図解 人材マネジメント入門

ビジネス

『図解 人材マネジメント入門』坪谷邦生

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内容

やりがい

仕事を設計する原則としてハックマンとオルダムの「職務設計の中核五次元」をあげています。

「スキルの多様性」

「タスクアイデンティティ」

「仕事の有意義性」

「自律性」

「フィードバック」

この5つを満たす仕事は「やりがい」が高まる可能性が高い。

 

その「若者を仕事に駆り立てる」秘訣とも言える心理的条件が次のとおり示されています。

自己有能性:挫折感や自身の喪失などの葛藤を乗りこえ自己効力感を体験できること

自己決定性:自由裁量の幅が大きいだけではなく、自己責任性を伴うこと

社会的承認性:努力、苦労、成果が認められることで心理的充足と情緒的安定を得ること

 

採用

採用担当者や人事担当者は、心根が優しく、受容性の高いタイプが多くなります。

そして人間は自分と同じタイプを高く評価するために、受容性の高いタイプばかりを採用してしまいがちです。

実際、採用担当者のタイプの偏りによって、多くの企業で構成員が同質化しています。

 

スキル(顕在):即戦力のことです。主に中途採用で重視されます。

スキル(潜在):性格特性・基礎能力などを含め、自社の環境で成長する可能性(ポテンシャル)のことです。主に新卒採用で重視されます。

価値観:企業のミッション・ビジョン・バリューに共感できるかどうかです。企業がビジョン実現に向けて全力で向かっていくためにも、そして社員が組織に適応するためにも、とても重要な要件です。

 

OJT

本人に与える仕事は「自分で決定できる」「チャレンジのバランスが良い」「有意義」なものであること、そして知識と意欲のある上司・先輩から「フィードバック」があることが何より重要です。

「権限を与え、自立させつつ任せること」によって人は育ちます。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」という山本五十六の有名な言葉がありますが、これが OJTの真髄ではないでしょうか。

 

活性化している組織

活性化している組織は「カオス(無秩序)」の状態にあります。

変化に対応するために、これまで学んだものや、既成概念を捨て去る「自己否定」という特徴があります。

 

長い時間をかけて環境に適応し、成功体験を積み上げてきた組織は、その学習を習慣や常識として浸透させています。

これらは貴重な経営資源なのですが、組織が変化に対応し進化するときには逆に障害となります。

自己否定とは、既成の価値体系や暗黙の行動規範への疑問の提示、過去の成功体験の否定、現状の厳しい批判です。

それによって自己革新を可能にする風土が作られていきます。

既成の秩序を自ら壊す危機感と緊張に満ちた「カオス状態」こそが活性化の始まりです。

 

活性化した組織は、秩序を作って秩序を壊すサイクルを持っています。

既存の秩序に安住せず自己否定して秩序を壊し、自己組織化によって秩序を作る、そしてまた秩序を壊す。

その循環のエネルギーこそが組織活性化です。

 

自分のキャリア

自分が「どうありたいか」を次の3点、Will・Can・Mustから考えます。

①「Will」とは何をやりたいか。

動機、欲求、人生の目標は何か、何を望み、何を望まないか、などの観点です。

②「Can」とは何ができるか。

才能、技能、有能な分野は何か、強みは何か、などの観点です。

③「Must」とは何をなすべきか。

価値観、判断の基準は何か、今の仕事は自分の価値観と一致しているか、今の仕事は誇らしいか、恥ずかしいか、などの観点です。

このWill・Can・Mustの重なりが大きいほど、充実したキャリアになると言われています。

 

面白かったポイント

人事の基礎知識が一通り理解できる本。

活性化する組織はカオスというのはすごく分かる。

カオスの中で会社を成長させることが、自分の能力成長にもつながると思う。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆

 

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