一人で日経平均を動かせるという凄腕トレーダーの本です。
どのような考え方で運用されているのか気になって読んでみました。
本の内容
理解することと実行することのあいだには大きな距離がある。
わかるけど、やれない。
それは裏を返せば、多くの人にとってチャンスがあるということでもある。
投資効率はお金を持っている方が下がる。
順張り
上がり続けるものは上がり、下がり続けるものは下がる。
基本は「順張り」
マーケットの潮目に沿って行動するのが一番勝つ可能性が高い。
勝手な予想はしないで、上がっているうちは持っておくのが基本。
押し目買いは、下がったところで買おうとするわけだから、逆張りの一種になる。
つまり、やってはいけない買い方のひとつ。
上がって高値がついたとき、僕は喜んで買う。
多くの人は「安く買って高く売る」という発想でいるから、高いときは買いたくないと思ってしまう。
損切り
買った株が下がっていても、売らなければ損は確定しない。
損を確定させて、それを認めるのはつらい作業になってしまう。
逆に、買った株が上がっているときには、売って損を確定させたくなる。
「勝ったぞ!儲かったぞ!」と確認したくなる心理があるのだと思う。
株でいちばん大切なのは迅速な損切り。
失敗から逃げてはダメで、失敗は当然としていかに最小にとどめるか。
重要なのは、損をしないことではなく、大きな損をしないこと。
大ケガだけはしないようにする、という方針で僕は今の資産を築いた。
不自然さを感じたら、結果はどうあれ、基本はすぐ売るべき。
大きく負けるのは、自分の状態を直視できない人が大きく負ける。
トータルの損益
重要なのは勝率ではなく、トータルの損益。
そう考えられるかどうかが株で勝つための鍵となる。
僕の場合、銘柄それぞれの勝敗を考えるなら、利益になる取引は3割くらいしかない。
残りのほとんどがトントンかちょい負け。
けれども、時々負け額に対して10倍や20倍の金額を勝つことがあるから、勝率は低くともトータルではプラスになる。
小さな損を重ねながらも、たまに大きな得をしようという発想。
これが逆になり、小さな得をいっぱいしていて、たまに大きな損をするようになっていると要注意。
ナンピンは最悪の買い方だと思っている。
場合によっては一撃で死亡してしまうから。
スタイル
自分の性格と相反するスタイルで勝とうとするのは難しい。
自分の性格と折り合いのいい必勝パターンを見つけて磨いていくのが勝てるようになる近道。
儲かっているところをすばやく学習して、早く行動して、そこに信用取引を全力で乗せていた。
大きく動く銘柄に大きく突っ込むのが最も効率がいいから、基本スタイルはそこになる。
相場をやっている限り、持っているお金の量が力になる。
投資家でうまくいっている人ほど、投資以外のお金の使い方は守備寄り。
大きく勝てる勝負を見つけて、できる限り全財産に近い額をぶっこむのがいちばん効率がいいと思っている。
だから値動きの激しい銘柄を狙うし、そこで勝負できるお金も最も大事にしている。
「今ある優位性」に張る。
値動きだけを見る短期トレードに変えた。
すると、それまで負け続けていたのが嘘のように連戦連勝になった。
勉強方法
僕の場合、ただひたすら値動きを見た。
マーケットのことはマーケットでしか学べない。
相場のことは相場に学ぶのが一番だから、相場に張り付いてレベル上げをするに越したことはない。
基本的にニュースはツイッターだけにしている。
新聞や雑誌も読むけれど娯楽にすぎない。
努力とリターンのスパイラルというものは存在する。
勉強すれば勝つ。
勝つと気分がいいからさらに勉強する。
すると、ますます上達して、さらに勝つ。
面白かったポイント
個人で動かしている金額としては桁違いのcis氏。
投資の本質がまとまっています。
内容は、投資をけっこうやっている方だと当たり前に感じるかもしれませんが、相場を動かすほどの資金で運用するとなると投資の基本に忠実に行うことが大事なのだと読み取りました。
子供時代のゲームの話や学生時代のパチンコの話、不動産の話やカジノ、オンラインゲーム、などの話も交えています。
このようなエピソードからcis氏は根っからゲームにハマるタイプなのだと思いました。
お金を稼ぐことも重要ですが、投資にハマっているからこれほどの金額を稼げたのだと思います。
ジェイコムやチャイナショック、ライブドアショックの投資の話も額が億単位なので、すごい。
順張りで守備型の方は、読んでいて共感が多い内容です。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆
目次
第1章 本能に克てねば投資に勝てない
第2章 相場は仮説を生み出した人が勝つ
第3章 勝つための一歩は場と自分を冷静に見ること
第4章 職業・トレード職人
第5章 投資に必要なスキルはゲームで磨いた
第6章 億万長者になれたのは2ちゃんねるのおかげ
第7章 これから株を始めるなら
付記 ギャンブルを制すものは株を制す