内容
モチベーションの根源
モチベーション維持。
「昨日よりも今日は進歩したか?」毎日、自分に問いかける。
やり遂げるかどうか予測する最も的確な判断材料は「根性」
「人生の価値は、恵まれない人の運命に影響を与える能力によって測られる」
偉大な人物は、「一文で記述できる仕事を残している」
内発的動機づけ。
課題に取り組むこと自体が報酬にあたる。
活動の報酬として金銭が用いられる場合、活動自体に本心からの興味を失う。
お小遣いと家事の手伝いを結びつけないこと。
オープンソースは内発的動機に頼っている。
自らの評判を高められる、技術も磨かれる、そして創造性を感じられる。
クリエイティブな仕事にとって自由は不可欠。
社員管理=受動的な人間を作っている。
正しい方法でホメる。努力や取り組みをホメる。具体的にホメる。
人前でホメない。きちんとした理由があるときだけホメる。
フロー状態。「やらなくてはいけないこと」と「できること」がぴったり一致。
簡単すぎず、難しすぎない、現在の能力よりも一二段上。
自分自身でさえ存在を忘れるような感覚。
面白かったポイント
モチベーションの根源は、「自律性」「マスタリー」「目的」。
それぞれについては、いろいろな書籍でも言われていることですが、この本は文章が巧くとてもよくまとまっています。
どのようにビジネスに浸透させていくべきか方向性や取組み事例が示されているのでとても面白く読めました。
自分の人生は自分でコントロールするというのは、人が一番パフォーマンスを発揮できる状況だということであれば、従来の企業が行っている目標管理やインセンティブ、権限移譲等のなんちゃって従業員管理では生産性というのは大きく伸びないのかもしれません。
優秀でクリエイティブな人は、早々に企業から飛び出して自分でビジネスを立ち上げるのは当然です。
その方が社会にとっては良いことかもしれません。
第3部の「必読の15冊」と「ビジネスの本質を見抜いた6人の識者」では、読みたい本がいろいろ紹介されていて良い情報収集になりました。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆
目次
◇訳者まえがき 停滞を打破する新発想〈モチベーション3・0〉 大前研一
◇はじめに ハリー・ハーロウとエドワード・デシの直面した謎
◇第1部 新しいオペレーティング・システム
・第1章 〈モチベーション2・0〉の盛衰
機能しなくなった〈モチベーション〉
アメとムチの勝利
互換性に関する3つの問題
・第2章 アメとムチが(たいてい)うまくいかない7つの理由
〈モチベーション2・0〉に発生したバグ
期待以下の効果
望まないことを増やす
・第2章の補章 アメとムチがうまくいく特殊な状況
・第3章 タイプIとタイプX
「やる気!」研究の新しい流れ/アルファベットの力/タイプIとタイプX
◇第2部 〈モチベーション3・0〉3つの要素
・第4章 自律性〈オートノミー〉
自由に好きなように仕事をする
プレーヤーか、それとも駒か
4つの基本的要素
自律性を養う術
・第5章 マスタリー(熟達)
もっとよい生き方を求めて
従順から積極的な関与へ
貨物船のゴルディロックス
マスタリーの3つの法則
・第6章 目的
人生の意義が問われる時代
目的という動機
充実した人生とは
◇第3部 タイプIのツールキット
・個人用ツールキット モチベーションを目覚めさせる9つの戦略
・組織用ツールキット 会社、職場、グループ能力を向上させる9つの方法
・報酬の禅的技法 タイプI式の報酬
・保護者や教育者用ツールキット 子どもを助ける9つのアイデア
・お薦めの書籍 必読の15冊
・グルに聞く ビジネスの本質を見抜いた6人の識者