内容
マーケット感覚とは「売れるものに気がつく能力」「価値を認識する能力」
論理思考に加えてマーケット感覚を鍛え、トンネルを二方向から同時に掘り進めるように考えたほうが、楽に思考力を高められます。
マーケット感覚を身につけることの最大の利点は、それさえ身につければ、変化が恐くなくなるということです。
キャリア形成
これからの社会はどんどん市場化していく。それを避けることはもはや不可能。
より多くの人に、より多彩な人にチャンスを与えるのが市場型の評価方式であり、意思決定方式なのです。
市場化の進む社会におけるキャリア形成では、市場の動向をいち早く見極めるためのマーケット感覚と、需給バランスの変化に合わせて自分のスキルや専門性をシフトするための柔軟性や決断力が何より重要になるのです。
これからは一生にひとつの専門性ではなく、10年、20年ごと、時には数年ごとに学び直し、一生の間に複数の専門性を身につける必要があります。
つまり、専門性を身につけたうえで、変わり続ける必要性があるのです。
価値
多すぎるほどのモノやサービスが溢れている先進的な消費大国においては、「誰かに選んでもらうという価値」は、今後ますます重要になります。
商品数が多すぎるうえ、価値のばらつきが大きく、適切なモノを選ぶことが極めて難しい書籍は、選んでもらう価値が非常に大きな商品です。
ステージごとに整理されたおススメ本リスト。
「日本で売れている」ことに価値がある。
この商品(サービス)を最も高く評価する人は、どのような人たちか?
地方では、潜在的な価値がゴロゴロしているのに、それに気づき、市場化しようという人が足りていません。
このため学生時代に都市部でマーケット感覚を鍛えた人が、UターンやIターンで戻った地方で何かを始めるというパターンは、構造的に成功しやすいアプローチ。
自分の欲望
自分の欲望を抑え込んでしまうと、マーケット感覚が身につかなくなるのです。
多くの人が不満を表明すれば、誰かが工夫や技術によって解決しようと考えます。
生活者がわがままになればなるほど、世の中は便利になり、進歩するのです。
自分の欲望と向き合い、人間のインセンティブシステムに関心を持ちましょう。
そして問題に直面したら、「どうしたらみんな自発的に望ましい方向に動いてくれるだろう?」と考えましょう。
学ぶ
何かを学ぶ際には、ふたつのステップを経ることが必要です。
ひとつは、組織から学ぶこと、もうひとつが、市場から学ぶこと。
学校的な「習い、覚える」学びに加えて、市場的な「実際にやってみて、できるようになる」という学びも不可欠なのです。
大事なのが、失敗してもいいので、作品をどんどん市場に出すことです。
面白かったポイント
マーケット感覚の必要性についていろんな価値創造の事例を交えて勉強できます。
数多くの事例があるので、興味や経験から人によって刺さるポイントが違うと思います。
私は「日本食は世界でトップになれる」、「供給の少ない言語を習得。訪日インドネシア人向けのビジネス」は興味がある分野ですね。
「友人にも家族にも打ち明けられない悩みを聞いてあげるだけといった職業」は需要がこれから出てきそうだけど自分ではやりたくないって感じです。
ちきりんさんが紹介したビジネスについて脳味噌が動き出すので楽しい時間になりました。
満足感を五段階評価
☆☆☆
目次
序 章 もうひとつの能力
第1章 市場と価値とマーケット感覚
第2章 市場化する社会
第3章 マーケット感覚で変わる世の中の見え方
第4章 すべては「価値」から始まる
第5章 マーケット感覚を鍛える5つの方法
終 章 変わらなければ替えられる