内容
ビジネスの秘訣は、先に与えることです。
目先の損得勘定を優先せずに、「お客さまに最高の心地良さを提供するには、どうしたらいいのか」「お客さまの問題解決に役立つには、何をなすべきなのか」といった点に焦点を当てるべきです。
見返りも求めて事を為さず、ただひたすらに、己が信ずる正しき道を歩むべし。
一番大切なのは、熱狂的なファン客を一人でも多くつくることです。
熱狂的なファン客が1000人もいれば、成功したも同然。
使命は、自分が持っている強み、弱み、過去に自分が生きてきた間に積み上げてきた特徴、価値観のうえに成り立っています。
使命はまた、社会における自分自身の基盤であり、戦略(戦い方)の重要な一部分を占めるものでもあります。
使命をビジュアル化し、使命が達成されると何が起きるか、見えるようにする。
使命(なぜ)とコンセプト(何)を、どのようにして(戦略)達成し、目標(ビジョン)に到達するのか。
情熱があれば、仕事は遊びになります。
仕事は人生を楽しむための道具であり、自分を成長させてくれるための道具です。
初期の段階で小さい失敗をたくさん経験して、試行錯誤を繰り返して、成功のノウハウをたくさん蓄積することが肝心です。
一店舗当たりの利益を増やすには、店舗数を減らし、低コストで出店できる店に絞り込むのが最も簡単な方法ですが、これでは利便性という概念を破壊してしまいます。
多くの日本の外食チェーン店が陥っている罠が、この部分でもあります。
ラーメンは、とても競争変数の多い食べ物です。
競争変数が多い業界では、規模が大きくなると利益が少なくなります。
細かい個別対応ができなくなるからです。
競争変数を多くして、素材や味を複雑にすれば、この業界から大手チェーン店を締め出すことができます。
その結果、消費者もバラエティを楽しめ、良いことづくめです。
商品アイテム数を絞り込めば絞り込むほど、完成度が高くなり、お客さまの支持も高まり、収益が上がりやすくなります。
偉大な企業への飛躍を指導したリーダーは、最初に新しいビジョンとか戦略を設定したのではない。
最初に適切な人を選び、バスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、適切な人がそれぞれふさわしい席に座ってから、どこに向かうべきか決めている。
やはり、見られること、注目されることで人間は成長するわけです。
成果を上げるためには、経営資源を、問題ではなく、機会に投じなければなりません。
QSC+V+Eの徹底 = 基本に忠実
飲食ビジネス = 料理×アート×サイエンス×ユーモア×哲学
先進国では高齢化が進み、咀嚼能力が落ちている老人が増えています。
すると当然、食べやすい麺類の需要も増えます。
食べやすい麺類は、これからの世界では非常に可能性のある食品なのです。
田舎で勝ち戦を仕掛ける場合、十分な規模を備えていることが、勝つための方程式になります。
というのも、ほとんどのお客さまが自動車で来るからです。
田舎は都会と違って、食事の時間帯がかぎられていて、一定の時間帯に顧客が集中するので、席数を十分確保していないと売上げが上がらないのです。
土日は家族客が多く、大人数で来店する場合もあるので、10席程度ではとても収容しきれません。
最低でも40席、できれば50席以上が望ましいところです。
周囲の環境に取り残されない一番の秘訣は、われわれ自身が積極的に外部に働きかけて、周囲を巻き込むことです。
外部に影響される人生ではなく、外部に影響を与える人生を選ぶことです。
マーケティングとイノベーション
「マーケティングとイノベーションとが互いに関連し合って、企業の明日をつくる」ドラッカー
イノベーションを起こした商品には素晴らしいコンセプトが練り込まれているので、商品寿命が長いのです。
イノベーションを起こすと、少数の商品で勝負できます。
マーケティングのエッセンス。
お客さまに自社の熱心な営業員になっていただき、結果的に営業や販売活動をゼロにすること。
熱狂的なファン客をつくり、増やし続ける企業活動。
この分野に関してはプロフェッショナルであるわれわれがリーダーシップをとり、お客さまをガイドして差し上げることが大切。
面白かったポイント
ドラッカーとビジョナリーカンパニーをベースにした「イノベーションとマーケティング」のエッセンスがまとめられています。
飲食業に限らず、すべての企業が学ぶべき内容になっています。
ニッチトップを目指すことの大切さを理解できたのはよかったです。
トップに立った時に見える景色を見てみたいものです。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆
目次
プロローグ
私とドラッカー・マネジメントの出会い
第一章
なぜ、明確な使命が必要なのか
第二章
どうして、多くのビジネスは失敗するのか
第三章
では、ビジネスをどう進めればいいのか
第四章
進化しなくては成長なし、成長なきはビジネスにあらず
第五章
忘れてはいけない、ビジネスで一番大切なこと