成功法則も気になりますが、マーケッターの神田さんなら成功法則をどんな文章で表現するのかが気になったので、読んでみました。
本の内容
世の中には、4つのタイプの人がいるわけだな。
- お金が豊かな人
- お金が貧しい人
- 心が豊かな人
- そして心が貧しい人
残念なことに、ほとんどの人間は、生まれながらにして「悪」の感情で、突き動かされている。
金も貧しく、心も貧しい。
これを私の言葉で「凡人」っていうんだ。
お金も欲しいし、また社会にも役立つ人間になりたい。
ところが、一挙に「お金」と「心」の両方を得ようとすると、これがなかなか難しいんだ。
2ステップを踏むのがいい。
一気に「金」も「心」も目指すのではなく、まずは「金」に優先順位を置く。
次に必死になって、「心」を磨く。
この2ステップを意識する。
これは非常に重要な「成功するためのステップ」の分解です。
世の中に溢れている成功法則は、お金だけではなくバランスをとることが重要だと述べているのですが、成功を目指す過程においてバランスを意識しすぎることによって、どれも中途半端に終わってしまうことがあると思います。
まずは「お金」に優先順位を置く、という非常に明確に示してくれたことでスッキリしました。
悪のエネルギーを活用する
嫉妬、敵対心、見栄、虚栄心等の「悪」の感情。
実際問題として、この「悪」の感情というのは、非常にエネルギーが高い。
これはその通りです。
金銭的な成功に至る道のりで、このようなマイナス感情のエネルギーを活用している成功者は多い。
あ、いや、前言撤回。
活用しない人なんて、滅多にいないんじゃないか?
お金が欲しいという気持ちは、悪のエネルギーが無いと沸いてきませんね。
たしかに、悪のエネルギーが無いと、お金の面で成功することを目標にしなくなるので、お金がないボランティアやNPOになってしまうんですね。
そうなると、資金が十分にないので、助けられる人の範囲が狭くなるんですね。
そう考えると、お金と心のバランスって非常に奥が深いです。
覚えていろ。絶対、お前らの鼻をあかしてやる。
お前らの年収の何十倍も儲けてやる。
このような怒りの感情で、独立した。それが偽らざる本音なんだよ。
成功者のインタビューや自伝では、キレイなところだけがまとめられていて、こういう本音をオープンにすることはないので、説得力があります。
あくまでも、短期決戦。
成功のための技法上の課題として、割り切る。
そして、離陸して、安定軌道に乗ったら、今度は必死になって心を磨く。
きちんと現実世界に立脚しながら、心の豊かさを学ぶのですよ。
お金の次は心を磨く、これは忘れないように。
目標
目標は紙に書くと実現する。
もう一度、言うよ。
紙に書くと実現する。
そう。紙に書くと実現しちゃうんだ。
目標を紙に書く、これはどの成功法則に出てくる鉄則です。
良い目標を設定する上で、もっとも大切なことは、自分が本当にやりたいことを見出すことだ。
本当にやりたいことを発見するために、
やりたくないことを書き出す。
「やりたいことを見つけるなら、やりたくないことを見つけなさい」。
「やりたいこと」のなかには、「やりたくないこと」が含まれているからである。
これも非常に強力な方法です。
目標設定はやりたいことにフォーカスしがちですが、目標達成の過程でやりたくないことも出てきます。
その時に、「本当にこれってやりたいことだっけ?」という疑問が沸いたり、家族のためにお金を稼いでいたけど、家庭との時間が取れずにバラバラになってしまった、というのはよく聞く話です。
「やりたくないこと」を明確にしてから、「やりたいこと」を書き出す。
そうやってリストアップしたやりたいことは、一見範囲が狭まったように感じますが、そこに集中して取り組めるようになると思います。
自分でレールを敷く人と、他人にレールを敷かれる人では、人生のスピードが大きくかわってくるんだよね。
他人の意見や他人の目を気にした目標設定と、自分の中から湧き上がる本当にやりたいことでは、スピード感がまったく違います。
やりたくなくても、やらなければならないこともある。
学ぶべきことを、きちんと学ばないで、放り出してしまったら、また同じことが繰り返し起こるんだ。
そこで、「やりたくないこと」と「やりたいこと」の決着をつける必要があるのだ。
ミッションは、使命感、人生上の目的意識といってもいい。
ミッションは是非、持ったほうがいい。
ミッションを持たなかったときの自分と、持ったときの自分じゃ、目標を達成するスピードが、自転車とジェット機ぐらいの違いがあったからね。
大企業や優良企業にはミッションを持っているところが多いですが、個人的にミッションを持っている人は、ほとんどいないでしょうね。
人生における使命、いったい自分は何をやらなければならないのか?
じっくり考えてみたいと思います。
簡単に言うと、脳は、あなたが質問をすると、高精度なアンテナを張って、必要な情報を収集し始める。
過去の経験、現在、目の前に起こっている状況すべてから、答えを検索しだす。
質問したとたん、標的を追い求める赤外線誘導装置つきミサイルのように、答えを追いつづけるわけだ。
人生のスピードアップは、どんな目的意識を持っているか、つまりミッションを持つことによって可能になる。
私たちは、もっと自分の持っている脳の可能性を信じる必要があるのかもしれません。
これまでの経験が脳に蓄積されているのに、目標(検索キーワード)を設定していないと、宝の持ち腐れにしてしまっているということです。
目標だけでなく、ミッションを持ち、脳の力をフル活用していきたいですね。
この脳の驚異的な構造を考えると、目標は、あればあるほどいいということになる。
私の実感としては、脳はパラレルコンピュータであり、いくつもの作業を同時並行で処理してしまう。
つまり質問を100すれば、100の検索エンジンが同時に動き、その答えを見つづけるわけだ。
アメリカ人の大成功者のなかには、6000個の目標を持っているという人さえいる。
目標っていざ書き出すと意外と出てこないものです。
これまで、目標は達成するためには絞り込むことが大切で、そのほうが集中できるという考え方を持っていたのですが、まったく脳の力を信じていなかったと反省しています。
とにかく、大小かかわらずたくさん目標を設定したいと思います。
実現したらラッキー、目標をたくさん書くことに何のリスクはありません。
自分で、自分の現実をコントロールすること。
自分の現実は、繰り返される言葉、自分で発する言葉、そして他人が同調する言葉でコントロールされる。
自己催眠をかけることにより、不安がなくなり、自動的に目標に向かって進みはじめることができる。
顕在意識の介入が少ないときを狙って、潜在意識にプログラミングする。
いつかといえば、寝起きや寝る前の、意識がぼやけているときだ。
プログラミング作業は、極めて簡単。
目標を書いた紙を、夜寝る前にボヤ~っと眺める。
そして朝起きたときに、またボヤ~っと眺める。
それだけ。
どの成功法則にも書かれていることは、目標を紙に書いて毎日眺めるです。
目標を毎晩10個書く
毎日、達成したい目標をとにかく思いつくままに書く。
毎日、違うものになってもかまわない。
とくに重要な目標ひとつに〇をつける。
重要な目標というのは、その目標が実現すると、ほかのすべての目標も実現するというもの。
そして、その絞り込んだ1個の目標について、いったい、何をしなければならないのか。
どんな小さなことでもいいから、とにかくできることを書くのである。
これも非常に強力な方法です。
私は、毎日ノートに思っていることを書いているのですが、あたらめて読み直すと目標とそれを達成するためにやるべき行動を書き続けていました。
同じ目標を書き続けていたり、突然突拍子もない目標に変わっていたり、いろいろですが、やるべき行動は着実に実行していました。
ノートに書く、とてもシンプルな方法ですが、これは本当に結果が出ると実感しています。
誰に見せるものでもないノートなので、体裁にこだわらず、とにかくやりたいことや欲しいもの、なんでもいいので書き続けるとすごいことが起こります。
セルフイメージ
自分は凡人だというイメージを持っていたら、成功者にはなれない。
なりたい自分になるために、都合のいい肩書きを考える。
肩書きの作り方のポイントは「スーパー〇〇」というように、自分の欠点をものともしない人物像を表現する。
自分にすごい肩書きをつけることに、気が引けるという人は多いと思います。
ただ、立場や肩書きが人をつくる、という言葉があるようにできるだけ背伸びした肩書きをつけることをおすすめします。
これは、自分の中だけに持つ肩書きなので、恥ずかしがらず思い切った肩書きをつけてみてください。
セルフイメージは、あなたが思っている以上に、影響力が強い。
マーケティング上のアドバイスをするにしても、セルフイメージから改善していかないと、大変。
逆に言えば、セルフイメージを改善できれば、飛躍的に会社を成長させるきっかけになることが多い。
お客さんは自分の鏡であり、セルフイメージを正確に反映するお客が集まる。
これは、マーケティング戦略を考える上でも重要です。
安さをウリにすると安いお客さんが集まり、品質をウリにすると品質を求めるお客さんが集まります。
しっかり自分のセルフイメージを固めてビジネスをしないと、相手にしたくないお客さんとビジネスをすることになってしまいます。
さらに肩書きを変えるのではなく、自分の服装を変えてしまうというテクニックもある。
うちのクライアントの間では、このように服装を変えたり、眼鏡を変える。または、髪の毛を染めることが流行っている。
つまり、いままでの自分と決別する上で、新たな肩書きを作り、そして外見を変えて、新たな自分を演出するのである。
見た目を変えることは、セルフイメージを変えるのに有効な手段です。
自分の肩書きにふさわしい服装、髪型、持ち物に変えることから始めるのがおすすめです。
感性(センス)は情報量に比例することが、最近の感性工学の研究でわかっている。
どうすれば発想力そして行動力に直結するような情報収集ができるのだろうか?
本との出会い
人との出会い
テープとの出会い
テープを聴くと発想力が高まり、とにかくどんどんアイデアが出てくる。
テープを聴くことで、心の中で回っている「マイナス思考のテープ」を打つ消すことができるからだ。
何回も繰り返し読んだり聞いたりすることによって、その知識が血肉となり、適切な行動が無意識にできるようになる。
テープを聴いている人は、宝の地図を手にしているようなものである。
ぼーっとして全然聴いていなかったと思っても、心配いらない。
逆にぼーっとしているときほど脳波がα派状態になっているから、潜在意識に直接知識が入ってきていると思ったほうがいい。
移動時間などは、できるだけオーディオブックを聞くようにしています。
歩きながらオーディオブックを聞くと、結構アイデアがひらめくことが多いです。
自己啓発や経営のオーディオブックは異常に高いものが多いですが、アマゾンで探せばお手頃価格で良いものもたくさんあります。
「何が成功に導いたか」という要因を詳細に調べていったら、ほかのどんなものより「どんな人と付き合っているか」ということがもっとも大きな要因だったという。
正解は「優れた人との人脈を大切にすれば成功する」
人生の次のステージに行くために、成功している人と付き合いたい。
それじゃ、どうしたら成功者と付き合えるようになるのか?
一方的に「与えられること」を期待するのではなく、相手に「与えること」からスタートする。
付き合う人をバージョンアップする、これも重要な成功法則です。
憧れの人と付き合うには、まずギブをし続けること。
自分の長所や得意分野を把握し、セルフイメージを高めて、憧れの人にギブをする。
これが単なる数だけの人脈ではない、本当の人脈をつくるための秘訣ですね。
マーケティングとは、「優良な見込み客を、営業マンの目の前に、連れてくる」
セールスとは、「その見込み客を、営業マンが成約すること」
つまりマーケティングで集めてから、セールスで切る、というのが原則だ。
これは、非常にわかりやすい定義です。
営業を効率的に展開していくためには、まず「興味のある客」に手を上げさせなければならない。
お客が手を挙げるときには、ほとんどの場合何らかの文書が入り口となっている。
カギは、お客の「感情」。
セールスの目的は相手を説得することではなく、相手が買う確率が高いかどうかを判断すること。
相手を見極め、自分の客としてふさわしくないお客はお断りするというセールスを「殿様セールス」と呼んだ。
感情マーケティングと殿様セールスを組み合わせると、極めて営業が効率的になることがわかった。
この内容にマーケティングと営業のノウハウが詰まっています。
これだけでもこの本を読んだ価値があると思います。
YESと言うお客により早くめぐり合うためには、NOと言うお客に時間を使ってはならないのだ。
価格帯にもよるが、いますぐ買うという「いますぐ客」は資料請求者の5~15%、
そのうち買おうという「そのうち客」は、さらに5~10%程度いる。
「そのうち客」は資料請求後、45~60日以内には動き出す。
「そのうち客」に対して営業マンの時間を使うのは、非常にもったいない。
そこで、ニュースレターやダイレクトメールなどの、人間の時間を使わない方法でフォローしながら、30日周期で連絡を取り、「いますぐ客」に育てていくんだ。
これは非常に有益なデータです。
お客様をしっかりと見極め、相手によってアプローチ方法を変える、これによって効率的な販売ができるんですね。
「自分にとってふさわしい客」でなければ、それは断る必要がある。
ふさわしくない客、すなわち、嫌な客と取引をすると、決していいことはない。
ムリに売上を上げようとして、嫌な客と取引をすれば、利益は上がらないし、大事なお客さんに使う時間も減るし、一番重要なことは自分のビジネスが嫌になってしまうことですね。
やりたくないことを明文化するのと同じように、付き合いたくない客を明文化することが大事です。
「お願い営業はしない」
「できるだけ早くNOの返事を得る」
大切なポイントは、「〇〇を希望するかしないか」というように、二者択一の質問をすること。
本当にこの手法は効果的です。
本来の営業はこうあるべきだと思います。
お金
お金持ちのお金に対する考え方の共通点。
それは「お金が好きだ」ということだ。
普通の人は、お金で買えるものが好きなんだ。
それに対して、お金持ちは、お金自体が好きなわけ。つまり紙幣自体が好き。
これが、お金が集まる人と、お金から逃げられる人との大きな違い。
お金はみんな好きですが、普通の人はお金を使うことが好きで、金持ちはお金自体が好き。
お金持ちはケチと言われますが、好きなものを手放したくないんだと納得しました。
お金に対する罪悪感をなくしたら、次にやるべきことは、お金の流れを作ることである。
起業家にとって重要なのは、1000万円稼ぐことではない。
重要なのは、稼ぐ額ではなく、お金の流れなのだ。
先月より、今月の銀行残高を増やす。
毎月毎月残高が増えていくことを死守するのである。
起業家がやることは、チョロチョロと入ってくる水の流れを大切にすることなんだ。
これは起業家にとって、とても重要な考え方です。
とにかく小さい金額でもいいのでお金の流れを作ること、そして継続的に流れるようにすること、赤字にさえならなければお金は溜まり続けます。
お金は人と選ばない。
能力や人格の良し悪しでお金が集まるわけではない。
単に、お金がお金を呼ぶだけである。
お金はあるところに、集まる。これがお金の習性なんだ。
とにかく自動的にお金が溜まる仕組みを作って、お金を集める。
そうすると、お金がお金を呼んでくれます。
それじゃ「お金を使っちゃいけないのか」ということになる。
実は、余った分だけ使えばいいのだ。
お金を貯めるコツですね。
頭では理解できるけど、実行するのは難しいです。
自分が考えた人間に、自分はなる。
年収ですら、自分の決めた額になる。
その年収を自分で決めないから、得られない。
その年収を得ようとしないから、頼まない。
そして、その年収を得た後は、その年収を超えるような仕事をしないから、その年収が保てないだけである。
サラリーマンだと会社が年収を決めるので、自分の年収を考えることはないと思います。
しかし、自営業者や企業家は自分の年収は自分で決めます。
そこでも、今の年収を超えた得たい年収を設定することが大切です。
現在は、安定の定義というのが『大企業に勤めること』ではなく、数だということ。
複数の収入源を持つことが重要なんだ。
今は、副業も推奨している企業も増えています。
給料以外の小さくてもいいからお金の流れをつくることが、安心感を増すことにつながります。
行動だけが現実を変えるからね。
逆に、行動する人は、その目標を実現する確率が飛躍的に高まる。
当たり前のことですが、行動すること!
ストーリーを使うことによって、発想を広げ、そして、行動すべきステップ、進むべき道筋を明らかにしていくのである。
これによって、行動力が伴うシナリオが描けるようになる。
なぜなら行動は、頭に描かれたイメージによって、誘発されるからである。
逆に言えば、頭のなかにイメージないものは実行に移すことができない。
重要なことは、このエクササイズで得られたどんな小さなステップでもいいから、そこ行動に向かって、第一歩を踏み出すということである。
成功するためのイメージトレーニングが行動力を上げる秘訣です。
成功するということは、「光が当たる」ということだ。
光が当たれば、影が濃くなる。
そして、影は、成功しつつあるその過程から、すでに濃くなりはじめる。
影はあなたの一番弱い部分で、噴出する。
ちょっと怖くなる話だけど、頭に入れておいた方がいいと思います。
まずは、金銭的に成功するまでがむしゃらに行動し、そのあと影の部分に向き合うことが大切です。
成功する前から気にしすぎないこと。
私が成功に向かって走ってきた過程には、多くの反省点がある。
そのうち特に重要だと思うもの3つを、あなたには事前に知っておいていただきたい。
面白かったポイント
実践してみたくなる語り口で、読みやすい成功法則です。
「悪の感情から始まる」や「やりたくないことを見つける」、「お金を溺愛する」などは新鮮で面白いです。
著者の最初の本として読むことにおススメです。
「殿様バッタのセールス」を深く勉強するために著者の本を読みたくなりました。
満足感を5段階評価
☆☆☆☆☆
目次
序章 成功は「悪の感情」から始まる
第1の習慣 やりたくないことを見つける
第2の習慣 自分にかける催眠術
第3の習慣 自分に都合のいい肩書きを持つ
第4の習慣 非常識的情報獲得術
第5の習慣 殿様バッタのセールス
第6の習慣 お金を溺愛する
第7の習慣 決断は、思い切らない
第8の習慣 成功のダークサイドを知る