本の内容
ロバート・パルド
私たちは各市場に対して、ボラティリティに基づいて、割り当てる資金量を決めます。
また、各モデルに対して、リスク特性に基づいて割り振る資金量を考えます。
チャーリー・ライト
私たちの研究によれば、時間枠を短くするか、多くの市場で多種類のトレードをするかしてトレードの回数を増やせば、それだけリスクは少なくなります。
一定の時間枠のなかにできるだけたくさんのトレードを詰め込むことが目標になるのです。
最高の成功を収めるトレーダーは、人間的性質に逆らってトレードできる者だということです。
人間的性質に従ったらお金を失うし、裁量的トレーダーの九五%が人間的性質に基づいてトレードするせいで時間とお金を失っている。
私たちは、掛け値なしに研究時間の九○%をマネーマネジメントとリスクコントロールに充てます。
ラリー・ウィリアムズ
感情的な問題を引き起こす原因は、たいてい玉の建てすぎにあります。
どうしても資金の投入しすぎになります。
トレードをやりすぎるのです。
すると感情的におかしくなります。
ルイス・ルカッチ
利益の秘訣は、いつボラティリティの低い時期に入るのかを発見したり、今がその時期なのかどうかを見極めたりすることにあります。
単に損益トントンのシステムが複合体のなかに入ると、ポラティリティを低下させる必要のあるときに、それを素晴らしく低下させてくれることがあるのです。
キース・フィッチェン
株式や株式を基にした指数は、需要・供給ではなく心理によって取引されることになります。
心理がかかわってくるということは、人間が価格を上げ下げしているということです。
ウェイン・グリフィス
一九八七年の大暴落直後に私が犯した過ちは、負けたあと、すぐにそれを取り戻さればと思ってしまったことです。
それは間違いなく破滅に通じる道です。
今では、負けてカッときても、放っておいて別のことを考えます。
トム・デマーク
トレンド相場ではどんな移動平均線だってうまくいくということです。
レンジ相場では買われ過ぎ、売られ過ぎの指標が有効になります。
肝心なのは、この二つをどう区別するかなのです。
どうして下降トレンドが上昇トレンドより少ないかといえば、買う者はポジションを増やしたがり、それがトレンドを強化するからです。
売りの場合には、決心するのは一回だけで、複数回にはなりません。
嫌だと思ったら全部嫌になってしまうのです。
だから下げは急速です。
マイク・ディーバー
ほかの連中が感情的に行動するおかげでチャンスが生まれ、それをシステムがいただくことになるわけです。
ボー・サンマン
成功するには二つのものが必要です。
システムそれ自体と、自分自身です。
完全なシステムが与えられたとして、果たしてその人に、シグナルに従う勇気があるかどうかが問題なのです。
システムを使ってトレードするために必要なことは、知性、勇気、そして数学的才能が少し、といったとこですね。
ビル・ダン
両方がだいたい同程度の収益率だったとしましょう。
その一方で、収益の時期が違っていて、両方の相関が0.5とか0.4とか0.3といった中位のものだったとします。
その二つを半々ずつ持っていたとすると、収益率が平均程度なら、リスクを相当低くすることができます。
あるいは、リスクが単独の場合と同じくらい高くてよいのなら、収益率を10~20%アップすることができます。
トム・ウィリス
システムは単純なほど優れている。
ジョン・ヒル
ニュースを読んでも混乱するだけです。
知る必要のあることは全部チャートに含まれています。
利益目標を立てて手仕舞うよりも、なんらかの転換点をとらえて手仕舞ったほうがパフォーマンスがいいということです。
マレー・ルジェーロ
チャネルブレイクアウトは最も単純な形でも成功します。
ただし、成功する理由は、その実行が難しいという点にあるのです。
ゲーリー・ハースト博士
まず、市場の動き方について仮説を立てます。
それから、その仮説に基づいてシステムを開発して検証を行います。
良い結果が出れば、仮説が正しかったわけで、このとき初めてトレード方法が確立したことになります。
面白かったポイント
ジャック・D.・シュワッガーの『マーケットの魔術師』と比べてしまいますが、それに比べれば本書はチェックすべきアイデアが少なかったように思います。
それは、登場する魔術師のためなのか、著者のインタビュー能力なのか、システムトレーダー編ということでシステムの秘密が明かせないためなのか分かりませんが。
しかし、多少なりとも得られたアイデアは「3,000円+読書時間」を投資する以上の価値はありました。
私はまだシステムを構築しテストするところまではできていないので、そのレベルに達したらこの本の本当の価値があるのかもしれません。
このシリーズの良い所は、最終章に要約がある点です。
非常によく整理されているので、システムを作るときには参考にしたいと思います。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆
目次
ロバート・パルド
チャーリー・ライト
ラリー・ウィリアムズ
ルイス・ルカッチ
キース・フィッチェン
ウェイン・グリフィス
トム・デマーク
マイク・ディーバー
ボー・サンマン
ビル・ダン
トム・ウィリス
ジョン・ヒル
マレー・ルジェーロ
ゲーリー・ハースト博士