本の内容
100万ドル以上の純資産を持つ人々のことを「億万長者」と呼ぶ。
金持ちの特徴を三つの言葉で言い表わせば、倹約、倹約、倹約。
資産を築くには自分をコントロールする精神力、犠牲をいとわぬ態度、そして勤勉さが必要であること。
成功への鍵は、この三点に集約されるだろう。
経済的にしっかりした基盤を持とうと考えているなら、きっと実現できる。
だが、よい暮らしをするためにお金が欲しいと思っているのなら、一生、金は貯まらない。
資産計画
億万長者で目標設定をしている人の数は多い。
どちらかと言えば、守りに強いほうが、攻めに強い人よりもうまく資産を築くことが多い。
資産形成の第一歩は守りにある。
予算を立て、計画を立てることから守りは始まる。
億万長者は毎月相当の時間をかけて投資研究をして戦略を練ったり、投資した物件・証券の管理をしている。
賢い億万長者は仕事とプライベートの投資をいっしょに行なう。
億万長者は投資経験が豊富であるにもかかわらず、もっと上手に投資をしようと、時間をかけて努力をしている。
所得の多寡にかかわらず、資産額と資産計画にかける時間の間にはきれいな相関関係が見られる。
株をずっと持ち続ければ金持ちになれることは、わかってるんだが……だけどついつい動かしてしまうんですよ。
なにしろ、株価の上がり下がりをモニターでずっと見ていますから。
投資アドバイザーを選ぶときには、信頼できる税理士の紹介を受けるか、税理士の顧客で長期間上手な運用をしている人の紹介を受けること。
もし専任の税理士がまだ決まっていないのなら、早急に見つけることだ。
アメリカの金持ちの八割は一代で富を築いている。
自営業
自営業は資産形成に大きなプラスとなる。
自営業者、それも高額所得の自営業者の場合、経済的に自立することも仕事の目的の一つである。
どんなことがリスクだろう?
収入源が一つしかないことだと私は思う。
サラリーマンはリスクを背負っている。
給料の出所が一カ所しかないからだ。
ビル清掃会社はどうか。
客が100社あれば、収入は100カ所から生じることになる。
ビジネスの対象を金持ち、金持ちの子供、未亡人などに絞って考えると、ビジネスの好機はたくさんある。
金持ち相手の仕事をして自分も金持ちになった人は多い。
現金所得を最小限
資産を築くには、課税対象となる現金所得を最小限におさえ、含み益(現金を伴わない資産価値増加)を最大限にすべきである。
スーパーリッチは現金収入の割合を最小限に抑える術をマスターしたからこそ、スーパーリッチになれたのだ。
億万長者は現金収入ではなく、純資産額でものごとを考える。
資産形成には所得額はたいして意味を持たない。
それよりも、持っている資産をどう運用するかのほうがずっと重要だ。
子供の教育
経済的援助を与えれば与えるほど子供は資産を蓄えず、援助が少なければ少ないほど資産を築くようになる。
子供に勇気を持たせるにはどうしたらよいのかと尋ねられると、私たちは、売り込みが必要なことをさせてみなさいと答えるようにしている。
たとえば学校のクラス委員に立候補するよう励ましてみよう。
選挙で選ばれるには、自分を売り込まなければならない。
ガールスカウトでクッキーを売ることだって効果がある。
物を売るのは、客観的な第三者から評価されるよい機会である。
面白かったポイント
億万長者のイメージが変わります、ライフスタイルが参考になります。
まず、相続で億万長者になった人を除いて、働いている業種は派手ではなくどちらかというと地味であるというのは意外でした。
そして、年収もとびぬけて高くない。
これなら自分も億万長者になれるんではないかと希望が持てます。
しかし、一番のポイントは「倹約、倹約、倹約」ということでしょう。
この点が、耳が痛い所です。
金持ち本はどうやって儲けるかという「攻め」のみで終わってしまうことが多いですが、この本は弱くなりがちな「守り」が中心なので、資産を築くためにも必読です。
「守り」の本はあまりワクワクしないテーマですが、無駄遣いの典型である住宅や車を買う時の行動パターンを分類し、それぞれの事例が紹介されているのでとても分かりやすく読みやすい点が素晴らしいです。
家庭でも予算を立てること、資産の運用の勉強をすること、子供の教育、子供への経済的援助については、参考になる考え方が多いので、ぜひ取り入れたいと思います。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆
目次
1 となりの億万長者を紹介しよう
2 検約、検約、検約
3 時間、エネルギー、金
4 車であなたの価値が決まるわけではない
5 親の経済的援助
6 男女平等・家庭版
7 ビジネス・チャンスを見つけよう
8 職業:億万長者対遺産相続人