内容
イノベーション・ストリーム・マトリックス
〈ボックス1〉
改善や効率性の向上などを通じて、既存の中核事業が競争で強みを発揮し続けるには、どうすればよいか。
つまり、既存事業を「深化」させて将来の事業開発に必要なキャッシュフローを生み出していくために、どうすればもっと良くなるか。
〈ボックス2〉
既存技術の新たな応用や海外進出など新市場の新規顧客に、どのように既存技術を使って販売できるか。
〈ボックス3〉
新技術の開発を通じて、既存顧客をどのように支援できるか。
そのために必要な新しい組織能力は何か。
〈ボックス4〉
完全に新規顧客のために、まったく新しい技術やアプリケーションを開発するにはどうすればよいか。
また、新興市場に売り込むために、どのような新しい組織能力を必要とするのか。
企業カルチャー変革のLEASHモデル
第1の要素は、強力な「リーダーシップ」(L)だ。
その組織で何が新たに正しい行動となるかについて、経営陣が一貫性のある明確な合図を送る。
第2に、従業員にただ行動を変えるように言うだけではうまくいかない。
それよりも、新しい常識を受け入れ、自発的に適応しようとする必要がある。
従業員が賛同して取り入れてもらうために最も有効なのは、積極的に変革に「参画」(E)させることだ。
第3に、この適応を早めるためには、変革の取り組みに参加し、新しい行動をとった従業員を承認することが役立つ。
「連動した報酬」(A)は金銭を意味するわけではない。
むしろ、新しい企業カルチャーに即した取り組みや行動を公に認めて、みんなに紹介し、褒めることだ。
第4に、変革の機運を生み出し、従業員の賛同をさらに深めるためには、新しい行動がなぜ重要なのかを説明する「ストーリーと象徴」(S)を提供することが有効だ。
第5の要素は、選抜、研修、昇進など「人事制度」(H)というより大きな制度改革の中で、これらすべてを追求することだ。
従業員は誰がどんなことをして昇進しているかを常に敏感に見ている。
新しい行動様式に沿って、評価の手続きや内容を改革しなければ、他のすべての変革は冷笑や不信感を生むだけだろう。
重要なのは、企業カルチャーの変革を実行するためには、統合的な取り組みが必要だということだ。
LEASHモデルの5つのレバーはすべて等しく大切だ。
LEASHモデルの1つのみ、あるいは2つや3つの側面に注力した変革では成功は見込めない。
5つとも持続的に実施する必要があり、かなり難易度が高くなる。
面白かったポイント
イノベーション・ストリーム・マトリックスとLEASHモデルは勉強になった。
結局言いたいことは、強みを活かして、または開発して市場や顧客の変化に対応する企業のみが生き残る道ということ。
日本は急激な変化による摩擦は好まないので、摩擦を最小限にしてじわじわ変化する特性があるということ。
社会の安定と成長を持続するスタイル。
企業変革は経営者の意思決定力が握っている。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆