内容
すぐれた組織
真にチームワークにすぐれた組織では
・同じ穴のムジナではなく、自分にないモノを持った人を集める
・他のメンバーの色に応じて、自分が演じる役割を微調整する(バランス感覚)
という力学が必ず働いている。
例えばリーダーがアクセル役で、サブリーダーがブレーキ/ハンドル役。
例えばリーダーが強行突破型で、サブリーダーが根回し調整型。
例えばリーダーがアイディアマンタイプで、それを支えるプロジェクトオーナーが現実的に考えぬくタイプ。
バランスが重要なのだ。
アクティビティ一覧
業務にまつわる情報を網羅的に書きだすためのフォーマット
状況に応じて
・その業務の実施者、責任者
・業務毎に利用しているシステム
・帳票・その業務の頻度(月に 1回、など)
・その業務での課題
業務の棚おろし資料であるアクティビティ一覧や業務フローは、下記の資料を作る際の基となる。
・業務分析、システム分析の基礎資料
・将来業務プロセスを検討する際の出発点
・費用対効果分析の基礎資料
・パッケージを選ぶ時のデモシナリオ
・システムテストのシナリオ
・業務マニュアル
・業務がどう変わるかの説明会資料
・担当者へのトレーニング資料
ECRS
ECRSとはプロセス改善を行う際の考え方で、4つのステップから成り立っている。
(E)そのプロセスをなくせないか(Eliminate)
(C)そのプロセスを他のプロセスと統合できないか(Combine)
(R)プロセスの順序の変更はできないか(Rearrange)
(S)そのプロセスをもっとシンプルにできないか(Simplify)
業務改革の王道施策
施策1:標準化
施策2:一元管理
施策3:業務集約
施策4:アウトソース/オフショア
施策5:承認プロセスの見直し
施策6:納期短縮
納期短縮
- 自動化
- 並行化
- 権限委譲
- セルフサービス化
施策一覧
ステップ1 施策一覧にアイディアをどんどん貯める
ステップ2 施策をまとめる
ステップ3 施策の選定基準を決める
まずはプロジェクトにとって本当に重要な選定基準を3つだけ決める。
それは、ビジネスベネフィット、受入態勢、コストの3つである。
採点は3段階(High/Medium/Low)で行うことが多い。
将来の予測なので、10点満点、100点満点で全て数値化するのは不可能だし、施策を選ぶ際にはそれほど細かい採点は必要ない。
<プロジェクトゴールが明確な場合のビジネスベネフィットの例>
・High:プロジェクトゴール達成のために欠かせない施策
・Medium:プロジェクトゴール達成に寄与する施策
・Low:プロジェクトゴール達成に直接影響のない施策
<組織受入態勢の例>
・High:部内の周知・教育だけで済む施策
・Medium:他部署や全社員に教育や協力依頼が必要な施策
・Low:取引先等の社外に、協力を要請する必要がある施策
<コストの例>
・High:システム改修が不要な施策
・Medium:5人月未満のシステム改修が必要な施策
・Low:5人月以上のシステム改修が必要な施策
キックオフミーティング
キックオフミーティングをただの儀式にしない
本格的に始めるにあたっては、どこのプロジェクトもキックオフミーティングといった会を開くことだろう。
・なぜプロジェクトをやる必要があるのか(現状認識)
・どういうプロジェクトにするか(ゴールとコンセプト)
・プロジェクトオーナーの考え
・今後のスケジュール
・チームの体制図、役割分担
・協力依頼
マスタースケジュール作成時のポイント
1:締め切りを確認する
2:積み上げよりも逆算で
3:ボトルネックは業務担当者
4:繁忙の波を避ける
5:段階的に変えるか?ビッグバンか?
6:クイックヒットは先に
7:優先度の低い施策は後に
8:やりきれるか?(時間と体制)
9:やはりバッファは必要
10:関係者と合意してこそのスケジュール
面白かったポイント
よくまとまっている本です。
業務改革は会社や部署によって事情が様々だし、非常に高度な業務なので汎用化してまとめるのが非常に難しい分野です。
長年BPRに携わってきたので、当時のプロジェクトの記憶がいろいろ蘇ってきました。
BPRは膨大な基礎知識は前提として実践経験がすべてなので、携わったことのない人が読んでどこまで理解できるのかって感じです。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆