フリーランスチームを束ねて、法人にWebコンサルティングサービスを提供している株本さん。
社員0人で、フリーランスのプロフェッショナル集団をマネジメントし、法人向けにWebコンサルティングサービスを提供している会社です。
年収チャンネルやStockSunチャンネルなどを運営し、YouTubeを活用して法人案件やフリーランスを獲得されています。
YouTubeで集客+フリーランス集団という現時点ではあまり見られない企業形態で、高い利益率と柔軟なリソース管理を実現しています。
そんな株本祐己さんのビジネスモデルを分析してみました。
株本祐己さんのプロフィール
- 株本祐己
- 早稲田大学出身
- 学生時代にベンチャー企業入社
- コンサルティングファーム
- フリーランスとして独立
- StockSun(株)代表取締役
コンサルティングファームとフリーランスの経験から、フリーランスチームのアイデアが生まれたのだと思います。
3C分析
Customer
- 経営者
- フリーランス
顧客は、2方向です。
- Webコンサルティング案件の顧客である経営者
- オンラインサロンの顧客であるフリーランス
優秀なフリーランスはピックアップして、企業案件のメンバーとして参画させることができます。
Competitor
ビジネス系YouTubeは競合になるかもしれませんが、ターゲットが経営者のYouTubeチャンネルはほぼいない状態です。
Webコンサルティング会社としては、無数にあります。
今は実績を積み重ねるフェーズでしょうか。
フリーランス集団の訴求がどこまで刺さるのかは不明です。
しかし、YouTubeで十分集客ができている状態でしょう。
Company
- 経営者YouTuberとしての発信力
- 優秀なフリーランスを集める力
が強みになっています。
株本祐己さんのSTP分析
Segmentation
- 法人
- フリーランス
Webマーケティングを強化する法人はこれから伸びていくでしょう。
働き方改革もあり、専門能力のある個人は独立し、フリーランスで働く人も増えていくでしょう。
Targeting
- ネットでビジネスを成長させたい経営者
- 案件を獲得したいハイスペックのフリーランス
がターゲットになります。
Positioning
- 法人向けYouTubeチャンネル運用
- 企業向けWebマーケティング
- ハイスペックなフリーランス集団
他との一番の差別化ポイントは、法人向けYouTubeチャンネルの運用でしょう。
企業のYouTubeチャンネルはまだ黎明期で、需要はこれから伸びていきます。
競合はまだまだ少ないので、先行して企画、設計、撮影、運営、改善のノウハウが貯まります。
株本祐己さんの4P分析
Product・Price
株本祐己さんのビジネスは、
- 法人向けWebコンサルティング
- フリーランス向けオンラインサロン
- YouTubeチャンネル
が収入源になります。
メイン事業がコンサルティングで、オンラインサロンはフリーランス獲得、YouTubeは集客目的です。
それぞれキャッシュポイントがあるのが事業の強みです。
StockSun
Webコンサルティング
- Web戦略策定
- 人員の供給
- 取引代行
Web戦略実行支援
- Webサイト
- YouTube
- システム
- SEM
- SNS
- Web広告運用
フランチャイズコンサルティング
- コンサルティング
- システム設計
- 組織構築
オンラインサロン
- フリーランス向け
- 月額3,900円
- 約850人
サービス
- 動画コンテンツ(SEO知識、保険、税金知識、稼ぎ方)
- オフライン(会員限定バー、交流会)
YouTube StockSun
- チャンネル登録者数は、1.1万人(2020年3月)
- 平均再生回数は、5,000~1万回
- 週2、3本更新
- 動画の長さは、5~10分
noxinfluencerのツールで見ると、Youtube Adsenseの推定収益(月間)は、1.79万円-5.7万円です。
YouTubeの広告収益より、法人案件獲得のための集客目的です。
コンテンツは、Webマーケティング関連の
- Web制作
- SEO
- 広告運用
- ECマーケ
- 集客(ジム、クリニック業界)
が中心です。
概要欄には、
- Webサイト
- StockSunサロン
の2つの導線が整えられています。
YouTube 年収チャンネル
- チャンネル登録者数は、9.3万人(2020年3月)
- 平均再生回数は、1~5万回
- ほぼ毎日更新
- 動画の長さは、10分
noxinfluencerのツールで見ると、Youtube Adsenseの推定収益(月間)は、57.17万円-181.07万円です。
こちらは、いい感じに収益化できていると思いますが、コストだけ考えると今の段階ではあまり旨味がありません。
企業チャンネルの運用事例として使えます。
コンテンツは、チャンネル名の通り職業別年収の紹介になっています。
ターゲットは大学生で、就活イベントへの導線になっています。
概要欄には、
- YouTube内定チャンネル
- StockSunサロン
- Webサイト
- 人気動画
が整えられています。
Place・Promotion
- YouTube(StockSun、年収チャンネル)
- Twitterは、2.9万フォロワー(2020年3月)
- ブログは、不定期更新
Twitterもありますが、ほぼYouTubeに特化して集客しています。
株本祐己さんのビジネスモデルキャンバス
株本祐己さんのビジネスモデルをビジネスモデルキャンバスを使って分析します。
顧客セグメント(CS)
株本祐己さんのビジネスモデルは誰を対象にビジネスをしているのかというとSTP分析から、
- ネットでビジネスを成長させたい経営者
- 案件を獲得したいハイスペックのフリーランス
が顧客セグメントになります。
チャネル(CH)
どういう経路で顧客に価値を提供しているのかというと、
- YouTube
- オンラインサロン
です。
顧客との関係(CR)
顧客とどのような関係を築いているのかというと、
- YouTubeは、一方的な情報発信
- Twitterは、たまにフォロワーと絡んでいます
- オンラインサロンでは、イベントなどリアルでの交流
という感じです。
収入の流れ(RS)
- コンサル報酬
- YouTube広告収入
- オンラインサロン
が収入源になります。
YouTubeで発信されている内容によると、2019年9月の会社の売上は5,250万円です。
クライアント数は、51社です。
役員報酬は、580万円とのこと。
提供価値(VP)
株本祐己さんのビジネスが顧客にどのような価値を提供できるのか。
- ネットビジネスのノウハウ発信
- Webコンサルティング
です。
キーアクティビティ(KA)
- YouTubeでの情報発信
- 案件管理
- フリーランスマネジメント
キーリソース(KR)
ビジネスをする上で必要な資源はヒト、モノ、カネ、情報の4つです。
ヒトは、株本祐己さん一人です。
YouTubeでの情報発信、案件獲得、フリーランスマネジメントなど、これまでの経験から得た知見、仕組み化で社員ゼロで回しています。
モノは、特に必要ありません。
カネは、利益率が高いビジネスなので、十分な収益があります。
情報は、このビジネス価値の源泉です。
コンサルティング、フリーランス、経営者としての豊富な経験を踏まえた考え方を発信しているのが特徴です。
キーパートナー(KP)
ビジネスを行う上でのパートナーは、プラットフォームの
- YouTube
くらいでしょうか。
あとは、法人向けWebコンサルティングサービスは、業務委託のフリーランスやサロンメンバーがパートナーとなります。
コスト構造(CS)
YouTubeで発信されている内容によると、コスト構造は、
- 業務委託費:4310万
- 粗利:940万
- 管理費(秘書、スタジオ賃料、サーバ代など):120万
- 営業経費:200万
- 営業利益:50万
となっています。
業務委託費は、売上の80%になります。
フリーランスの人数は非公表なので、フリーランスにとってどれくらいおいしいのかは不明です。
管理費も特にかからないので低コスト体質といえます。
株本祐己さんのビジネスから学ぶべき点
YouTubeで集客
経営者YouTuberは、ほとんどいないと言っていいでしょう。
まだまだYouTubeの市場は、子供や学生がメインでビジネスYouTubeの市場は小さいです。
さらに経営者向けの少しハイレベルな内容になると更にターゲットが絞られます。
YouTube広告収入ではなく、自社サービスの集客のために活用しています。
企業のYouTube運営はどこも苦戦していますが、年収チャンネルのチャンネル登録者数は9万人以上です。
他にも複数チャンネルを運用しているので、ノウハウを蓄積している状況だと思います。
もう少し先になるかもしれませんが、企業がWebサイト、SNS、メディア運営に進出したように、企業がYouTubeチャンネルを開設する時代がくるでしょう。
今はまさに試行錯誤し、データを集め、勝ちパターンを確立しようとしている時期です。
企業のYouTube活用はこれからですが、今のうちに多くの実績を積み上げ、ノウハウを体系化してコンサルにつなげることができます。
先行しているStockSunは、これから需要が伸びるYouTubeマーケティング市場の恩恵を受ける可能性が高いです。
フリーランスネットワーク
フリーランスをマネジメントして、企業にWebコンサルティングサービスを提供する形です。
社員が0人なので、完全にフルリモートでコントロールしています。
フリーランスは、YouTubeやTwitterで募集し、オンラインサロンに誘導しています。
そこで、フリーランスの選別が行われ、StockSunのチームに入る流れになっています。
YouTubeでもオンラインサロンでも収益が得られる構造、かつフィルタリングできる仕組みは素晴らしいです。
ハイスペックのフリーランスをマネジメントするには、
- ワクワクするような案件
- 取り分の多さ
がポイントになるでしょう。
フリーランスのみをマネジメントするというのは大規模案件になるほど難しいイメージですが、ノウハウや仕組みが優れているのでしょう。
今後は働き方改革を受けて、フリーランス化もどんどん進むでしょう。
特に、大企業などのハイスペックな人材の流出も進むと思います。
オンラインサロンを使って、ハイスペックフリーランスとの緩い関係を保つ仕組みを構築しているのもよくできています。
それらのハイスペックフリーランスに向けたサービスも展開できるでしょう。
オンラインサロンは、人材プールとして価値がどんどん高まります。
伸びる市場
- Webマーケティング、特に動画マーケティング
- フリーランス化
は、今後伸びていきます。
これらを組み合わせたStockSunのビジネスモデルは素晴らしいと思います。