内容
これからは「アジアの時代」。
そのことにどれほどの日本人が気づいているだろうか?
なぜアジアなのか?
生産人口の増加率が全人口の増加率を上回る期間こそが人口ボーナス期である。
ボーナス期が終わった国は成熟国、人口オーナスの国になる。
高度経済成長はどの国においても歴史上一度だけボーナスが出ることになっている。
そして、ボーナスが終わると二度と出ることはない。
この人口ボーナスが出ている間に先進国にならなければ、その後その国が先進国になることはないという。
経済成長が進むと、人々の興味はよりよい家電、住まいという物質欲から、次第に健康や長寿という方向に関心が移っていく。
人口ボーナスが終わるはずのタイが周辺のメコンの国々から潤沢かつ良質な労働者を受け入れるなど、人口ボーナスがまだまだ途切れないのである。
人口ボーナスから見ると最も興味深い国がインドネシア、フィリピン、カンボジアである。
その勢いはもう誰にも止められない。
フィリピンは1億人もの人口を有し、アジアの国々の中でもこれから30~40年にわたって最長の経済成長が予測されている。
アジアはレアアースをはじめとした天然資源が豊富でもある。
工業用資源のみならず、宝飾の宝石、貴石資源、薬草、香水原料、農業、食料品の生産地としても非常に有望である。
また、アジアは偉大な観光資源の宝庫。
ビーチや世界遺産、仏教遺跡、温泉などの観光リソースは膨大である。
日本にとって有利なのは親日国が多いことである。
アジアの不動産
今の人生を変えたいですか?
住む場所を変えることが最も効果的で簡単な方法です。
住む場所を変えると付き合う人間関係も変わるし、時間配分も変わってくる。
海外に住居を持ち、そこにも住み始める。
自分が住むだけではなく、将来的にインカムゲインを狙うことを考慮して、家族世帯が住めるように70平米以上の住居を購入してしまうのもいいだろう。
高度経済成長の国では、所得の伸びに釣られて都市人口も爆発的に増大する。
これで不動産の価値が上がらないほうがおかしい。
ロケーションさえしっかり把握できればこれは間違いない。
人口ボーナスから注目すべきは、フィリピンのマニラ、インドネシアのジャカルタ、タイのバンコクは5~10年では面白い。
10~20年で見るならミャンマー、カンボジアに注目したい。
日本の物件は賃貸で十分、あるいは下がる要素が少ない都心の一等地に若干狭いが十分な中古マンションを得て、余剰資金はすべてアジアのプライムエリアの不動産か優良株に回す。
資産のリスク分散は華僑の歴史では常識である。
「卵は一つの籠に盛るな」です。
資産は不動産も株も通貨も三分割すべきである。
早急に他国に銀行口座を開設し、海外通貨での預貯金による国家デフォルトリスクを回避するのが、まず第一歩。
さらにそこから外国株式、投資ファンドへの投資、コンドミニアムを中心とした不動産投資へと分散投資をしていくことをおススメする。
フィリピンではビーチハウス、バンコクでは中心部のコンドミニアム、日本では戸建て住宅というように好きな季節に好きな国で好きな形態の家に暮らせる。
発電理論 移動、フライトがお金を生み出す仕組み
日本を含めた三カ国を自由に行き来しながら自分の好きなビジネスを少しずつ立ち上げていく。
動くことは単なる消費ではなく、電気や利益を生み出す方法である。移動に関する発送の転換が必要である。
移動=出費、消費という概念から移動=経費、投資という発想に転換するのだ。
- 太陽光発電計画(運び屋)
- 風力発電計画(個人貿易)
- 水力発電計画(貿易、サービス事業立ち上げ)
- 火力発電計画(本格貿易、ミニ商社機能)
- 原子力発電計画(R&D、JV、輸出入事業世界展開)
太陽光発電
運び屋はアービトラージと呼ばれる鞘を抜くビジネスの基本。
同じ物なのにA国とB国では値段が全然違う。
ポイントは、価格差が大きい、小さくて軽いモノ、生鮮食料品など一般のクーリエでは運べないモノ、合法的、A国では仕入れが簡単でB国で確実な買取先があること。
仕入れも小売価格ではなく製造元との直接交渉で工場価格で仕入れる。
アジアの国で人気なのは日本酒、カメラ、炊飯器、文房具、折りたたみ傘などが挙げられる。
アジアから日本へは装飾品、衣料品、宝飾品、宝石などがあり、アービトラージの世界は無限であることがわかる。
この段階で大切なことは、
- 現地に販路と商流をしっかり持つパートナーを見つけること
- 新品、中古、部品などインターネットでしっかり現地での納入価格と日本での販売価格をチェックすること
- 現地で売るための最適の商材を選び出すこと
風力発電
仕入れ先と納入先をしっかり確保して個人貿易をする。
インターネット市場での販売を個人事業としてやってゆくのもいいだろう。
中流富裕層は増大を続け、市場はお腹ペコペコ状態で、持っていけば何でも売れる。
何でも作れば、作った先から売れていく状態になってきている。
水力発電
日本から技術、サービスを輸出する。
それはそれだけで重要な競争優位となり、日本人そのものがブランドとなるのだ。
ここで大切なのは、価格差をきちんと収益性のあるビジネスにするためには、それなりの規模で輸出入できるシステムを作り上げることである。
アジアの住居国では事務所を準備し、屋号も定め、事務員も雇い、会社としての体裁を整えるべきである。
日本人が経営する貿易会社としてサービスもしっかりと最小経費で準備する。
会社として日本商材の輸入や現地商材の輸出、あるいはネット販売や現地でのサービス業などのビジネスを開始することである。
火力発電
商社機能を持つ会社を居住国ごとに立ち上げ、アジアのまだ誰も総代理店を取っていない商材を見本市で見出し、日本市場向けに製造元と共同開発して売り込む。
価格は原価の5倍以上が基本である。
まずは総代理店契約をし、そして日本のバイヤーに売り込むのがいいだろう。
アジアの製造会社にとって、日本は限りなく魅力的な市場である。
「私に日本の市場を任せてください」という情熱が重要です。
また、逆に日本の商材に関して自分のアジア居住国限定で総代理店の権利を確保し、その国に有効なバイヤーを開発して売り込む。
必要とあらば輸入国に合わせて商材の仕様を変更する。
このようにミニ商社機能を追求するのが火力発電の段階である。
このレベルの会社になってくると、できれば現地の優秀なパートナーと組んで共同経営の関係を作ることが望ましい。
現地パートナーの重要性は、現地の人との交渉事などに表れてくる。
アジア、海外商材には定価は存在しない。
価格は自分が決める世界である。
商社機能の会社はあっても、日本の複雑怪奇な問屋制度は一切ない。
自分が売りたい価格より相手が買いたい価格が高い場合、その価格が取引価格となる。
要はいくらでも、相手がそれでいいという価格を自由に設定できるということだ。
原子力発電
このレベルは、単に商品を3カ国間で輸出入するだけでなく、原料国、製造国、販売国のそれぞれを3カ国でまかなうことである。
例えば、ミャンマーのルビーの色に敵うものはなく、間違いなく世界最高品質なのである。
このルビーを製品化する最適国はタイである。
タイには日本の大田区のような零細ながらも確かな宝飾品の加工工場が多く存在する。
「どんな業種のビジネスパーソンでも、日本という特殊な国に生きてきた我々がアジアに出た時、それが強みになる」
忘れてはいけないのが、日本にはアジアの人々がまさに垂涎の的として憧れる高品質な正規品が溢れているのだ。
南国は天国である。
このような国の人は陽気である反面、ストレスに弱い。
逆にストレスに強いのが華人やベトナム人、ミャンマー人である。
極端な話、着替えなんてTシャツがあれば何もいらないのだ。
あとはビジネスを推し進めるPCとインターネット環境だけ。
これさえあれば何もいらないなんて最高の環境ではないだろうか。
面白かったポイント
まさに私がやりたかったことが書かれていました。
世界を飛び回り仕事をしたい、サラリーマンじゃなくて自分のビジネスを持ちたい、日本円だけではなく資産の分散をしたい、と思っていた私にピッタリの内容でした。
アジアビジネスは有望だというのはどの本にも書かれていますが、日本人がどのようなステップでビジネスを立ち上げていくのか分かりやすくまとめられていたので道が見えた気がします。
本当に今すぐ始めるべきだと思います。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆
目次
序章 今からでもアジアで大資産家になれる
第1章 なぜアジアがビジネスチャンスなのか
第2章 荒野の案山子から二本足打法へ
第3章 アジアで面白いように稼ぐために
第4章 アジアビジネスのビジョンと戦略の実現方法
第5章 魅惑のアジアに架空滞在
終章 アジアの風に乗って、最高の渡り鳥人生を