性
  • 手 鍛えて意のままに動くようにする

身体の中の情報の流れ方(目→脳→手)をできるだけスムーズにする。

 

8つの能力

  1. アイデア
  2. オリジナリティ
  3. 形状ストック
  4. 構図構成力
  5. 形を取る力。自身の絵の狂いを発見し、修正できる能力。
  6. 立体を把握する力
  7. テクニック
  8. 完成させる力。集中力、継続力、自己管理能力

 

デッサン

描きたいジャンルが決まってないなら迷わずデッサン。

手を鍛え、目を鍛え、図学の基礎を学ぶことで、どっしりとした土台になります。

 

デッサンの種類

  1. 細密デッサン。細かい作業が好き。絵本や小さな額縁に入れるような絵が描きたい方向け
  2. 受験デッサン。緊張感を持ってガリガリ描きたい。デザインや漫画など画面構成が重要
  3. 西洋デッサン。デッサンそのものを作品として捉えて描きたい方向け

 

デッサンの手順

構図を取る

画面の端を意識すること

 

形を取る

計測もよく行う。はかり棒で角度、割合を測る。

パース(透視図法)だけは意識する。

 

立体感を出す

遠くのものと近くのものの間に空気があるように描く。

しっかり描くと手前に来る、ぼんやり描くと奥に行く。

隅から隅までしっかり描くと平坦に見える

 

陰影を描く

陰は物の中にできる光の陰になる部分。影は他のものに落とす影。

両方描いて初めて量感(存在感や重さ)が出てくる。

 

質感を出す

タッチに変化をつける。わざと荒くする、丁寧に塗る。

ディテールをていねいに追う。筆圧に変化をつける

 

クロッキー

目的は形をすばやく、正確に取る、思い通りの線を引くこと。

できるだけ本物の立体を見るようにする。

図鑑や写真資料を活用する。

 

あまり消しゴムは使わないようにする。

消してばかりだと自信を失う。

自分が間違えたところを記録するためにも線を残しておく。

 

スクラップブッキング

自分の好みや個性を知る。

面白いものを探す習慣をつける。アイデアの素をストック

 

作品制作はすぐに始めてください!

 

面白かったポイント

まったく絵を描いたことがない人がどのようにトレーニングしたら描けるようになるのかについて関心があったので、本を探していたところタイトルを見て「そうだよね」と思いながら手にした本です。

 

デザインやデッサンのコーナーの本はポーズ集などある程度絵を描いている人向けのリファレンスや技術書が多いのですが、0から何をしたらいいのかここまで体系的に言語化された本は初めてです。

特に、絵の自己診断テストと能力別トレーニング早見表だけでも買う価値ありだと思い即購入しました。

 

トレーニングの章では、何を目的にデッサンとクロッキーをトレーニングするのか意識できるようになります。

うまくなるにはとにかく描く量を増やすというのは分かるのですが、科学的なアプローチでできるだけ無駄なことはしたくないという方がトレーニング方針をビシッと計画できる内容になっています。

読み終わった後は頭が整理されすっきりするので、とにかく描きたくなります。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

 

目次

第1章 絵を描く能力とは
第2章 描画能力を分解する
第3章 トレーニング方法
第4章 事例集

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