ネットショップを運営していると、日々売上を上げることに集中するので、ついつい経理作業のことは後回しになりがちです。
経理作業は売上を上げる作業でもないので、やる気が出ないという気持ちはよくわかります。
しかし、ショップが軌道に乗り、売上が上がると、税金というのを意識しなければなりません。
税金というのは、超ざっくりと説明すると、売上から経費を引いた、所得に対してかかります。
売上 - 経費 = 所得
所得 × 税率 = 税額
です。
※細かい説明は省いてますよ!
売上とは、その年に稼いだお金ですね。
経費は、売上を上げるために使ったお金です。
残ったお金が所得というわけです。
ネットショップの場合、売上のデータは自動的に記録に残るので問題ありません。
しかし、経費をしっかり記録に残しておかなければ、本当は経費を使ったのに記録していなかったため、本来の額より低く経費を計算し、所得が大きくなって、支払う税金が大きくなることになります。
これだけは避けなければなりません。
ポイントは、しっかりと領収書を管理することです。
経費をしっかり計上することで、所得金額を減らし、支払う税金を減らすことができるのです。
このように考えると領収書は政府が発行する金券みたいなものです。
表現はアレですが、要は経費の計上漏れによって、余分な税金を支払わないようにしようということです。
領収書・レシートの管理方法
この領収書の管理方法ですが、実は決まりがないんです。
ネットで検索するといろんな方法があります。
月別に封筒にいれるとか、日付順にノートに貼りつけていくとか。
などなど、どれもしっくりきません。
そこで、契約している税理士さんに領収書の管理方法を教えてもらいまとめてみました。
毎日、もらった領収書・レシートをすべて封筒に入れる
まず、領収書を整理するのは、月一回にします。
毎日毎日、領収書を整理することは面倒です。
とにかく、その日にもらった領収書は、なにも考えずに封筒に放り込みます。
財布に入っている領収書をすべて取り出して封筒に入れます。
とにかく領収書の紛失は避けなければなりません。
領収書をもらうときに気を付けておくべきこと
領収書をもらうときは、以下の項目が記載されているか確認しましょう。
- 宛名
- 日付
- 金額
- 但し書き
- 領収書の発行者
宛名は、上様ではなくしっかり正式名称を記載してもらいましょう。
上様だと本当に領収書の当事者なのか疑われるリスクがあります。
但し書きには、どのような商品を購入したのか具体的に分かるようにしてください。
領収書の発行者には、発行者の名前を住所を記載してもらいます。
領収書の他に、クレジットカードのレシートや納品書などがあれば、領収書の信頼性も上がるので保管しておくとよいでしょう。
領収書がない場合
領収書を無くしたり、もらい損ねたり、電車のきっぷとかそもそも領収書を発行していない場合は、出金伝票をきりましょう。
出金伝票自体は100円ショップで売っているので買っておきましょう。
出金伝票に、いつ、どこで、いくら、何のために使ったのか記載して、領収書代わりにします。
出金伝票は、自分で発行できてしまうので、信用がないので、あくまで例外的な処理と考えてください。
領収書以外でその費用を使ったことが証明できるようなモノを残しておくとよいでしょう。
たとえば、交通費なら出張レポートとか。
また、領収書を発行しないネットサービスを使っていた場合は、領収書を入手できないケースがあります。
その場合は、クレジットカードの明細と合わせて、注文メールを印刷するとよいでしょう。
とにかく、その費用を使ったという証拠をできるだけ残しておくことが大切です。
会社専用クレジットカードを作る
これは絶対やっておくべき!と言いたいです。
ネットショップをやり始めたばかりだと、ビジネスと個人の財布は一体となっていると思います。
私も仕入れや消耗品の購入は、個人のクレジットカードで決済していました。
しかし、いざクレジットカードの明細をダウンロードして、経費を集計しようとすると、まず個人で使ったのかビジネスで使ったのか仕分けをする必要があります。
これがかなり面倒で、結構時間を取られます。
複数のクレジットカードを使いたくなかったり、ポイントが貯まりやすいクレジットカードでまとめて決済したい、という気持ちになると思います。
しかし、そのメリット以上にクレジットカードを分けるメリットの方がはるかに高いと思い知らされます。
特に法人用のカードを新たに作る必要はなく、使っていない個人のクレジットカードをビジネス用として、すべてそのカードでクレジット決済すると決めれば、あとあとものすごく楽になるのでおすすめです。
過去の自分に一番教えてあげたいことです。
ビジネスと個人の買い物をまとめて注文しないこと
これも後で考えてみたら当たり前のことですが、たまにビジネスの買い物と個人の買い物をまとめて注文してしまうことがあります。
これは、あとあと面倒なことになるので、絶対分けましょう!
例えば、アマゾンで注文する場合は、個人用とビジネス用のクレジットカードを登録し、個人のモノを買うときは個人のクレジットカード、ビジネス用のモノを買うときはビジネス用のクレジットカードで決済しましょう。
アマゾンの場合、領収書は注文単位で発行されるので、ビジネス用の注文の領収書を印刷すれば済みます。
これが個人とビジネスの注文が混ざっていた場合、やっかいなので気をつけましょう。
A4用紙に糊付けする
月末になると、領収書の整理をします。
まず、領収書を取り出して、現金払い、クレジット払い、銀行振り込みなど、決済方法別に分類します。
これは、現金や銀行振込でいくら払ったのか、分かりやすくすることで現金や預金の残高管理が容易になります。
クレジット払いの場合は、カード明細との紐付けが容易にないます。
次に、取引先ごとにまとめます。
たとえば、商品配送料の領収書は、取引先が日本郵便なら、日本郵便の領収書をまとめてホッチキスで留めます。
毎月大量の配送があると、領収書の数も膨大になりますが、それを1件1件記帳する必要はなく、取引先ごとに金額をまとめて記帳できるためです。
最後に、領収書に『証番 番』というハンコを押して、連番で番号を記入します。
番号を打つことで、領収書と処理した伝票を紐付けられるので、あとで探しやすくなります。
番号で赤文字で記入します。
A4のコピー用紙に日付の若い順番に下から領収書を貼り付けていきます。
下から貼る理由は、重ねて貼りやすいからです。
あと、A4コピー用紙は、最初から2穴空いてるタイプがおすすめです。
領収書を貼り付けたA4コピー用紙をファイリングしていきます。
インデックスステッカーを貼って、月を記載しておくとよいでしょう。
勘定科目を決める
その前に、勘定科目を決めなけらばいけません。
勘定科目とは、経費を分類するカテゴリみたいなものです。
例えば、交通費や消耗品費、広告宣伝費などのような項目です。
この勘定科目の分け方には、これといった決まりがありません。
そのため、自分のビジネスに合わせた勘定科目で分類すればいいのです。
自分で決めればいいと言われると逆に困りますが、一般的な勘定科目はネットで調べて、あとは税理士さんに相談するとよいでしょう。
気をつけたいポイントは、一度決めた勘定科目は毎年コロコロ変えないことです。
会計ソフトやエクセルファイルにデータをインプットする
経費をすべて洗い出したら、会計ソフトやエクセルファイルにデータをインプットしていきます。
インプットする内容は、領収書に記載されている内容に加えて、
- 勘定科目
- 領収書に振った証番
- 決済方法
を記載すれば大丈夫です。
領収書整理は面倒だけど、ビジネスを運営するためには必要な作業
領収書整理は、かなり気が重い作業です。
領収書が貯まれば貯まるほど、やりたくなくります。
しかし、経費を集計することで、どの勘定科目にどれくらいの経費を使ったのか一目でわかるようになります。
経営の見える化です。
領収書を整理している時やエクセルにデータをインプットしている時に、本当にこのお金の使い方は正しかったのだろうかと自問自答することが重要です。
逆にここにお金を使えば、もっと売上があがったんじゃないかと考えることもできます。
月に一度、経営者として、お金の使い方を見つけ直す機会を持つことは大切だと思いました。