内容
営業とは、お客さまが抱えている問題を解決することで報酬として代金をいただく仕事です。
科学的アプローチ
優秀な営業担当の書いた本は、普通の営業担当にはまったく役に立たない。
そこには、計測されたエビデンスがないからだ。
この時代に売上をアップしていくために必要なのは、根性ではなく科学である。
営業という仕事から「属人化」という枠は外さないといけないのだ。
売上は個人の能力に属しているのではなく「売るための行動」に属しているのである。
優秀な営業担当は、「売るための行動」ができているに過ぎない。
成績を残せない多くの営業担当は「やらなければならないこと」ではなく、「やったほうがいいこと」にエネルギーを注いでいる場合が非常に多い。
モノを売るのがうまい人は、適切な時間に電話をし、適切な時間に訪問し、適切な商品を提案し、適切な声掛けをしている。
チェックリスト
計測されたエビデンス(科学的手法)に基づいて、売れる営業を「見える化」する。
売れる営業の行動を継続できるように「仕組み化」する。
計測した結果、最も売上につながっているとわかった行動(行動科学では、これをピンポイント行動と呼ぶ)を、チェックリストに従って繰り返すことで、誰でも同じ結果を出せる。
肝心なことは、そこには売上に直結するピンポイント行動のみが記されていることである。
そして、ピンポイント行動は属人的なテクニックによるものではない。
ステップごとに行動を分解してみれば、営業とは実はもっとわかりやすい仕事。
チェックリストは、「できている」と思っていることを完壁にできるようにしていくためのもの。
最初は、できることばかりが並んでいるような、一枚で収まる簡単なチェックリストをつくってみてもいい。
三つの項目を選ぶときには、「できること」から選んでいくのが正解だ。
できると思っていることを完壁にできるようにする。
マネジメントテクニック
行動科学マネジメントでは、スモールゴールを設け、そこにゴールできたら小さな楽しい褒美を与えるという仕組みをつくっている。
部下が望ましいピンポイント行動をとったら、瞬時にその場で褒めることが大事だ。
できれば60秒以内に褒めること。
部下からは「ピンポイント行動」についてのみ報告させるのである。
部下がとったピンポイント行動の数を、グラフに示して見せながら褒めるのもいい。
ただし、このときのグラフにはコツがあり、間違うと逆効果になる。
グラフは右肩上がりのものでなくてはならない。
「努力が累積している」ということがわかるグラフにするということだ。
行動の数を蓄積していくグラフにすれば、確実に右肩上がりになる。
「このまま、この行動を続けていけばいいんだ」本人の強い自信となり、ピンポイント行動が増えていくのである。
面白かったポイント
業務プロセス改革を営業部門にどのように実践していくのか具体的に記載されています。
肝は成果をあげている営業マンの行動を計測し、成果をあげるための行動を抽出し、チェックリストにしてみんなに共有して実践するということです。
プロセス改善の王道ですね。
これは営業活動に限らず人生を生きていく上でも意識していきたいと思います。
人生は有限なので、自分にとって価値ある活動にフォーカスして行動することが大切です。
満足感を五段階評価
☆☆☆
目次
●第一章 なぜできる人の書いた本は役に立たないのか?
1 いままでの手法では駆逐される
2 なぜ行動科学マネジメントでモノが売れるのか
3 科学的手法こそ「全員の成長」を可能にする
4 ほとんどの会社が陥る非科学的間違い
5 結果だけで評価すると組織力は低下する
6 行動科学マネジメントをあなたの営業に応用する
●第二章 チェックリストで売れる行動を見える化する
1 チェックリストのつくり方
2 行動科学で営業ステップを分解する
3 いかにピンポイント行動をあぶり出すか
4 チェックリストで成功する営業の現場とは
●第三章 行動科学で営業改革を成功させた企業
1 ワンマン社長の属人的な営業手法から全社的な脱却を図る
【企画商品の卸および販売事業 X社】
2 アルバイトやパートにも導入できる販売方法
【和菓子販売事業 Y社】
3 営業部署ごとのバラバラな手法を一元化
【資材販売事業 Z社】
●第四章 売れる行動を続けるための10のテクニック
テクニック1 「六〇秒ルール」で褒める
テクニック2 メールや面談で報告させる
テクニック3 第三者を通して褒める
テクニック4 グラフで褒める
テクニック5 ツールを活用する
テクニック6 褒めるための場を設ける
テクニック7 非金銭的報酬を大事にする
テクニック8 叱るときは4対1の法則で
テクニック9 計測を続ける
テクニック10 オープンにして自分も巻き込む