説得いらずの高確率セールス

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『売り込まなくても売れる! ― 説得いらずの高確率セールス』ジャック・ワース

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内容

高確率セールス

【高確率セールス】では、パラダイムが「客に買わせる」ことから、《双方向のビジネスの下地があるかどうかを見る》ことにシフトする。

 

彼女は自分の問題に対する解決策を交渉するのに手一杯で、反論する余裕がなかったのさ。

それに強制がなかったから、抵抗もなかったということも考えに入れたほうがいい。

 

伝統的セールス

第一に、伝統的セールスでは、《ニーズがあるかもしれない顧客》をひとまとめにして、売るべき見込み客と呼ぶ。

【高確率セールス】はもっと現実的だ。

数かぎりなくいる「ニーズがあるかもしれない顧客」にいちいち売り込みや商品説明はできない。

手当たり次第に声をかけるのは時間と金とエネルギーの浪費だ。

逆に、今すぐ買う顧客をつかむチャンスを逃がしかねない。

 

第二に、伝統的セールスでは、セールスは説得術であるから、見込み客に商品やサービスを買わせるには、言葉たくみに相手をあやつって古典的な五段階の購入決定ステップに誘いこめと教える。

それに対して【高確率セールス】では、セールスは「同意とコミットメント」の技術であると教える。

「有望な客」、すなわち各ステップにおいて《コミットメントする意志》のある客だけがセールスパーソンの時間とエネルギーの投入に値する。

 

5段階モデルの基本的な問題

注意を引く

何か特別なことをしなければ注意を引けないとき、相手は「有望な客」ではない。

不適格な見込み客を除外することで時間の浪費がおさえられる。

欲しいと思っているものを提供されれば、人は自然に耳を傾ける。

 

関心を持たせる

関心のない人に関心を持たせようとするのは時間のムダであり、関心のある人は逆に退屈する。

関心があっても行動しない人がたくさんいるといういことを見落としてはいけない。

客の関心の度合いを測っても意味がない。

自分が売ろうとしている商品を今目の前にいる相手が欲しがっているかどうか、それだけが問題なのだ。

 

意欲をかきたてる

商品の長所や利点を並べて何もないところから希望を形にするより、客がすでにもつ希望がその商品によっていかにかなえられるかを知らせることに主眼を置く。

ただし、こんな条件なら買おう、というコミットメントをとってからのほうがよい。

 

見込み客

見込み客と《合意を重ねていく》のがセールスなのだよ。

見込み客というのは、まず商品に対するニーズがあり、商品を希望し、資金があり、こちらが【満足条件】を満たせば一定の時間で購入契約をする意志のある相手のことだ。

 

高確率な「顧客発掘」の原則

  1. オファーの言葉はあいさつと自己紹介を含めて100字以内にする。
  2. 商品を希望するかどうかを相手に尋ねる。
  3. イエスであれば、取引を目的とする商談の場をもうける気があるかどうか相手に尋ねる。
  4. または、見込み客から、またコンタクトしてほしい、そのときに話を進めたいから、というはっきりしたコミットメントがあったら指定の日時にもう一度コンタクトする予定をスケジュールに入れておく。
  5. こちらの質問に対し、一度でも否定的な回答があった場合は電話を切り上げる。相手がある時期が来たら「有望な客」になる可能性を示した場合に限り、再度電話するようにスケジュールに入れておく。相手のためらいを感じたら、ノーというのは全然構わないということを保証する。
  6. 商品を希望しない、あるいはこちらからは買いたくない顧客は除外する。

 

  • 目的は商品を売る、それも「効率的に売る」ということだ。
  • 早いうちから自社の価格・品質・サービスの組み合わせを決める。
  • その組み合わせに対するニーズがあり、希望し、コストも払える市場区分に的を絞ってアピールするのだ。

 

「ターゲット・マーケット」のニーズと希望に向けて、こちらのオファーを明確に言葉にすることが重要になってくる。

 

注意信号

売りはじめている注意信号が二つある。

第一に、【顧客発掘】をしていてストレスを感じたら、すでに「売り」の姿勢にシフトしている。

第二に、【発掘】の電話が3、4分以上になったらおそらく売っている。

 

高確率セールスの体系的な質問

  1. 見込み客は商品に対するニーズがあり、商品を希望し、資金があるかどうか
  2. 見込み客はすすんで【満足条件】を提示し、もし条件が満たされれば、商品を買う意志があるかどうか
  3. 見込み客の【満足条件】に関するコミットメントが細かい点まで特定され、あいまいでないかどうか

 

質問の根本的な目的

取引に欠かせない情報を「発見」すること。

効率よく「除外」を進めること。

客が質問に答え、「除外」すべき客でないことが明らかになるたびに、客と売る側の関係はよくなる。

それによって相互のコミットメントのレベルを上昇させる。

あとになって契約つぶしのもとになりかねない問題を事前に処理する機会をつくる。

 

発見/除外プロセス

質問を続け、取引の下地があるかどうかを判断するのが【発見/除外】というプロセスだ。

 

1ニーズの決定

どうして”この商品”が必要だと思われるのですか?

 

2希望(意欲)を確認する

この商品をご希望なさいますか?

 

もし客が「希望する」と答えたら、

理由をお聞かせ願えますか?

 

3資金面を確認する

料金はおよそ○○ドルになります。

ご予算の点はいかがです?

お支払いのご用意はよろしいですか?

 

4日程を確認する

もしお話を進めるとしたら、日程的にいつごろからのスタートをお考えですか?

 

5意志決定者を確認する

意志決定者というのは、客が買う決心をする前に相談する相手を指す。

たとえば会計士、上司、パートナーまたは配偶者など。

公的な権限は必ずしも必要ではない。

 

企画提案を準備する前にその方にお目にかかってお話ししたいのですが、手配していただけますか?

 

6権限を確認する

お話を進めることにしたら、ほかにどなたの承認がいりますか?

 

7のちのちの影響を確認する

もし商品が手に入らなかったら、どういうことが起きるのでしょうか?

 

8ブランドの好みを確認する

もし今、わたくしやほかの方の意見なしに、今すぐに決めるとしたら、どこのブランドを購入されますか?

 

9サプライヤーの好みを確認する

特別に取引したい業者がありますか?

 

10内部手続きを確認する

注文書を発行する際の御社の内部手続きについて教えていただけますか?

 

11個人的な動機を確認する

この商品を入手しなかったとしたら、あなた個人に何か影響がありますか?

 

12個人的偏見を確認する

わたくしどもとの取引をためらわれるご事情がおありですか?

何かカバーしきれていないことがありますか?

お気持ちにそわないということでしょうか?

他に何か?

 

13隠れた障害物を確認する

取引の妨げとなるような事柄がどこかにあるということは?

 

14コミットメントの確認

仮に御社の【満足条件】をすべて満たしたとしたら、どうなさいますか?

 

クロージングプロセス

まず最初に信頼関係をつくる。

これができると、取引をしたいと思える相手かどうかがわかる。

互いに信頼感も敬意も抱けないと思ったらただちに相手を除外して訪問を終える。

 

そのまま進む場合は【発見/除外】の質問をする。

質問にはもれなく答えてもらい、問題があれば納得がいくまで話し合う。

「イエス」か「ノー」を決める権限をもつ人物も含めた意志決定者全員に対してこの作業を行う。

その時点で相手に【満足条件】つまり「購入決定の前提となる基準」を正確に定めなければならないと言うこと。

 

それから尋ねる。

「もしわたくしが御社の【満足条件】を満たす提案をお持ちしたら、いかがなさいますか?」

 

もし「君に仕事を頼む」というようなコミットメント以外の返事が返ってきたら、基本的ルールを告げる。

デモンストレーションには多大な労力がかかることを説明し、先方の【満足条件】を満たせば注文するというコミットメントがあった場合のみデモンストレーションをしたい、と言う。

そこではっきりしたコミットメントがとれなければ、相手を「除外」して訪問を切り上げる。

 

コミットメントがとれたら、【満足条件】を一つ一つ聞いて確かめ、相手の言葉をそのまま記録する。

先方から出されなくても必要な条件があればこちらから提言する。

こちらで満たせない点は話し合う。

どうしても満たせず、先方も譲れない条件があれば、やはり対象外として「除外」する。

 

こちらが満たしうる【満足条件】がまとめられれば取引成立だ。

あらためて訪間し、提案書を見せて【満足条件】を満たすことができると証明できれば、契約が完成される。

 

高確率セールスの秘訣

契約をとること自体にのめりこむのではなく、【高確率セールス】のプロセスに専念するからだ。

 

アポイントをとる前

アポイントをとる前に、顧客から次の情報を得る。

  • 商品を希望しているか?
  • アポイントの設定に積極的か?
  • 今でないとすれば、いつがよいか?
  • 今でないとすれば、後日また連絡してほしいと希望しているか?
  • なぜ先方はその時に会いたいのか?
  • 会って何を達成したいか?

 

話を進める前

話を進める前に、売ろうとしている商品を相手は希望している、あとは条件しだい、ということを確認するのが先。

  • 抵抗を引き起こすのは、言葉だけじゃないのよ。
  • 押しの強い声も問題なの。
  • 大切なのは、なるべく淡々と《感情を込めない》でオファーを言葉にすること。
  • 【発掘】のときはいつも淡々と感情抜きのトーンを使うのが鉄則よ。
  • よけいなことをつけ足せば抵抗を引き起こすわ。
  • 短く、シンプルにね。

 

除外

「有望な客」であると考えられる間だけ商談をしたのだ。

当面取引ができる相手でないとはっきりした時点で、礼儀正しく退却する。

 

あくまで相互のコミットメントを交渉するのだ。

見込み客の【満足条件】を自分の会社が満たせないとわかったら、あっさり認めて礼儀正しく退却する。

 

【高確率セールス】では、相手からのコミットメント、つまり「基準を満たせば必ず買うという明言」がない限り商品のデモンストレーションはしないの。

 

望み薄の顧客と接触するセールスパーソンの側の、《潜在的な感情的消耗》は目には見えないがかなりの負担であることを忘れてはならない。

 

しゃべり過ぎない

もし対話の《四分の一以上》が自分の発言だとしたら、話し合いが順調にすすんでいないサインである。

多くの場合、反応の鈍い客は「望み薄の客」である。

 

関係のない発言

相手が質問に答えている限り、関係のない発言は気にしなくてよい。

「見込み客」ならたくさんいるわ。

「有望な客」にだけ時間を使うこと。

「望み薄の客」はすべて除外するのよ。

 

どう答えてよいのかわからない反応

どう答えてよいかわからない反応があったときの答え方

「ご質問に対してご満足のいくような答えがみつかりません。どういう答えならばご理解いただけますか?」

あるいは、「うちとお取引していただくことは難しそうですね。この商品をご希望なさいますか、それともなさいませんか?」

どちらの言葉も淡々と感情抜きで話さなければならない。

 

面白かったポイント

営業のパラダイムシフトが起こる本です。

営業の本はいろいろ読んできましたが、これ1冊で十分でしょう。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

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