内容
説明上手な人の共通点は「共感」だ。
他人の立場に立って、その視点からコミュニケーションを図る能力がある。
大事な心得「読者の目に浮かぶように書くべし」
めまぐるしく変化する現代社会では、説明が大きな財産になる。
説明によって、物事の理解に要するコストを減らせるので、新しい話題に取り組めるようになるのだ。
説明には、興味を引くようにアイデアを示すという目標がある。
説明は人の注意を引いて、アイデアをそれぞれの視点から見るように促すので、聞き手は情報を得たうえで「このアイデアについてさらに知ろう」という意思決定ができる。これは重要な点だ。
あるテーマについてよく知っている人は、それを「知らない」という状態が想像しづらくなる。
これは共感に関わる問題だ。
背景
背景が肝心なのだ。
いくら有益で実行可能で知識が得られるアイデアだとしても、背景がわからなければ制約を受け
理解度が低いと「理由」を理解する必要があったが、理解度が高まるにつれてニーズが切り替わり、「手段」がどんどん重要になっていった。
基礎知識を繰り返したとしても、マイナスになるようなことはない。
背景を明らかにするには、単にいくつかの事実を述べた発言をすればいい。
その内容は、聞き手のほとんどが「正しくて十分にありうる」とみなす、議論の余地がないものでなくてはならない。
背景を用いる狙いは、同意の感覚から説明を始めることにある。
ストーリー
事実はストーリーに実体を授ける。
ストーリーは事実に意義を授ける。
人間を物語に付け加えることで、事実をさらに有意義な、興味深いものにできる。
説明に人間を用いると、聞き手は説明の内容を自然に、現実的に感じられる。
一連の事実に登場人物の経験を加えるだけで、人々の心に訴え、情報を与える経験を生み出せます。
その際、本筋と関係ない話をする必要はありません。
結びつき
類推とは、結びつきを際立たせるために二つの事柄を比較することだ。
二つの事柄が結びつくということは、その二つに類似点があるということだ。
類推は説明において、アイデアを理解しやすくする秘訣でもある。
過剰な選択肢は不満を生み出すことが多々あり、結局何も決められない場合もある。
手段の描写
聞き手の自信を深めることは、説明の尺度を飛び石の一つひとつを踏みしめて進み、「なぜ」という理由から「どのように」という手段に移動するための秘訣である。
ほぼすべての説明の中心には「なぜ」というただ一つの素朴な疑問が存在します。
説明が「誰が」「何を」「どこで」「いつ」「どのように」についても扱うかもしれませんが、答えなくてはいけない肝心な質問は、「なぜ」このアイデアは意味をなすのか、ということです。
脳はほぼ無限に近い可能性を秘めた神経の絡まりなのだ。
多大な時間とエネルギーを気付かなくてもよいことの選択に費やしている。
結果として、創造性は効率性と引き換えに失われれる。
だからこそ制約が重要になるのだ。
僕たちは常日頃からすき間を埋める可能性を探している。
説明が存在しないところに、または使いづらい形で説明が存在するところに、説明を生み出す可能性を探している。
職場や家庭をざっと見渡して、説明に関する問題を探してみよう。
伝え方がまずいせいで、アイデアが受け入れられていないところは?
すき間を埋めれば新たな視点から全体的な意図を理解できるようになるところは?
このように並べ立てていけば、世界は説明を改善できる機会にあふれているとわかるだろう。
説明上手になるということは、組織やチーム、家族の中である種の「ブランド」を築くことと同じだ。
アイデアを理解しやすくすることに特化した、特殊なコミュニケーションのブランドだ。
文章とビジュアル表現を組み合わせたものは、それぞれの総和を上回る効果がある。
動画の長さは必ず4分以内
大きなアイデアやテーマに取り組んだ場合、わが社の説明は賞味期限が長くなることに気付いた。
特定のトレンドやブランドではなく、ブログやパスワードの強化などがこれにあたる。
面白かったポイント
「わかりやすく説明する練習するのはなぜ?」ということをわかりやすく説明しています。
ストーリーやアナロジーなど伝える技術についてまとまっていますし、特に「なぜ」その要素が必要なのか?が丁寧に解説されているので理解度が高まります。
素晴しい教科書です。
GoogleドキュメントやTwitter、保険制度をわかりやすく説明する事例はさすが!といった感じで勉強になりました。
コモンクラフト社はWebサービスを中心に動画で説明していますが、すべての業界で「説明」は重要なスキルです。
これから伸びるEC市場において成長するにはマーケティングや広報担当者と連携して企業ホームページや商品ページに動画説明機能を組み込むことは必須だと思いました。
コモンクラフトによるTwitterの説明 Explained by Common Craft (VIDEO)
満足感を五段階評価
☆☆☆☆
目次
Part1構想を練る
Chapter1 フォームを学ぶ
Chapter02説明とはなんだろう?
Chpater03なぜ、説明は失敗するのか
Chapter04説明の構想を練る
Part2 パッケージする
Chapter05アイデアをパッケージする
Chapter06背景で説明する
Chapter07 ストーリーで説明する
Chapter08結びつける
Chapter09手段を述べる
Chapter10単純化する
Chpater11制約する
Chapter12準備と執筆
Chapter13説明の練習をする1
Part3 提示する
Chapter14コモンクラフト社が学んだこと
Chapter15説明とメディアの相性
Chapter16ビジュアル表現をする
Chapter17説明の練習をする 2
Chapter18説明上手な人になる