完全教祖マニュアル

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『完全教祖マニュアル』架神恭介

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内容

教祖

教祖には二つの要素が必要だからです。

その一つが「思想」であり、もう一つが「実践」です。

 

教祖の成立要件は以下の二要素です。

つまり、「なにか言う人」「それを信じる人」

それを誰か一人でも鵜呑みにして信じたなら、あなたはその瞬間から教祖と言って良いでしょう。

 

教祖は人をハッピーにするお仕事なのです。

人をハッピーにして尊敬を受ける職業なのです。

宗教で大切なことは、それが正しいかどうかではなく、人をハッピーにできるかどうかです。

 

会社を守るため、社員を食わせるために、時には非情な決断も迫られる社長。

対して、常に綺麗事ばかり言っていればいい教祖。

 

新興というのも悪いことばかりではありません。

歴史が浅いというのは、言い換えれば、いま最も新しい、つまり、ナウい宗教であると言えるのです。

 

あなたが神にどんな「機能」を期待するのか、そこから考えればよいのです。

 

努力したってダメな時はダメ。

では、そういった理不尽にぶつかった時はどうすれば良いのでしょう?

そう、ここで神です。

もし、あなたが全知全能の神を信じていれば、「まあ、これも神の思し召しだろう」と神のせいにできるのです。

 

本気で信じてさえいれば、どんな結果が出たとしても「これが神の意志なら間違いない」と肯定的に受け容れられるのです。

神の役割はむしろここにあります。

 

神が状況に応じて機能していることが分かると思います。

 

教義

現代日本では「スピリチュアルには関心があるけど宗教団体はイヤ」という人も多くいますが、それは彼らが「個人の霊的体験」を重視しているためかもしれません。

 

社会が常に正しいわけではないということです。

 

貧乏だとか、恋人がいないとか、出世できないとか、そういうことで不幸になっているのですから、あなたは彼らに社会とは別の価値基準を提供すれば良いのです。

  1. 社会の基準で幸せになれない人を見つける
  2. 反社会的な基準を与えてその人を幸せにする

一例を挙げるなら、ニートを幸せにする価値基準などを考えれば良いでしょう。

 

伝統的宗派でも出家は出家なので同じです。

本質的に反社会的であることには変わりありません。

 

社会に反する新しい価値基準を提唱し、「負け組」の人を「勝ち組」へと変えてハッピーにすることなのです。

 

論理的に構築された高度な哲学があれば、インテリを釣ることだってできるのです。

「前提」を踏まえた上での論理的思考。これが哲学です。

「前提」と「問題点」をつなげることになった論理的思考、これがすなわち「哲学」です。

 

どのようなプロパガンダも大衆にあわさねばならず、その知的水準は獲得すべき大衆の最低水準の人々が受け入れられるようにあわさねばならない。

 

元々の仏教というのは、論理的思考や修行により、怒りやら欲望やら執着やらをスッキリ取り去って人格的に完璧(仏)になり、輪廻転生の輪から外れましょう、という教えでした。

「人格的に完璧になり」という辺りでエリート志向がバリバリですね。

対して浄土教は、怒りや欲望を完全に取り去れない凡夫のための教えです。

「南無阿弥陀仏」と心の底から唱えると、死後に阿弥陀仏が極楽浄土に連れて行ってくれます。

極楽浄土というのはスポーツジムのようなものだと考えて下さい。

 

この世の真理を悟りたいとか、完璧な人格を目指したいとかではなく、健康でいたい、家族と仲良く暮らしたい、給料が上がるといいな、大学に受かりますように、と、彼らが求めるのはそういった次元のものなのです。

 

これで実際に治る人はいるでしょう。

プラシーボ効果というものがありますから、あなたが同じことをやってもある程度の結果は出せるはずです。

 

「その人が良いと思うことを実行させる」というものがあります。

なぜなら、人間というのは「こうした方がいい」ということは分かっていても、たいていの場合はそれを実行しないからです。

人間は良いことをする時にも悪いことをする時にも、とにかく「理由」が必要だからです。

「理由」のない行為はなんだか気持ち悪くって、たとえ善行でもやりたくないのです。

 

悪口を言わず小さなことで腹を立てなければ、人付き合いが円滑になり家庭円満にもなるでしょう。

 

あなたの宗教でも「信心が足りないからだ」はある程度言い訳に使っても構いません。

 

やる気なんてものは出すか出さないかだけですからね。

必要なのは踏ん切りをつける「きっかけ」なのです。

 

これはヨガに「心を落ち着かせよう」とする「きっかけ」としての意味合いがあると解することができます。

 

義務がある方が実はハッピーになりやすいのです。

 

あなたが現在において新興宗教を作るなら、最も適切な手段は「科学的体裁を取ること」です。

あなたの言うことを信じるのが「当たり前だ」と思わせるのです。

 

信者を保持

ちなみに現代において、この手法でもっとも成功している事例が「エコ」というアイデアでしょう。

エコは私たちを常に「困った状態」にしています。

このまま手をこまねいていると、近い将来地球環境が悪化して住めなくなってしまいますよ。

 

たいていの人は父や母にしてあげたことよりも、してもらったことの方が遥かに大きいわけですから、なんとも申し訳ない気分になってきます。

分かりますね?

まず、ここで「不安」を与えているわけです。

 

「自分はなんてダメダメなやつなんだ」という想いから、「こんなダメダメな自分でも、みんなに助けられてちゃんと暮らしていけるって幸せだなあ」という考えへとチェンジしていくのです。

この変化が生じれば内観療法は成功です。

 

「あなたがいま幸福なのはこの宗教を信じているからですよね?」

 

「一回コレをやればハイ救済。後は好きにしていいよ」というものではなく、教団への永続的なコミットメントを要求するような、そういった類の救済を与えるようにしましょう。

 

組織を固める、という意味では他にも重要なポイントがあります。

それは「差別化」です。

あなたの教団内に特殊なルールを採用し、教団の内側と外側に温度差を作ることで、信者たちを教団に繋ぎ止めるのです。

 

食物規制には社会学的な意味もあると言われています。

そちらの解釈によると、食物規制をすれば異教徒と食事を共にすることが難しくなり、それに伴い友人作りや結婚が難しくなるので、同じ宗教の信者同士で交友や結婚をすることになる。

つまり、食物規制には宗教コミュニティの強化としての意味合いがある。

 

布教

現代における社会的弱者を具体的に示すならば、ワープアやフリーター、ニート、派遣社員などを挙げることができるでしょう。

また、伝統的な社会的弱者である、罪人、病人、女、子供、障害者、下位カーストなども確実に押さえていきたいですね。

彼らのような人たちにこそ、あなたのもたらす救いが必要なのです。

 

甘い汁を吸う

彼らの名誉欲を刺激することです。

彼らがたくさん寄付をすればするほど教団の中で一目置かれるような、そんなシステムを作り上げましょう。

たとえば、寄付をするために条件を付けるというのも一つの手段です。

「ある程度の財力と、しっかりした信仰がなければ寄付はできませんよ」などのように、寄付できることをむしろ信者の特権とするのです。

 

信者一人一人の経済力を高めることは非常に有効です。

当たり前の話ですが、信者一人当たりの所得が増えればそれだけ寄付金の額も増えるからです。

つまり、真面目に信仰すれば勤務態度が良くなり、努力も惜しまなくなり、勤労意欲がメキメキ湧いてくるような、そんな教義を作れば良いのです。

 

面白かったポイント

宗教の作り方の解説は斬新で面白かった。

 

宗教の機能を見ると、これからますます人から求められる存在になるのかもと思いました。

これまでの家族や地域、学校、会社といった枠組みでのコミュニティではなく、同じ価値観を共有するコミュニティに所属することが楽しい、幸せと感じることができるのだろう。

 

今は、物理的制約をとっぱらって繋がれる時代、ネット宗教もどんどん生まれるだろうし、オンラインサロンはその先駆けだと思う。

オンラインサロンと宗教の違いは、信じる対象がサロンオーナーか神かという違いだけか。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

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