本の内容
市場の動きは、すべての人間が心に持ち、それゆえに繰り返し発現する体系的な不合理さから生まれるものだからだ。
トレーディングの際、あなたはどれくらいの頻度で次のような感情に襲われるだろう?
認知のゆがみ(人々の現実認識の曲折)
認知のゆがみはトレーダーに、計り知れない影響をおよぼす。
認知のゆがみに惑わされなければ、ほぼすべてのゆがみが金儲けのチャンスにつながるからだ。
・損失回避
利益を得るより損失を避けることを優先しようとする傾向。
・埋没費用効果
これから支払うことになる費用より、すでに支払ったか、支払うことが決まっている費用のほうを重視する傾向。
・処理効果
利益は早く確定し、損失はできるだけ長くしのごうとする傾向。
・結果偏向
ある決断の良し悪しを判定するのに、どんな時点でどんな決断を下したかではなく、決断がもたらした結果から判定しようとする傾向。
・直近偏向
過去のデータや経験より、最近のデータや経験に重きを置く傾向。
・アンカリング
簡単に手に入る情報に頼りすぎる傾向、あるいはそれに縛られる傾向。
・バンドワゴン効果
あるものごとを、大勢が受け入れているという理由で受け入れる傾向。
・小数の法則信仰
少なすぎる情報から、不適切な結論を導き出す傾向。
商品取引においてトレーダーが成果を出せない原因
- 計画性のなさ
- 過剰なリスク
- 非現実的な期待
投機市場には次の4つの状態がある
・全体に安定し変動小
価格は比較的小さな変動幅にとどまり、それを超えても上下ともにわずか
・全体に安定し変動大
1日、あるいは週ごとに見れば大きな値動きがあるが、数カ月単位で見ると目立った変化のない状態
・トレンドありで変動小
数カ月単位で見ると、一方向に向かうゆっくりとした値動きがあるが、反対方向への値動きのない状態
・トレンドありで変動大
一方向に向かう大きな値動きが見られると同時に、ときどき短期間の、逆方向への大幅な戻しが起こる状態
堅固なトレーディングシステム
適応性が高くシンプルで、特定の市況に依存していない堅固なシステムを構築することによって、堅固な取引が実現する。
成熟した堅固なトレーディング・プログラムは、多様な市場で多様なシステムを使って取引するので、少数の市場に特化した少数のシステムで取引するプログラムより、将来着実なパフォーマンスをあげる可能性がずっと高い。
人生の目標とは何か?
冒険をしなければ何も得られない。
リスクは友だちだ。
恐れてはいけない。
理解し、制御し、ともに踊れ。
トレーダーは好結果を期待してチャンスに賭けるが、定期的に損失を出すことも予期している。
彼らは、間違いを恐れて行動をためらったりしない。
それは生活の中で身につくひとつの資質だ。
彼らは自分だけの道を歩み、たまに何かの試みに失敗しても、くよくよしない。
それも人生の一部であることを知っているからだ。
失敗が成功と学習の必要条件であることを、理解しているからだ。
面白かったポイント
認知のゆがみは非常に面白い。
これまでまったく同じ感情に支配されたことが何度もありました。
このことを認識できたことだけでも、トレーダーとして一つレベルアップできたと思います。
支持線と抵抗線の引き起こされるロジックを「認知のゆがみ」によって解説している点はすごく勉強になります。
市場は人間の心理が作りだしているということについて、理解が深まりました。
市場の状態を認識することの重要性を理解することができました。
市場の状態に合わせたトレーディングシステムを作ることが必要になります。
実はこの本で一番刺激を受けたのは、最終章の「人生の目的は何か」です。
個人の成功を防げるのは、客観的な現実ではなく、自分には不可能だと考えて限界を設けてしまうことなのだ。
成功を信じられないからといって一歩を踏み出さなければ、成功までの道のりに障壁を築くことになる。
その障壁は現実よりもずっと厚い。
挑戦すれば、失敗するかもしれない。
しかし、成功するかもしれないのだ。
一度も挑戦しなければ、成功することも不可能になる。
何のために投資するか?ということを改めて考えさせられる内容です。
私はもちろん「人生を劇的に変える」ために投資をしています。
この書籍を読んで、より一層の努力をすることを決意しました。
あと、ボーナス章の「タートル流トレーディング規則原本」は一読の価値ありです。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆
目次
リスク中毒
タートルの心をなだめる
いちばんきついのは、最初の200万ドルだ
タートルのように考える
エッジのある取引をする
エッジから転落する
リスクを測る
リスクと資金管理
タートル流積み木
タートル流トレーディング:一歩ずつ
バックテストのうそ
地に足をつけて
隙のないシステム
心の悪魔を手なずけろ
人生の目標は何か
タートル流トレーディング規則原本