小倉昌男 経営学

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『小倉昌男 経営学』小倉昌男

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内容

製造業・小売業

製造業は商圏が広い。

製品には全国ブランドが多いし、地方ブランドのものでも商圏は地方ブロックが普通である。

それに比べ、小売業の商圏は非常に狭い。

大きな百貨店やスーパーでもせいぜい店舗のある都市内程度で、普通は数キロ以内である。

 

さらに両者が抜本的に違うのは、製造業が商品の在庫を抱え、時間をかけて売っていくのに対し、小売業は一日一日が勝負である点だ。

特に運輸やホテルのようなサービス業は、〝在庫〟を持つことができない。

今日売れ残った座席や部屋を明日売ることは不可能なのである。

だから、小規模なのは当たり前で、その代わり、多店舗化しなければならない。

また販売の機会損失を防ぐためには、どうしても長時間営業をせざるを得ない。

 

ネットワーク事業

クロス・サブシダイアリー(cross subsidiary)という言葉があるが、ネットワーク事業は企業体の中で内部補助が行われ、赤字の部門を黒字の部門が埋め、トータルで利益が出れば儲かるわけである。

 

一生懸命頑張ってネットワークを作り上げる。

そのネットワークの上を毎日荷物が流れていく。

それがある日、ある数を超したとき、じわりと利益が滲み出てくる。

段々滲み出る日が多くなると、ネットワークのどこからか利益がぽたりぽたりと滴り落ちる。

そしてやがてそれが集まって、ちょろちょろと溜まり始める。

どこから出て来るのかはわからないが、全体として利益が出る。

ネットワーク事業というものはそんなものではないだろうか。

 

戦略と戦術

何でも〝第一〟の社長は、「戦術的レベル」の社長である。

うちの会社の現状では何が第一で、何が第二、とはっきり指示できる社長は、「戦略的レベル」の社長である。

 

経営には戦略と戦術がある。

戦術は、日常の営業活動において競争に勝つための方策であり、戦略は、経営目標を実現するための長期的な策略である。

 

経営にめりはりをつけるのも、戦略的な考え方である。

第一を強調するためには、第二を設定すればよい。

 

経営

一番上にフォワードであるSDの名前を連ねて書き、一番下のゴールキーパーのところに支店長の名前を置くように変えた。

 

経営とは論理の積み重ねである。

なかには成功した他社の真似だけをしている駄目な経営者もいる。

だが、なぜ他社が成功したか、自社の経営に生かすにはどこを変えるか、論理的に考える必要がある。

考える力がなければ経営者とはいえない。

 

自分の頭で考えないで他人の真似をするのが、経営者として一番危険な人なのである。

論理の反対は情緒である。

情緒的にものを考える人は経営者には向かない。

 

論理的に考える人は、その結論を導き出した経緯について、筋道立てて説明することができる。

また説明をしているうちに、考え方を論理的に整理することもある。

他に対して説明する能力も、経営者にとって大事な資質である。

 

攻めの経営の神髄は、需要をつくり出すところにある。

需要はあるものではなく、つくるものである。

 

面白かったポイント

名著でした。

物流に興味があり、経営にも興味があるのでかなり刺さりました。

 

ネットワーク事業、インフラ事業は、論理的に戦略を立て、地道に基盤を固めていくことが大切だと学びました。

地道に、かつ早く実行すること。

 

規制緩和、行政訴訟まで起こしてインフラを構築することができる胆力のある経営者は稀有ですね。

通信の孫さんに通じるものがある。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

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