内容
たいていの人は、会話というと
①友達や仲のいい人との、気を使わない、楽しいおしゃべり
②仕事の場面で、きちんと話す、大人としての会話
このふたつぐらいしか、話し方のバリエーションを持っていません。
いわゆる、「普通の会話」です。
ですが、雑談とは、このどちらでもない、言ってみれば「第3の会話」です。
だから、ほとんどの人が失敗する。
どちらかのやり方で適当にやろうとするから、うまくいかない。
雑談とは、「微妙な間柄の人と、適当に話をしながら、なんとなく仲良くなる」という、とても繊細な会話の方式です。
調べればわかる冷たい情報ではなく、自分だけが感じた生の気持ちを共有すれば、親密な関係を築けるのは、当然のことです。
「情報」ではなく「気持ち」を話す。
「ありありと」というのが重要で、「ゴーゴーと」「ヒヤヒヤ」など、擬音(オノマトペ)を使うのも効果的です。
派手なエピソード、笑える体験談の必要はありません。
ごくごく普通の話でOK。
「体験したこと +感じた気持ち」をセットで話すようにすれば、相手との関係はみるみるうちに良好なものとなります。
どこかで読んだような時事ネタではなく、自分のエピソードを話す。
あなた自身が経験したことを話す。
基本とはつまり「自分の話をする。気持ちの話をする」ことです。
沈黙が訪れたら、身近なエピソードをきっかけに気持ちを話すようにする。
自分が知らないことを教えてもらううえで、話が広がりやすい質問の視点をお教えします。
それは、「過去」「現在」「未来」にフォーカスを当てること。
①過去 「昔からお好きなんですか」「いつ始めたんですか?」
②現在 「今でも、よくつくるんですか?」「最近は、何がおすすめですか?」
③未来 「じゃあ、今週末も?」「次に狙ってる場所とかあるんですか?」
このように、時系列に沿って質問を投げかけると、話はどんどん広がっていきます。
とくに、①過去は最初の質問として使いやすいでしょう。②現在について聞くと、お互いの心の距離が縮まり、③未来の話は、スムーズに次の話題に移るステップにもなります。
相手がイヤミを言ってきたときにも、「ありがとう」という返しは無敵です。
「いいよなあ、お前みたいなヒマ人が、給料だけはもらえてて」「ありがとうございます。ほんとそうですよね」
「旦那さんの稼ぎがある人は、余裕があるわねー」「ありがとう ー。ほんと、いい旦那で助かってる」
便利で使い勝手のいい「ありがとう」、ぜひ有効活用しましょう。
ビジネスの雑談においては、背伸びをして対等に話すのではなく、シンプルに「相手からものを教わる」というスタンスこそが、正解となります。
上司・取引先のほうも、どういうスタンスで雑談したらいいかわからないでいます。
だから、お互い会話がぎこちなくなる。
ですから、ここは率先して、「先生と生徒ロールプレイ」を始めましょう。
面白かったポイント
表面上のテクニックが中心だが、意識しておきたいポイントではある。
満足感を五段階評価
☆☆☆
目次
1章 基本の7ルール
2章 初対面編
3章 知人/飲み会編
4章 職場/ビジネス編