本の内容
悪いトレードをしないことが重要
成功するトレーダーが利益を上げ続けることができるのは、トレーダーが陥りやすい落とし穴を避けながら高確率トレードを行うからである。
重要なのは、負けない方法を学ぶことである。
優れたトレーダーになるための第一歩は、悪いトレードをしないようにすることである。
手仕舞いルールを持たないために、勝ちトレードを負けトレードに転じさせてしまうことが多い。
負けトレーダーから一転して勝ちトレーダーになることができたのは、良いトレーダーと悪いトレーダーを注意深く観察し、成功するトレーダーの習性を見習い、自分を含め悪いトレーダーに共通する悪習を避けるようにしたからである。
また、自分自身の負けトレードを分析し、そこから教訓を導き出した。
トレーダーが唯一トレーディングを学べる場所は現場しかなく、トレーディングで失った資金が授業料となるのだ。
過ちを犯して金を失うことで、それが過ちだったことに気づき、同じ過ちを繰り返さないようにすることです。
自分の進歩を記録する良い方法は、トレーディング日記をつけることである。
日記はパフォーマンスの評価や、自分のトレーディングパターンの分析に役立つ。
日記に書くべきことの中で最も重要なのは、トレードを行った理由である。
理由を書くことでトレーディングパフォーマンスは劇的に向上する。
低確率なトレードを極力避けようとするため、意思決定能力は向上する。
日記は定期的に見直すことで初めて書いた効果が得られる。
トレーディングを初めて1~2年は、大儲けをする時期ではなく、学びの時期だということを理解することが大切だ。
したがってトレード量やリスクは最低限に抑える。
ギャンブルするな。ニュース発表前にポジションをフラットにする。
勝率を上げる方法は、低確率シナリオを見分け、そういったシナリオ下でのトレードを避けることだ。
高確率トレード
高確率トレードになるのは、大概はメジャートレンドの方向にトレードした場合のみである。
上げ相場にあるときは、トレーダーは押し目買いを待つ。
トレンドを見つけるのに有効なのが、移動平均線、トレンドライン、チャネルで、チャートは長い時間枠のものを使う。
メジャートレンドをつかむのに使うのが日足チャートと週足チャートだ。
次に30分足と60分足チャートを使って見る部分を絞り込む。
トレンドを見つけたとしても、それがどれくらい続くのか予測するのは難しい。
そんなときに便利なのがフィボナッチ比だ。
天井と底を予測して相場の先を読もうとするよりも、オシレーターを使ってダイバージェンスを見つけることのほうが高確率トレーディングにつながる。
オシレーターは、メジャートレンドの方向にトレードするために使うべきである。
上昇相場のときは、オシレーターを使って押しを待つ。
待つことに耐えられるトレーダーはほとんどいない。
トレードしたい誘惑を振り切るのは容易なことではないが、これが高確率トレーダーと低確率トレーダーとの分岐点であることをしっかりと覚えておこう。
優れたトレーダーになるためには、レンジ、パターン、トレンドのブレイクアウトを見極め、それに応じたアクションを取ることができなければならない。
賢明なトレーダーは、リスクよりも大きなリワードを期待できるトレードにしか手を出さないものだ。
トレーディングで成功するためには一にも二にも損切りが重要であることをトレーダーはよく認識しておくべきである。
あれもこれもと欲張りすぎるよりも、時間をかけて自分が得意とする市場のエキスパートになったほうがよい。
最大の損失は大きな連勝のあとで発生することもある。
勝ちが続くとうぬぼれて、自分が無敵のように思えてくるため、不用意にポジションサイズを増やしてしまう。
あなたを勝者へと導き、破産から守ってくれるのはマネーマネジメントであることを忘れてはならない。
トレーディングにおいて最も重要なことのひとつは、いくら稼ぐのではなく、損失をどれくらい低く抑えられるかである。
負けポジションは最初に手仕舞い、ベストポジションは長く保有せよ。この反対をやる人が多すぎるのである。
タイミングを見極めたうえで少なくトレードし、少ないポジションを持つことこそが、パフォーマンスを向上させる秘訣だ。
ベストトレーダーは、1つか2つの市場に集中し、そのエキスパートになる。
規律を持ち、しっかりしたトレーディング戦略とマネーマネジメントプランがあればお金は稼げるのである。
面白かったポイント
負けているトレーダーは絶対に読んだ方がよい本です。
トレード未経験者だとこの本に書かれていることの重要性はもしかしたら理解できないかもしれませんが、ある程度経験を積み、学習を続けているトレーダーにとっては学びの多い内容になっています。
具体的なトレーディングテクニックはありませんが、仕掛け、手仕舞い、資金管理、感情コントロールとトレーディングシステムを作る上に要素が網羅されています。
1冊の本で、ここまで体系的に網羅されている本はあまり見たことがありません。
全体的に基本的な内容で目新しさは感じないし、同じ内容が何度も繰り返されるので冗長な気もするけれど、本質的な内容を繰り返し読むことで自分の中にしっかり落とし込めます。
もし、トレードで負けているならトレーディングシステムに問題があるかもしれないので、この本を読み返すことで自分は基本に忠実にトレーディングしているのか見つめ直すいい機会になります。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆
目次
第1部 トレーディングの心得(トレーディングの授業料
現実的な目標を設定しよう
ハンディをなくせ)
第2部 ニュースの利用(ニュースでトレードする)
第3部 テクニカル分析(複数の時間枠でチャンスを広げよ
トレンドでトレードする
オシレーターを使う
ブレイクアウトと反転
手仕舞いとストップ
高確率トレーディング
第4部 プランに基づくトレーディング(トレーディングプランとゲームプラン
システムトレーディング
バックテストについて
マネーマネジメントプラン
リスクパラメータの設定とマネーマネジメントプランの作成)
第5部 自己管理(規律―成功へのカギ
オーバートレーディングの危険性
内面を鍛えよ―常に冷静であれ