内容
年収
年収800万円になるまでは、お金は私たちを幸せにしてくれるので、どんどん稼ぎましょう。
何かを犠牲にして得た2倍の年収では、幸福度もさほど上がらない。
幸福度が高まる経験の4条件
- お金を使うことで、他の人と関わり、新たな知人や友人が増えたり、世の中とのつながりが実感できる経験。
- お金を使うことで、この先何年も楽しい気持ちで「繰り返し語ることができる」思い出となる経験。
- お金を使うことで、自分自身で思っている理想とする自分のイメージ、あるいは「自分がなりたいと思っている自分像」につながる経験。
- お金を使うことで、他のこととは簡単に比較することができない「めったにないチャンス」を得られる経験。
経験や体験にお金を使った満足感(幸福感)は、時が経つにつれて増加していく傾向があります。
その一方で、モノにお金を使った場合の幸福感は時が経つにつれて減少する。
お金を使って得られる経験をしている際の「時間の長さ」は、幸福度にあまり関係ないとされています。
バケーションの満足度に関して、日程の長さは旅行に対する全体的な印象に関係しない。
「誰かのために使った」人は、「自分のためにお金を使った」人と比べて、明らかに幸福度が高かった。
5ドルだろうが、20ドルだろうが、上昇した幸福度は同じだったのです。
少しの金額でも他の人のために使うことで、私たちは幸福感という大きな「見返り」を得ることができる。
「自分には人に分け与えられるほどお金があるのだ」と脳が認識し、心の余裕が生まれ幸福度も増すというメカニズム。
「幸せな人生を歩んだ人たち」は、人生で「豊かな人間関係」を築くことができていた。
豊かな人間関係を築くことができなかった人々と比較して年収が高く、専門的な分野で成功を収めた人も3倍多かったとされています。
幸福度や仕事での成功にもっとも影響を与える要因は何かと言うと、「豊かな人間関係」を築くことができたかどうかだったのです。
人を愛する力を強化する方法
「オキシトシン」というホルモンを増やすことです。
オキシトシンは「愛のホルモン」あるいは「幸せホルモン」「絆のホルモン」とも言われ、オキシトシンの脳内での分泌濃度が上がると、人を好きになる、人と仲良くしたくなる、人に共感する、人に親切になる、人付き合いでの不安が減少するとされています。
つまり、誰からも好かれる人は、オキシトシン出まくりの人のこと。
人間の脳には「ミラーニューロン」という神経細胞であり、視覚から入り込んだ情報を自分の体験のように認識します。
自分のことではなくても、当事者と同じ気持ちになる、つまり人間が感情移入できるのも、この神経細胞のおかげと言えます。
「毎日親切なことをするよりも、1週間のうち1日と決めて、集中的に人に親切にしたほうが幸福度は高まる」ことがわかっているのです。
「一日一善」くらいでは、その日の終わりには、人に親切にしたのを忘れてしまう。
それなら1週間に1日、5回も親切にする日を作ったほうが、記憶にも残りオキシトシンの分泌も高まるというわけです。
人を愛する力を磨くには、毎日少しずつの親切よりも集中して大量の親切です。
友達の数は私たちの幸福度に多少の影響はあるが、それよりも「多様性」
さまざまなタイプの友達がいることが、幸福度に大きな影響を及ぼすということが明らかになっています。
さまざまな年齢の友達がいる、さまざまな職業の友達がいる、さまざまな国籍の友達がいる、といった感じです。
「社会とのつながり」を感じられるかどうかが幸福度に影響してくる。
ちょっと笑顔でアイコンタクトをして「ありがとう」と言うだけでも効果があるので恥ずかしがらずに実行して、日常で感じられる「温かな人間関係」を実感してみてください。
夫婦関係
結婚生活において「性格」の一致は満足度に影響はなく、「価値観」や「態度」が夫婦間に似ていれば似ているほど、結婚生活への満足度が高く、うまくいく傾向がある。
何かしらの体験や経験で同じ時間を共有するだけでいいのです。
一緒に皿洗いをする。毎朝一緒に散歩をする。共働きなら一緒に通勤する、などなど。
共有する時間を増やすだけで、幸福度はアップします。
20代から60代の既婚者500人への調査で「週に1回以上晩酌を共にする夫婦のほうが1.4倍親密度が高い」。
いい知らせがあった時や、何か成し遂げた時にパートナーからの反応が薄いと、「自分は相手から尊重されていない」「認められていない」「大切にされていない」という印象を抱くことになります。
感情
個人的成長を実感すると、将来への希望がさらに強くなり、ポジティブな感情もより強くなる。
ネガティブな感情は消そうとすればするほど大きくなります。
ネガティブな感情を感じたら、記録を取ることが有効。
満足度
人生の満足度は、どれだけ「自分へのハードル」を下げられるかで決まる。
どれだけ今の自分を肯定的に受け入れることができるかが、人生の満足度に強く影響することが分かりました。
つまり、どんな自分であっても「そんなんじゃダメだ!」と思うのではなく、どんな自分も「それでいいんだ」と思える力が、人生満足度に影響するというわけです。
人とのつながりを持てた時や、人の役に立てた時こそ◎がつく。
地位財と非地位財
他人と比べなくても喜びを感じられるものを「非地位財」と言い、この非地位財から得られる喜びは長続きする傾向があります。
たとえば職場での人間関係などは、友人もまた職場での人間関係がよくても、それと比較して自分の幸福度が下がることはありません。
「自分も友人も職場での人間関係がよくてラッキー!」と、人と比較しても幸福度への影響が少ないものが非地位財です。
他人と比較して優れていることに喜びを感じるものを地位財と言います。
役職、年収、高級車、タワマン、時計、など。
地位財の長所は、短期的な行動力を生み出してくれる。
非地位財を得ていると長く幸福感を感じることができるので、継続的に頑張ることができる。
自分の状況に合わせて、地位財を手に入れるのか、非地位財を手に入れるのかを使い分けると、行動的にもなれるし、努力を継続することもできる。
究極の生きがい
究極の生きがいは、4つの円が重なった中心部分、つまり「好きなこと」「得意なこと」「世の中の役に立つこと」「収入が得られること」の4つを満たしている状態だ。
「ヨガをする」ことが「好き」だった人が、ヨガが「得意」になり、人に教えるようになり(人の役に立つ)、それで「収入を得られる」ようになったら、毎日が楽しい。
①あなたの「好きなこと」は何ですか?(例 プロ野球、高校野球、ネイル、エステ、ファッション、政治、教育)
②「クラスで一番得意」と言えるまで磨けそうなものを①から選んでください。
③さきほどの②で選んだものを「クラスで一番得意」と言えるまで磨く方法には、どんなものがありますか?(例 高校野球が好きなら「高校野球オタク」と言われるほど知識を詰め込む)
④その磨いた知識や技術を必要としている人はどんな人ですか?また、どんな人の役に立てると思いますか?(例 高校野球ファン、高校球児、その家族、マスコミなど)
⑤今挙げた④の人たちに得意なことを提供するには、どのような方法がありますか?(例 YouTubeで配信する、ブログを書く、全国の野球部に手紙を書くなど)
好きなことをする人は幸せ。
得意なことがある人は幸せ。
人(世の中)の役に立つことをしている人は幸せ。
ある程度の財がある人は幸せ。
職場での幸福度を高める
グーグルのピープル・オペレーションズ
実験的な試みを行いながら従業員の幸福を最大限に拡大するグーグル独自の部署
今の自分の仕事が、自分の夢や目標に向かって進捗していると実感できれば、人はもっとやる気が出る、つまりモチベーションが高まる。
行き先が分かっている飛行機なら「あと、3時間で着く」「あと1時間」と、目的地に近づくほどワクワクが大きくなるのと同じです。
目的地がわからない飛行機なら、時間が経てば経つほど、いったいこの飛行機はどこに着くのだろうかと、幸福度が高まるどころか、不安になり、ワクワクもなくなるのは言うまでもありません。
夢や目標を持たずに毎日を過ごすというのは、それと同じ状態なのです。
仕事をする人たちには、「ジョブ」「キャリア」「コーリング」の3つのタイプがあるといいます。
「ジョブ」は、仕事を〝単なる労働〟と捉える人たち。
働く理由は「報酬」。
仕事がそれほど好きではなく、心待ちにしているのは休憩時間や週末。
「キャリア」は、働く動機が「経歴」や「名誉、地位」という人たち。
より大きな力や、よりよいオフィス、より大きなプロジェクトを求めている人たちです。
今の仕事を〝もっといい何か〟への踏み台とみなしています。
「コーリング」は、今の仕事が好きで、〝なぜこの仕事をしたいのか〟も明確で、「自分の仕事は社会の役に立っている」「自分の仕事には深い意味がある」という実感が、働く動機になっている人たちです。
「いつも会う人が同じ」、さらには「業務上、関わる人も少ない」
そんな状況の日常では、なかなか仕事のやりがいや意味を見い出すことが難しいのは当然のこと。
そこで、意識的に仕事上で関わる人の「数」や範囲を広げてみるのです。
自分の仕事は、「誰の」「どんな」未来を作っている仕事なのか、という点を考える。
仕事の「意味」を拡大する。
今の自分の仕事に対して、どんな変化を加えれば、人の役に立ち「価値が高まり」「やりがいが持てる」ようになるでしょう?
いつもの仕事にちょっとした変化を加える。
働く場所、時間を社員が自由に選べる人事制度
上司に申請すれば、理由を問わず、期間や日数の制限がない。
- 社員の生産性アップ
- 暮らしにポジティブな変化を感じる人
- 自分自身の仕事の生産性が上がったと感じる人
- 残業時間の減少
面白かったポイント
幸福について非常に勉強になった。
年収と幸福度の関係、経験にお金を使う、人のためにお金を使う、などお金の生きた使い方が分かった。
また、人間は人とのつながり、社会とのつながりを大切にすることも理解できた。
特に、地位財と非地位財の概念はスッキリした。
何かモヤモヤとした欲求があるが、その欲求を分類し、それを実現することによる幸福度の感じ方が明確になった。
また、仕事における幸福度の高め方も勉強になり、人事制度に導入すべきレベルです。
これからの時代、企業はお金によって満足度を上げようとするのではなく、好き場所や時間で働ける制度が従業員の満足度を高め、生産性向上にもつなげるべきだと思います。
生産性の低い日本人の働き方を変えるでしょう。
この本では、幸福についての概念や分類について明確になったので、非常にスッキリ、これからの行動を変えるきっかけになる本だと思います。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆
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