本の内容
「わしが富への道を見つけたのは、稼いだものは、すべてその一部を自分のものとして取っておくことを心に決めたときだ。」
まずはじめに、稼げる範囲内で生活することを学んだ。
次に、自分自身の経験に従って、有能な人間に助言を仰ぐことを学んだ。
そして最後に、金を自分のために働かせることを学んだ。
何かの仕事をすると自分で決めたなら、それがどんなにつまらないことであろうと、最後までそれをやりとげる。
それ以外に、どうすれば大事をなせるという自信を持つことができるかね。
財布を太らせることから始めよう。
財布にコインを10枚入れたら、使うのは9枚までにする。
私たちがそれぞれ必要経費と呼んでいるものは、自分で気をつけていない限り、必ず収入と等しくなるまで大きくなってしまう。
必要な支出について予算を立ててください。
金の流れこそ財産
小さなものでも明確な望みを実現するやり方さえ身につければ、より大きな望みを実現するための訓練となってゆくのです。
これが金が貯まっていく過程です。
初めは小さな金額、それから経験を重ね力が増すにつれて、だんだん大きな金額になってゆくだけです。
我々は金持ちになりたいと思っている。
ところが、いざチャンスが目の前に差し出されると、内なる優柔不断の心が出てきて、せっかくのチャンスをさまざまな口実で遅らせようとするのです。
幸運というものはチャンスのあとに来ることが多い。
より慎重な選択こそが、大きな後悔から身を救う。
面白かったポイント
人生の成功の原則を物語で分かりやすく教えてくれる名著ですね。
私は、第8章の「名誉を重んじる人間ならば誰でも負債から抜け出し、財産と自尊心を獲得できるようになる」という言葉に基づく計画に忠実に従ったダバシアの話と、第9章の「働くことを心から楽しむ」という話を特に気に入りました。何度も読み返したくなるいい話です。
収入の70%で生活し、10%は貯金、20%は借金返済に使うというポートフォリオは実践したいと思います。
財布を太らせるというのはいい表現ですね。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆
目次
プロローグ こんなに働いているのに、どうしてお金が貯まらないのだろう―戦車職人バンシアの素朴な疑問
第1話 財産を築くには不滅の「原則」があった―富豪の金貸しアルガミシュの忘れ得ぬ言葉
第2話 富をもたらす黄金の「七つの知恵」とは―大富豪アルカドの価値ある講義
第3話 「幸運の女神」が微笑む人間とは―大富豪アルカドと受講者たちの白熱の議論
第4話 金貨の袋か、「知恵の言葉」が刻まれた粘土板か―大富豪アルカドの息子ノマシアの苛酷な試練
第5話 自ら稼いだ資金の運用は、こうして決める―富豪の金貸しメイソンの忌憚なき忠言
第6話 「強固な城壁」は、人々を恐怖や不安から守ってくれる―老戦士バンザルの確固たる自信
第7話 奴隷に成り下がっても、「人間としての誇り」を忘れなかった男―元奴隷、富豪の駱駝商人ダバシアの数奇な体験
第8話 「バビロンの知恵」は現代にも通用するか―出土した粘土板が伝える貴重な記録
第9話 幸福 それは「労働の喜び」を知ること―元奴隷、富豪の大商人シャルゥ・ナダの愛ある教え