ビジネス・教育系YouTuberのトップといえば、メンタリストDaiGoさんです。
YouTubeチャンネルでは、心理学や論文に基づく、ビジネスや恋愛、健康についてのノウハウを毎日情報発信をしています。
早口でしかもノンストップでしゃべり続けるので、初めてみた時のインパクトはすごいです。
メンタリストDaiGoさんは、YouTubeのコラボ動画で何度も突っ込まれていますが、ニコニコ動画での収入がえぐいことになっています。
そんなメンタリストDaiGoさんのビジネスモデルを外側から分析してみました。
メンタリストDaiGoさんのプロフィール
- メンタリスト
- 慶応義塾大学理工学部物理情報工学科卒
- 英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介
- ニコニコ動画、YouTubeで情報発信
- 人間心理をテーマにした著書は累計270万部
- ビジネスや話術から、恋愛や子育てまで幅広いジャンル
- 企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動
- 猫が好き
です。
昔はテレビメディアにも出演し、笑っていいとものレギュラーもされていました。
知名度は抜群です。
3C分析
Customer
メンタリストDaiGoのビジネスの顧客は、企業と個人です。
知識欲が高く、所得も高い、男性がメインのお客さんです。
企業
- 経営者
- マーケティング担当者
個人
- 人間の欲求
- 知識が身につけたい人
Competitor
- 直接の競合はいない
- 企業コンサル
- ビジネスYouTuber
メンタリストDaiGoのビジネスモデルは自ら市場を作り上げたので、競合がいないブルーオーシャンといえるでしょう。
競合になるとしたら、企業相手ならコンサル、個人相手ならビジネスYouTuberですが、直接競合する相手はいなさそうですね。
Company
- 唯一のメンタリスト
- 心理学×ビジネス、恋愛、健康、子育て
メンタリストという肩書を自ら付けたので、オンリーワンの存在です。
もちろん、その肩書きを認めさせるだけの知識と経験と実績がなせる業です。
ビジネス、恋愛、健康、子育てなど、多くの人の関心の引くジャンルに心理学をかけ合わせたので、需要が極めて高いテーマを取り扱っています。
メンタリストDaiGoさんのSTP分析
Segmentation
メンタリストDaiGoのビジネスモデルの市場は、
- 男性
- 20代から40代
- 知識習得に貪欲
- ビジネスをやっている
- 成長したい
- 高所得
がメインという感じでしょうか。
Targeting
知識層
- 儲かっている経営者
- 自分を高めたい個人
ターゲットは、経営者や自分を高めたい個人です。
経営者向けに高単価のコンサルティングや研修などのサービスを提供するので儲かっている業界や会社に限られるでしょう。
個人は、能力を高めたい、成長したいという知識欲が高い人がターゲットになります。
ヒトを動かしたい人
- 好きな人を振り向かせたい、恋愛関係をうまくいかせたい
- 会社の人間関係を円滑にしたい
- お客さんに商品やサービスを買ってもらいたい
心理学を取り扱っているので、ヒトの心を理解したい、ヒトの感情を動かしたいという人がターゲットになります。
恋愛に悩んでいる人や仕事の人間関係を改善したい人、ビジネス、マーケティング、セールスに活かしたい人もターゲットになります。
ターゲットは幅広いです。
Positioning
心理学ではトップの認知度
- テレビ出演
- 大量の書籍出版
- YouTubeでの発信
メンタリストDaiGoのビジネスモデルは、ポジショニングは圧倒的にNo.1でしょう。
テレビで十分知名度を獲得してからの、圧倒的な知識量と発信量で、ライバルがいない独走状態です。
書籍は50冊以上出版され、累計270万部です。
YouTubeも毎日更新で、チャンネル登録者数は2020年3月時点で190万人以上です。
驚異的な影響力です。
市場はデカい
- 恋愛・モテ
- ビジネス
- 健康
しかも、情報発信してる分野は、市場が大きい恋愛、ビジネス、健康です。
人の悩みは尽きることはないので、需要が衰えることはないでしょう。
さらにそれらの悩みを心理学と論文から引用した科学的アプローチで解決するという誰もやっていない切り口で市場を作っています。
完璧といえるポジションを築いています。
メンタリストDaiGoさんの4P分析
Product・Price
講演
これは主に法人向けのサービスになります。
博士号を持つ専門のリサーチャーがいて、リサーチを踏まえたオーダーメイド講演をしてくれるのが強みです。
- 人類の科学知識は9ヶ月で2倍
- 勉強しないで同じことをしていたのでは、どんどん置いていかれます
- 5年間新しい知識をインプットしないと使える知識というのは15%まで低下
- 残りの85%はすでに覆っているか時代遅れに
ということなので、同じ内容を使いまわしている一般的な講演家とは違うとのこと。
素晴らしい訴求力です。
講演内容は、
- 生産性を83%向上する自己コントロールの心理学
- クロージングの成功率を3倍にする説得の科学
- 部下のやる気を向上させる、人たらしの話術講座
- 政治家の指導も行う著者が教えるスピーチの心理学
- お金が自然に貯まる自分を作る心理学
- 心理学者が発見したリバウンド無しで66%が成功したダイエット方法とは?
- 最高の第一印象を作るファッションの心理学
- 著書270万部突破の著者が教える人の動かし方
など、講演のキャッチコピーも秀逸で、依頼したくなります。
他には、
- クライアントの目的や希望に応じたオーダーメイドの講演
- 同じ講演は二度とないです。録音とか録画もすべてOK
- 普通の講演家の方のような使い回しはしていません
- 科学的根拠に基づいた内容
初期提示金額として1回300万円を提示しています。
1回300万円と出せる企業は限られますが、
- 認知度
- 知識量
- オーダーメイド内容
からして、その価値は十分にあるでしょう。
オンライン講演
最近もっとも依頼が多いのはYouTubeライブを使ったオンライン講演と研修らしいです。
YouTubeライブのメリットは、経費削減と教材活用です。
経費削減は、
- 会場費だけでもかなりの金額
- 集客や動員をするためにチラシを印刷したり告知
- 当日のスタッフを配置
など、経費と準備の時間を削減できます。
また、教材活用も自由度が高いです。
- YouTubeに上がっているものは全て自由に使ってもらって良い
- 社内の研修で永続的に利用することも可能
内容の面白さやわかりやすさや、テレビとかでは話したことのないようなここでしか聞けない話に魅力を感じてもらえるようです。
研修・アドバイザーや企業戦略パートナー
- PR
- 製品開発
- 企画立案
- アイデア提供
オープンになっているところだと、マッチングアプリの「With」を監修されています。
商品企画を考える上で、メンタリストDaiGoさんの知見は喉から手が出るほど欲しいでしょうね。
スピーチ
- スピーチライティング
- スピーチ指導
- 大衆煽動戦略(経営者、政治家向け)
心理学とスピーチも相性抜群です。
予想ですが、上場企業の経営者から需要がかなりありそう。
イベント・パフォーマンス
テレビなどのメディアに出演はたまにされていますね。
ニコニコ動画
こちらは、個人向けのサービスになります。
メンタリストDaiGoさんの一番の収入源はこれでしょうね。
かける時間に対する収益性が一番高い活動でしょう。
公表されている数字だと、
- 月額550円
- 13万人突破
なので、月6,500万円で、年間7億8千万円です。
ニコニコ動画の収益分配は、「課金収益から、事務手数料14%及びこれに対する消費税額を 控除した金額のうち83%をチャンネル提供者様に分配となります。」とのことなので、ざっくり6億円くらいですね。
これは、一人社長ならぬ一人上場企業レベルです。
動画は、
- 月8回の動画投稿
- 1,500本の動画の蓄積
が提供されています。
コンテンツから考えると月額550円はかなり格安で継続しやすい価格設定だと思います。
前に整理したように幅広いターゲットを狙ったコンテンツを発信し、550円と継続しやすい価格設定で月額課金者を積み上げるモデルです。
知名度とコンテンツ力があるので、13万人を獲得できるのでしょう。
とにかくすごいです。
YouTube
メンタリストDaiGoさんのYouTubeチャンネルは、
- チャンネル登録者数は、198万人(2020年3月)
- 平均再生回数は、5万~15万回再生
- 動画の長さは、10~20分
で、トップの教育系YouTuberです。
noxinfluencerのツールで見ると、Youtube Adsenseの推定収益(月間)は、335.6万円-1062.74万円です。
これだけでも十分な収入ですよね。
集客力もあり、収益力もあるYouTubeは最強ですね。
コンテンツは、
- メインは心理学や論文に基づいたお金や恋愛、健康に関する情報発信
- たまに質疑応答のYouTubeライブ
- 最近、カジサック、宮迫、ホリエモンとのコラボもやっています
概要欄には、
- ニコニコ動画へのリンク
- 関連動画のリンク
- おススメ本のアマゾンのアフィリエイトリンク
- 関連グッズのアフィリエイトリンク
がしっかり配置されています。
ニコニコ動画へ誘導するために
- ツイキャス
- Facebookライブ
- YouTube
など、いろいろ試してYouTubeが一番反応よかったので注力したら爆発したと動画の中でおっしゃっています。
書籍
70冊以上の本を出版されています。
ジャンルは、
- 心理学、メンタル
- 習慣、時間術
- お金
- 恋愛術
- 営業術
- 話し方、文章術
など、ノウハウ系が主になっています。
累計部数も270万部を超えているとのこと。
ここからの印税収入もあります。
Place・Promotion
YouTubeやニコニコ動画に加えて、Twitterやブログも揃えています。
- 62万フォロワー
動画や本の告知とたまにプライベートのつぶやきをしています。
ブログ
ブログも充実しています。
- YouTubeの文字起こしの記事
- 書籍の紹介
- おススメ本の紹介
がメインの記事になっています。
ブログ記事のカテゴリ分けがHARMになっているのがいいなと思いました。
H(Health)・・・健康
A(Ambition)・・・夢、願望
R(Relation)・・・人間関係
M(Money)・・・お金
記事の中には、
- 動画の埋め込み
- 関連記事へのリンク
- おススメ本
がしっかり配置されていて、導線設計は完璧です。
過去の記事資産も積み重なっているので、ブログの滞在時間は長いでしょうね。
ブロガーのお手本のようなブログです。
メンタリストDaiGoさんのビジネスモデルキャンバス
メンタリストDaiGoさんのビジネスモデルをビジネスモデルキャンバスを使って分析します。
顧客セグメント(CS)
メンタリストDaiGoさんのビジネスモデルは誰を対象にビジネスをしているのかというとSTP分析から、
- マス市場
- 成長したい個人
- 儲かっている経営者
が顧客セグメントになります。
チャネル(CH)
どういう経路で顧客に価値を提供しているのかというと、
- ネット(ニコニコ動画、YouTube、Twitter、ブログ)
- テレビ
- 書店
ですね。
- YouTubeでの情報発信でマス市場を狙い
- ニコニコ動画でより深い情報を発信し、成長したい個人を狙い
- カスタマイズされた講演で儲かっている経営者を狙う
顧客との関係(CR)
顧客とどのような関係を築いているのかというと、DaiGoさんから顧客への一方的な情報発信ですね。
YouTubeやニコニコ動画、書籍などは、お客さんが欲しいタイミングでほしい情報にアクセスできるようになっています。
基本的に個人とはネット上でコミュニケーションをしないスタンスですね。
- YouTubeコメント欄は承認制
- Twitterのコメントは見ない
- YouTubeでたまに質疑応答ライブ
収入の流れ(RS)
- マス市場向けに、YouTubeでの情報発信で広告収入
- 成長したい個人向けに、ニコニコ動画でより深い情報を発信し月額課金、書籍販売
- 経営者向けに、カスタマイズされた講演や研修
と、しっかり顧客セグメント別に商品やサービスを提供しています。
提供価値(VP)
メンタリストDaiGoさんのビジネスが顧客にどのような価値を提供できるのか。
- お金、恋愛、健康など人生をより良いものにするためのノウハウ
- 心理学の知識
- 科学的根拠に基づいた情報提供
キーアクティビティ(KA)
メンタリストDaiGoさんの事業内容は情報発信、この一点です。
キーリソース(KR)
ビジネスをする上で必要な資源はヒト、モノ、カネ、情報の4つです。
ヒトはDaiGoさん一人です。
唯一のメンタリストで、知名度も抜群、情報発信力が強みです。
モノは、とくに必要ないビジネスモデルになっています。
カネは、めちゃくちゃあります。
超低コストのビジネスモデルなので、お金があることによってどうビジネスを加速していくのか注目です。
もちろん、このままでも十分すぎますが。
情報がこのビジネスの価値の源泉です。
過去の書籍の出版数が多く、書店の売り場の面を押さえているのが価値になっています。
ニコニコやYouTubeにある数多くの動画アーカイブも価値を生み出す資産になっています。
キーパートナー(KP)
ビジネスを行う上でのパートナーは、情報発信のプラットフォーマーですね。
- ニコニコ動画
- YouTube
- 出版社、書店
がビジネスパートナーにあたります。
コスト構造(CS)
メンタリストDaiGoさんのビジネスは超低コスト体質です。
- 人件費は、スタッフが何名かいるかもしれません
- 情報収集のための本を購入するくらい
- YouTubeで発信するための設備はスマホくらい
- あとは、家賃など最低限の必要経費
- 変動費はなし
で、ほとんと必要ありません。
素晴らしいビジネスモデルです。
メンタリストDaiGoさんのビジネスから学ぶべき点
得意分野を軸にマスを狙う
メンタリストDaiGoさんの得意分野は心理学の知識です。
DaiGoさんの戦略は、心理学のみを追求する研究者になるのではなく、マス市場が興味をもつテーマを取り扱って認知度アップを取りに行ったことですね。
YouTubeでマス市場を取りに行き、ライトな知識層はニコニコ動画、知識層は書籍、経営者は講演やコンサルと、市場規模を絞り込みながら求めるサービスを単価を上げて提供するモデルを構築しています。
これは、もう企業戦略レベルに美しいです。
学ぶべき点は、
- 強みを軸にぶらさない
- マス層を取りに行く
- コア層向けのサービスを用意
です。
これらの点は頭で分かっていても、ビジネスしている中でブレやすいことが多いです。
YouTubeをやるべき
これは言うまでもないですね。
ビジネス系、教育系YouTuberは、徹底的にメンタリストDaiGoさんの動画を見て、研究するべきです。
- 毎日更新
- 情報密度の高さ
- いろいろな試行錯誤
が垣間見えるので、内容だけでなく動画の作り方も勉強になることばかりです。
また、関連動画やニコニコ動画への誘導も徹底していた完璧です。
毎日更新で有益な動画がどんどん蓄積し、誰も追いつけない優位性を築いています。
そして、スマホで撮影&無編集と超効率的、超低コスト体質です。
マネタイズはサブスクリプション
ニコニコ動画の月額課金モデルは収益が安定するので強いです。
価格が550円とお手頃なので、情報の有益性に比べて圧倒的なお得感があり、解約率が低そうです。
また、テーマも心理学とお金、恋愛、健康と普遍的なテーマなので、時代や景気に左右されない強さもあります。
無敵です。
学ぶべき点は、
- サブスクサービスを作る
ブログ、Twitterもしっかり整備されている
メインは、YouTubeからのニコニコ動画ですが、ブログやTwitterもしっかり整備されています。
DaiGoさんの動画は早口で密度が高いですが、動画は一般的に情報密度が低くなるので、情報を得るなら検索もしやすく、すぐに読めるテキストが一番早いです。
知識層はテキストを好むので、アプローチするならブログや書籍が向いています。
YouTubeで発信した内容をブログでも発信しているので、動画を見ない知識層もしっかり獲得しています。
動画をYouTubeで、テキストをブログで同じコンテンツを発信することで無駄なく使うことができます。
抜かりがありません。
学ぶべき点は、
- YouTubeをやる
- ブログもやる
- Twitterもやる