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成果に直結する「仮説提案営業」実践講座

ビジネス

『成果に直結する「仮説提案営業」実践講座』城野えん

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内容

必要性訴求

ニーズが顕在化していない顧客との初回商談では、まず、顧客に

「そうか、そういえばうちにもこういう課題があるな」

「確かに、この課題について、解決策を今検討すべきだな」

という気づきを与え、ニーズの掘り起こしをする「必要性訴求」にこそ、しっかりウェートを置くべきなのです。

 

極端な話、初回では製品の話はほとんどする必要がなく、「必要性訴求」9:「製品説明」1、の割合でも案件化することが可能です。

そして効果的な「必要性訴求」のために、初回商談で「仮説提案」を準備しておくことが重要なのです。

 

限られた情報をもとに顧客の課題と解決策について仮説を立てて個別提案資料を準備し、商談でのヒアリングを通してその仮説を検証し、その結果をもとに次の商談で仮説を修正した本提案をする。

 

初回商談で仮説提案を持っていく目的

しかし、「仮説提案」においては、「立てた仮説が正しいかどうか」はそれほど重要ではなく、「仮説を立てて商談に臨むこと」そのものが重要になります。

なぜなら、初回商談で「仮説提案」をすることの真の目的は、顧客に新たな気づきを与えることによって、顧客の信頼を勝ち取ることだからです。

 

信頼さえ勝ち取れれば、ヒアリングで積極的に情報を出してもらえますし、その内容をもとに仮説提案をブラッシュアップして、次回バージョンアップした提案を見せる流れに持っていきやすくなります。

また、たとえ準備してきた仮説が間違っていたとしても、そこから話を発展させて、別の提案機会をもらいやすくなります。

つまり、仮説が合っているかどうかにかかわらず、初回商談を突破して次のステップに進みやすくなるのです。

 

そもそも、みなさんは正確な仮説を立てるように顧客から依頼されているわけではなく、自分の意思で仮説を立てています。

そうであれば、立てた仮説が間違っていたとしても咎められるということはありません。

ですから、「間違っていたらどうしよう」という心配は不要なのです。

 

仮説提案を作るための手順

重要なのは、仮説を立てることで、汎用的な提案ではなく、最初からその顧客のための個別提案であるように見せることです。

すなわち、顧客に「これは自社のための提案だ」と認識させることが重要なのです。

 

顧客の現状に関して情報を収集し、文章にしてまとめることです。

この時、網羅思考にならないようにするのがポイントです。

 

事実を文章化することで、少しずつ頭の中が整理されていきます。

その過程で、それぞれの事実からどんなことがいえそうか、思考を広げていくことができ、結果として仮説が立てやすくなるのです。

 

明確なニーズがない顧客にこちらが新製品を売り込みたい「攻めの営業」の場合、顧客の状況について色々と質問をしても必ずしも積極的に情報を出してくれるとは限りません。

むしろ、あまり詳しく話してくれないことの方が多いです。

なぜかというと、顧客がアポイントを OKしてくれたのは、「情報収集がしたい」からであって、「情報提供がしたい」わけではないからです。

 

自分の知識がどんどん増えていけばいくほど、相手も自分と同等の知識を持っているだろう、という考えになりやすいからです。

「わかっているはずだから」と背景やつながりを飛ばした説明をしてしまうと、共感・納得されにくい提案となってしまうので気を付けましょう。

 

初回商談で、その企業のための仮説提案をすることの狙いは、「顧客からの信頼を獲得する」ことにあります。

心理学では、「何かしてもらった時にお返しをしたくなる心理作用」のことを「返報性の法則」といいます。

実は「初回商談から顧客のための個別提案資料を持っていく」ことで、この「返報性の法則」が働き、「自社の情報をしっかりと出してあげよう」「真剣に営業の話を聞こう」「紹介された製品をしっかり検討してあげよう」と、顧客に思ってもらいやすくなるという効果があります。

 

提案資料作成

ニーズが顕在化していない顧客に、必要性を訴求するのに必要なものは、以下の5W2Hです。

あらかじめ、これらにすべて答えられるように資料を準備しておくと、初回商談で案件化できる確率が一気に高まります。

ただ、仮説提案営業では、一般的な5W2Hのフレームワークではなく、Why? × 4W + 2Hというフレームワークを使用します。

また、How?が「どうやって?」ではなく、「どうなる?」に変わるという点もポイントです。

 

製品の機能や詳細について伝えているパートが多いという方は、現在の提案が、「ソリューション提案」ではなく「モノ売り」提案になっている可能性が高いです。

実際、IT企業の営業が初回商談で使う汎用説明資料は、5W2HのうちHowとWhatとHow muchの3つだけのものが非常に多いです。

 

導入事例の重要性

お客様に具体的な製品導入後のイメージを持って頂くために、提案資料には必ず導入実績・事例の情報を入れるようにしましょう。

この時、お客様に刺さる事例を準備しておくことが重要です。

そのためには、なるべく顧客の業種・規模に合わせた導入事例を用意しておくことです。

 

新製品の拡販では、初期の段階ではすべての受注案件を事例スライド化しておくことをお勧めします。

事例スライドは、公開事例である必要はありません。

大企業の場合、公開事例にするためには社内チェックに大変な時間がかかります。

会社名が公表できなくても、スピードと数重視でどんどん作成するほうが効果的です。

 

事例集は資産になります。

チームでフォーマットを統一して、インデックスをつけておけば、商談ごとに必要な事例をピックアップして使いやすくなります。

顧客の業界や規模、課題に合わせて資料に入れる事例を差し替えることで、その顧客向けの個別特化資料に見せることができ、仮説提案資料作成の短縮につながるため、営業効率をアップさせることができます。

 

アポイント

仮説提案営業では、アポイントの目的を「製品紹介」ではなく、「他社の取り組み紹介」と伝えることをお勧めしています。

「弊社のほうで昨今の□□業様のよくある業務課題と取り組み事例をまとめておりまして、御社にもお役に立つ内容と思いますので、××様にも一度ご紹介したいのですが、来週後半か再来週前半あたりのご都合はいかがでしょうか」

 

では、次にアポがとれやすいメール例を見てみましょう。

ポイントは、以下の3つです。

1.製品紹介ではなく、他社の取り組みを紹介したいと伝える(相手にとって会うメリット)

2.製品の詳しい情報は記載しない

3.「候補日を頂けますか」とお願いするのではなく、「ミーティングをセットしたいのですが、以下の日時ではご都合はいかがでしょうか」と、こちらの候補日を先に書く

 

初回商談

「攻めの営業」における初回商談では、顧客のニーズは顕在化していません。

この状態で一方的なプレゼンをしてしまうと、「製品を売り込みたい」ということばかり強調され、ニーズの掘り起こしや必要性訴求をするのに逆効果になる可能性が高くなってしまいます。

「攻めの営業」では、初回商談を「製品紹介プレゼンを実施して、製品への理解を深めてもらう場」と設定するのではなく、「双方向コミュニケーションにより顧客との信頼関係を築く場」に設定しておくことが重要です。

 

仮説提案営業では、ここで仮説を立ててきたことを堂々とアピールします。

「本日ですが、せっかく貴重なお時間を頂けるので、弊社が御社の役に立てることは何だろうと考えながら、〇〇業界の動向や御社のホームページなど色々調べて、御社向けに課題解決のご提案を私なりに考え、お持ちしました。あくまでも仮説に基づいたご提案になりますので、実情と異なる部分もあるかと思います。ぜひ、御社の実際の状況をお伺いしつつ、御社にとってお役に立てる内容かご判断頂きたいと思います。もし、御社にとって有益な提案だと思って頂けたら、最後に今後についてご相談させて頂ければと思います。そのような進め方で、大丈夫そうでしょうか」

「はい、大丈夫です」

このようなやりとりをすることで、「途中で顧客から情報提供してもらうこと」「良い内容だと思ったら次のステップに進むこと」を最初に顧客からコミットしてもらうことができます。

 

最低でも10分に1回程度、質問タイムを設けるようにしましょう。

さらに「質問はありますか?」という聞き方を「ここまでで何か気になったことはありますか?」「これってどういうこと?と感じたところはありますか?」などに変えてみましょう。

「質問」ではなく、「気になったこと」や「どういうこと?と感じたところ」とすることで、発言するハードルをいっきに下げてあげるのです。

 

無償トライアル

無償トライアルは、確かにお金を払わずにお試しできるので一見顧客にとってメリットしかないように見えます。

しかし、トライアルをするにあたって、マニュアルを読んだり、環境を準備したりする必要がありますし、検証をしている時間は担当者は通常業務ができません。

すなわち、見えないコストが発生するのです。

そのため、ベンダー側からするとトライアルは案内すればすぐに実施してくれるものと考えがちですが、実際はお客様にとっては「気軽にできること」ではなく「しっかり準備して行うこと」で、ハードルが高いものなのです。

 

商談のクロージング

自社だけでなく先方にお願いしているタスクについても最後にしっかりと伝えることで商談終了後すぐに動いてもらいやすくなります。

確実に案件を前に進めるために顧客のアクションを誘導してあげましょう。

 

商談直後のフォローアップ

「対応スピード」や議事メモの「文章のわかりやすさ」から信頼を獲得することができます。

実際、某大手企業で長年トップの成績だったある営業の方は、「商談後、顧客先のビルの受付の待合スペースで議事メモを書いてメールで送信してから、ビルを出る」ことをルーティン化していました。

成果がでている人は対応スピードでも顧客から信頼を獲得しているのです。

 

プレゼン時

ノートをバインダーにはさんで、画面に映るようにあえて見せながらメモをとっています。

こうすることで顧客に「あなたの話を真剣に聞いていますよ」とアピールできます(実際、以前「話をよく聞いてくれていますね」とお客様に褒められたことがあります)。

これとあわせて、大きくうなずいたり、あえて画面に近づいたりするのも効果的です。

 

面白かったポイント

仮説提案営業は強力な手法だと思う。特にBtoBの営業は必須。

さらに今はAIでカスタマイズした提案資料を作成するコストも下がっているので、やらないほうがどんどん負ける時代に。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

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