本の内容
トレードの鉄則
最弱抵抗線が明らかになるまで待ち、テープが上昇を示したら買い、下落を示したら売るを突きつめることができれば相場で利益をあげるのはそれほど難しいことではないだろう。
そしてトレーダーは、トレンドに従って建玉を積み増していくべきなのだ。
次第に不安が募る。手仕舞ったほうがいい。とにかく何かが変だった。
それが何なのかわからなければ、自分の身を守ることもできない。
そういう時にはすぐさま手仕舞うべきなのだ。
最初の建玉で利益があがらないかぎりは、続けての建玉は手控えるべきだ。
もし投機するのならば、一度に買ってしまうなということなのだ。
大きく儲けられた理由
実のところ、おれにとって最大の成果は、儲けた金額の多寡ではない。無形のものである。
つまり、おれが正しかったということだ。
おれは先を見通し、確たる計画に従って行動した。
おれが大きく儲けられたのは、決しておれの頭脳によるのではなく、相場に腰を据えてじっくりと居座ったからなのだ。
おれの言わんとすることがおわかりだろうか。
相場に頻繁に出入りしない辛抱強さだ。
おれにとって、金を失うことは何でもなかった。
実際、損切りしてしまえば、もう何でもなかった。おれば一晩で忘れられた。
しかしミスを犯したという事実「損を確定したということではなく」が、資金面でも精神面でもおれを打ちのめすのだった。
すべきではないことを学ぶには、持てるもの一切合切を失うというのが一番だ。
金を失わないためには何をすべきでないかがわかった時、相場で勝つのに何をすべきかということがようやくわかり始めるのだ。
おれの言っていることが理解できたら、そう、進歩しているということだ。
プロのトレーダーとしての態度
トレーダーたる者は、相場の基本的なコンディションや前例、またその他のトレーダーの心理状況やブローカーの技量などの研究はもちろん、自らの弱点をも研究してこれに屈することのないようにしなければならない。
もし投機をうまくやろうと思うのなら、自分のことを完全に理解しなければならない。
間違いを犯した時に、他にどうすることができたのかがわかるようになるには時間がかかる。
投機家は常に冷静であるための方法を学ぶのにいかなる代償も惜しむべきではない。
相場で生計を立てていくつもりであれば、自分を、自分の判断を信じなければならない。
この信条ゆえにおれは他人の情報を信用しないのだ。
他人の情報によって株を買ったなら、売る時もその情報に従わねばなるまい。
おれは生涯を通じて、何度となく失敗を重ねてきたが、その都度、貴重な「すべからず」の教訓を蓄積してきたのだ。
医者が科学の進歩に遅れをとるまいと研究を続けるように、賢明なトレーダーなら常に相場全般のコンディションの研究を怠らず、相場の動きに影響を与えそうな事柄にはすべて気を配ろうと努める。
こうした姿勢で相場に臨んでいれば、それはやがて習性になる。
ほとんど無意識にそのように振舞えるようになるだろう。
このプロとしての態度がトレーダーには大事なのであり、また必要なのだが、これがあれば何度となく相場に勝つことができるのだ。
「何をしてはいけないか」を知ることは「何をなすべきか」を知るのと同じくらい重要である。
面白かったポイント
多くのマーケットの魔術師が推薦されていたので読んでみましたが、とても面白い相場小説です!
臨場感あふれる売買の話や相場操縦の話があり波乱万丈の相場師人生を体験できます。
大儲けと破産を繰り返す人生はやりたくありませんが。
また、数多くの失敗から学んだという金言もちりばめられているので、勉強にもなります。
ポイントは、
- まずは自分を知ること。そのためには、研究を続けないといけない、失敗から学ばないといけない
- 次は自分を信じること。他人の意見に左右されてはいけない
ここまで詳細に過去の取引内容とその時の感情が記録されているのは素晴らしいと思いました。
「失敗から教訓を蓄積してきたのだ」とあるように、売買記録を残していたのかもしれません。
この本の内容のレベルくらいは、取引内容と感情の変化について記録し、トレードに活かしたいと思います。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆