マスター・オブ・スケール

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『マスター・オブ・スケール』リード・ホフマン

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内容

企業の多くが5000ドル(約65万円)足らずで開業している。

何より重要なのは知識と洞察力とインスピレーションなのだ。

 

会社の規模

会社が大きくなるにつれて、このような手の込んだ仕事をするのは難しくなってくるものだ。

みなさんが達成できる最大の飛躍、最高のイノベーションが起きるのは、会社が小さいときなんだ。

 

頭のいい創業者たちは、手間のかかる実務を止めようとしない──組織がどれほど大きくなっても。

 

「すぐに事業拡大しない」というのが、より良い製品やサービスの開発を意味するのはもちろんだが、それは初期の信頼関係とパートナーシップを築くことにもなると理解していた。

 

信頼を早く得るための3つの方法

「信頼とは、時の試練を経た一貫性のことだ」

 

人々からすでに信頼されている誰かの支持を取りつけるか、または、その人にあなたのバリュープロポジション(マーケティング用語で、自社だけが提供できる価値のこと)を明確に発言してもらうこと。

数字によって導き出される信頼である。

 

相手に誓約したり保証したりする。

誓約することで、自分の覚悟を示すことができる──事業を成功させるために自費をつぎ込み、自分の利益より相手の利益を優先させ、しかも、失敗したときの損失は自分でかぶる覚悟ができていると。

 

徹底的に透明性を高めること。

社内の規約や行動規範を公開するのも良いかもしれない。

 

素晴らしいアイデアの実現

必要なのは、正しいマインドセットである。

 

まずは、好奇心

常に「これは、うまくいくだろうか?」「ビジネスとして成立するだろうか?」「これが僕の探し求めていたアイデアだろうか?」と問い続けなければならない。

 

次に、素早い行動力

価値を持つアイデアが見つかったら、即座に行動を起こすこと。

 

さらに、共同で取り組む必要もある

他の人の着想と能力を活用して、自分のアイデアを改善し具現化する。

 

最後に、不屈の精神力だ

避けようのない数々の失敗を乗り越え、目標達成まで諦めずに立ち向かっていく姿勢だ。

 

フィードバック

正直なパートナーや配偶者は、最高のフィードバック発信源であること。

そして、小さなひとつの意見であってもプロダクトを特徴づける結果になり得る。

 

画期的なアイデアは個人ではなく、人とのつながりによって生まれる。

 

アイデアに対して異論をはさんでくる人たち、創造力のある人たち、懐疑的な人たち、他にも多くの起業家たちと十分に話をするなかで、思考のペースは加速され、短期間に次のビッグアイデアにたどり着けるようになるだろう。

 

会社が従業員を家族と呼ぶのはごまかしに過ぎないとも考えている。

ネットフリックスの従業員たちは、たとえて言うならスポーツチームであり、「最終的に重要なのはパフォーマンスであって、無条件の愛がある家族とは異質な集団なんだよ」

 

すべてのレベルで抜群のパフォーマンスが求められるんだ。

それと、もうひとつ大事にしているのは、どんなときにも正直なフィードバックを互いに与え合うこと。

それぞれが学び、最高の成果を出すためにね。

 

苦境から生まれたアイデア

苦しい体験を通してしか、必要な解決策は見えてこないのである。

危機に直面することにより焦点は絞られ、決意は強固になるものだ。

 

ビジネスを成長させる

エリック・シュミットにとって、勝利のコンビネーションは「粘り強さと好奇心」だ。

「粘り強さは、将来的な成功の大きな予測因子だよ」とシュミットは言う。

「2つ目は好奇心。つまり、どんなことが気になるか、だね。粘り強さと好奇心のコンビネーションは、知識経済で成功するための大きな因子になる」

 

自分自身の知識の欠落を認識するのは、企業を成長させるうえで重要だ。

そして企業の成長に伴い、スタッフの採用ポイントを2つの観点でシフトさせることが成功の秘訣である。

そのひとつは、ゼネラリストからスペシャリストへ、もうひとつは、担当者からマネジャー、そして幹部へのシフトである。

 

事業の拡張を進めるうえで、どのスタートアップにとっても重大なのは、自分たちの資源をどう分配するかという問題だ。

単純に、70/20/10という分配比にするのも有効かもしれない。

これは、資源の70%を主要プロダクトに、20%をその周辺プロダクトに、10%を相当なリスクを伴う新事業開発に充てるという分配方式である。

 

ピボットするのはゲームの一部だと知っておくべきだ。

 

ユーザーの意見

ユーザーの言うことを字義通りに解釈して尊重しすぎると、痛い目に遭うかもしれない。

疑わしいときは、彼らの言葉ではなく、行動に注目したほうがいい。

 

結局は、一定数の集団を少しずつユーザーとして迎え入れていくしかない。

そのため、できるだけ早いうちに、サービスを頻繁に利用する可能性のある人々のグループを見つける必要がある。

そうしたユーザー集団は小さいながらも、しっかり打ち込まれた楔のような役割を果たし、そこから地盤を広げていけるかもしれないからだ。

 

リーダー

リーダーとは「道を塞ぐ障害物を取り除く」者だ。

リーダーの任務は、チームに方向性を示して、メンバーの進行を邪魔するものをひとつ残らず片づけることだ。

 

組織

完全に海賊化したスタートアップには第二の問題がある。

決してスケールしないということだ。

 

どのスタートアップもどこかの時点で必ず、無法な「何でもあり」の文化から脱却して、海軍に近い組織──統率の取れた、コミュニケーションと長期的な戦略を重視する企業体──へと進化する必要がある。

 

徹底的な透明性を持つ会社には、自由で自発的なフィードバックが不可欠であるが、同時に、反対意見や批判が建設的でポジティブな方向に向かうように規定する指針やガイドラインをつくるのも重要なことだ。

自分のスタッフが7万人だろうと、ひとりのチームだろうと、リーダーが固く団結したチームをつくるには2つのことが必要である。

それは崇高なミッションと、日々の人間的な接触だ。

 

絶えず外部の人間を社内に迎え入れる場合と、社内で人材開発に取り組む場合とでは、企業文化の構築と強化の方法も違ってくる。

 

システムを構築するのに必要だったのは、チームを構築することだった。

 

世界規模の会社にとってもっとも重要なものが「人間性」である。

 

面白かったポイント

スタートアップの話が興味深かった。

結局は、素晴らしいアイデアを実行する能力次第ということ。

資質としては、好奇心とあきらめない心が大事。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

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