内容
自己認識
リーダーは「希望を売り歩く人」。
本当に歩みたいと思える道を確認するためには、自己認識のEQが必要。
リーダーは、自分の内面を見つめて希望の源泉を探り当てる。
「自己認識」とは、自分の感情、自分の長所や限界、自分の価値観や動機について深い理解を有している。
さらに、自分について正直だ。
傑出したリーダーの多くが、仕事の合間に自己省察の時間を設けている。
ある人は祈り、あるいは瞑想し、またある人は理性をもって自己の内面を探求しようとする。
自己コントロール
自分の感情や衝動をコントロールできるリーダーの姿勢は、信頼や安心や公平感に満ちた環境を醸成することができる。
自己管理は「透明性」につながる。
自分の気持ち、信念、行動を正直に見せる「透明」なリーダーは、誠実なリーダーだ。
また、誠実さとは自分の価値観を守って生きるということだ。そういうリーダーは本物だ。
脳を鍛える
大脳辺縁系を鍛えよ。
モチベーション、長期にわたる練習、フィードバックにもとづいて習得。
脳が新しい神経回路を作る能力は一生なくならない。
直観もまたデータ。
蓄積された教訓 ⇒ 脳が拾い上げ ⇒ 「勘」が働く&しっくりくる感覚が身につく。
メンタルリハーサルによって、新しいスキルの習得は格段に進む。
生体の働きをコントロールできる強い力がある。
何かを鮮明かつ詳細に思い描くと、実際にそのときに使う脳細胞が働くことがわかってきた。
長所にフォーカス
長所にフォーカスする。
長所はその人の人生・経験の総決算である。
短所に振り回されるな。
不安や弁解の気持ちが強くなる ⇒ モチベーションが下がる ⇒ 自発的学習が阻害 ⇒ 変化のチャンスを逃す
優れたリーダーは、人の心を動かす。
優れたリーダーは人の情熱に火をつけ、最高の力を引き出す。
良い雰囲気は、良い面が見れるし、良いことを思い出す。
そうなると、自分の目標達成能力についても楽観的に考えられるようになる。
笑顔は最も伝わりやすい。
演技で作れる。笑い声は友好的な反応。
スターグループのコンピテンシー。
達成意欲、イニシアチブ、協調やチームワーク、チームを導く能力。
人間を目標に向かって駆り立てるのは、「目標を達成した瞬間どんないい気持になれるか」を思い続けられる精神力。
組織の成長
ある研究所のルール。
誰かが創造的アイデアを述べたら、続く発言者は必ずそのアイデアを擁護しなければならない。
生まれたばかりのアイデアが生き残り、創造性を発揮した人が良い気分になれる。
勉強会は人間関係が育つ。
他者からの応援は、希望や自身の源。
前向きのグループに支えられているとき、人は前向きの変化をとげることができる。
「自分は変わることができる」と自信がつく。
後ろ盾になってくれるメンターがいて、自分の手に余る仕事に挑戦したことが、リーダーとして成長した経験。
リーダーの優秀さを正確にいい当てているのは、部下や同僚による評価。
「就職の決め手は会社、辞職の決め手は上司である」。
EQの低いリーダーは、自分を改善するか、さもなければ消え去るべき。
面白かったポイント
組織を引っ張っていく、改革するときには、ロジカルだけでなく、人々をワクワクさせる、感情に訴えることが大事だということは感覚的には分かるところだと思います。
この本ではリーダーシップスタイルがとても分かりやすく整理されていて、組織の状況やプロジェクトのフェーズによって使い分けることは勉強になった。
多くのスタイルを習得することがいろんな状況に対応できる優れたリーダーということですね。
EQを発揮し、リーダーシップをとって組織を成長・改革した事例が多く掲載されており、どういう局面でスタイルを使い分ければ良いのかについての理解が深まりました。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆
目次
第1部 六つのリーダーシップ・スタイル
リーダーの一番大切な仕事
共鳴型リーダーと不協和型リーダー
EQとリーダーシップ
前向きなリーダーシップ・スタイル―ビジョン型、コーチ型、関係重視型、民主型
危険なリーダーシップ・スタイル―ペースセッター型と強制型
第2部 EQリーダーへの道
EQリーダーを作る五つの発見
EQリーダーへの出発点
理想のリーダーシップをめざして
第3部 EQの高い組織を築く
集団のEQをどう高めるか
組織の現実、組織の理想
進化しつづける組織