Think Smart

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『Think Smart』ロルフ・ドベリ

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内容

良い人生を送る秘訣

ダビデに意識を集中させるのではなく、ダビデでないものに集中して、それを排除すればいいのである。

「私たちは、ビジネスにおける難問の解決法を学んだわけではない。学んだのは、難問は避けたほうがいいということだ」

「賢人が目指すべきは、幸福を手に入れることではなく、不幸を避けることだ」

 

理由があればいい

行動に「理由を添える」だけで、その行動は周りからの理解と譲歩を得やすくなる。

驚くべきことに、その理由が意味をなしているかどうかは重要ではない。

「○○なので」というだけで、その行動が正当化されるのだ。

 

理由が書かれているだけで、私たちの気持ちは落ち着く。

逆に理由がないだけで、いらいらさせられる。

 

結論。理由は必要である。

「○○なので」というちょっとした言葉は、人間同士の潤滑剤の役割を果たす。

こまめに使おう。

 

意志の力

「血糖値」が下がりすぎると、意志の力は衰える。

 

自ら考えだしたアイデア

自分で思いついたビジネスのアイデアは、ほかの人が思いついたアイデアよりもうまくいくように感じられる。

起業する人があとを絶たないのは、「NIH症候群」のおかげだ。

それと同時に、スタートアップ企業の業績が上がらない原因となっているのも、やはり「NIH症候群」だ。

 

第一印象

脳は「うしろのほうに並んだ形容詞」よりも、「はじめのほうに並んだ形容詞」に重きを置く

 

意見があるときは、ためらわずに最初に口を開くといい。

そうすればあなたは同僚に大きな影響を与え、彼らを自分の側に引き込むことができる。

そしてあなたが議長を務めているときには、特に順番を決めずに意見を聞こう。

そうでなければ、毎回最初に意見を述べる人に必要以上の影響力を与えてしまうことになる。

 

ただし、ものごとに影響をおよぼすのは「初頭効果」だけではない。

逆方向に作用する「親近効果」と呼ばれるものもある。

あとから入って来た情報のほうが記憶に残りやすいという現象で、脳の短期記憶の容量がきわめて小さいことから起きる。

新しいものが入ってくると、古いものは外に追いだされてしまうのだ。

 

ボーナスがモチベーションを低下

研究者たちはこの現象を「モチベーションのクラウディング・アウト(駆逐)」と呼んでいる。

金銭的な理由で行っているわけではないことに金銭を介在させると、進んでものごとを行おうとする意欲を減退させてしまう。

「金銭的なモチベーション」を持つと、その人の「非金銭的なモチベーション」は駆逐されてしまうのである。

 

子どもはお金では意のままに動かせない。

子どもに学校の宿題をさせたり、楽器の練習をさせたり、芝刈りをさせたりしたいときは、「お金で釣る」のはやめよう。

それより「毎週決まった額のおこづかいを渡す」ほうがいい。

 

ポジティブなブラック・スワン

結論。ポジティブな「ブラック・スワン」にうまく乗ることができる状況に身を置くようにしよう(そういうブラック・スワンの可能性が高いとはいえないが)。

量産できる作品をつくるアーティストや、量産できる製品の発明者や、量産できる製品を扱う企業家になるといい。

 

だが、あなたが労働に費やす時間をお金に換えている場合は(たとえば会社員や歯医者やジャーナリストなど)、「ブラック・スワン」を待っても無駄だ。

たとえ「ブラック・スワン」に興味があるという人でも、ネガティブな「ブラック・スワン」の生息区域からは距離を置いたほうがいい。

借金をせず、蓄えを投資するときには保守的になり、成功をおさめたとしても、贅沢は慎むようにしよう。

 

自分より優秀な人を採用

「Aクラスの人は、Aプラスの人を採用するものだ。つまり、自分よりももっと優秀な人を雇おうとする。だがBクラスの人は、自分の部下としてCクラスの人を採用する。そのCクラスの人は自分の部下にDクラスの人を採用し、そのDクラスの人はまた自分の部下にEクラスの人を採用する。そうすると結局、その会社は数年後にはZクラスの社員ばかりになってしまう」

 

だから、人を雇うときには、あなたより優秀な人を採用するようにしよう。

そうでなければ、あなたの会社にはそのうち、能力の低い人しかいなくなってしまう。

そのうえ、そうした人たちには「ダニング=クルーガー効果」も起きる。

能力の低い人は、自分の能力の程度を認識できないという「思考の誤り」である。

 

タイムマネジメント術

デビッド・アレンはアメリカのタイムマネジメント術の権威だ。

アレンは「頭のなかを水のように澄みきった状態に保つこと」を推奨している。

だがこれは、生活のすべてを整理整頓しなければならないという意味ではない。

 

あなたの頭を悩ませる煩雑な課題に対して、詳細な計画を立てて対応するということだ。

段階を追ってひとつずつ、できれば計画を文書にしておく。

すべきことを全部書き出して、具体的な課題として把握しておけば、あなたの内面を平静に保つことができる。

 

〝詳細な〟というところがポイントだ。

「妻のバースデーパーティーの準備をする」や「新しい仕事を探す」というのでは通用しない。

デビッド・アレンは自分のクライアントに、ひとつの課題を、二〇から五〇の段階に細かく区分するようアドバイスしている。

 

無駄話

思考することを怠ったり、未熟だったり、ものを知らなかったりすると、頭のなかは「不明瞭」になる。

そうした不明瞭さを覆いかくそうとすると、言葉があふれ出す。

 

言葉は、思考の鏡だ。

思考が明瞭であれば発言も明瞭になるが、思考が不明瞭であれば発言は無駄話にしかならない。

 

ねたみ

まず、「人と自分を比較する」のをやめることだ。

 

それから自分の「能力の輪」(自分が本当に得意とし、習熟できる分野のこと)を見つけ、その輪をあなたが独占できるような状況をつくり出すこと。

つまり、「自分がトップに立てるような得意分野」をつくるのだ。

あなたが能力を発揮できる輪の大きさはどれほど小さくてもかまわない──重要なのは、あなたがその分野の「王者」でいられることだ。

 

物語

私たちの脳は「物語」に対して抵抗力がなく、「エピソード」にはつい耳を傾けてしまいがちだ。

 

思考モデル

自分の脳に、二、三の道具を追加するよう心がけよう。

あなたの「得意分野」から大きく離れた思考モデルを習得するのだ。

 

ボートの性能

ウォーレン・バフェットも、CEOを崇拝するのはまったく意味のないこととみなし、こんなふうに述べている。

「経営者としてのあなたの業績は、あなたの漕ぎ方が効率的かどうかより、あなたが乗っているボートの性能によって決まるところが大きい」

 

結論。ひとつの領域で突出した能力を発揮していても、それを別の領域に移行させるのは不可能に近い。学校で得た知識でも同じだ。

クラス一の秀才だった同級生のことを考えてみるといい。

いま社会的な成功をおさめているのは、あなたのほうではないだろうか?

ある分野ですばらしい能力を発揮できたとしても、別の分野でも同じ能力を発揮できるわけではないことに気をつけよう。

 

最低限の情報で生活

結論。最低限の情報で生活するよう心がけよう。

そうすれば決断の質は上昇する。

知らなくてもいいことに価値はない。

それを知ったところで無価値なものは無価値なままだ。

 

「ニュースからできるだけ距離を置いたほうがいい理由」はいくつもあるが、なかでも重要なものを三つ、ここで挙げることにしよう。

ひとつ目。

私たちの脳は、人間同士の話で、スキャンダラスで衝撃的で、騒々しく変化の激しい刺激には過度に反応するが、抽象的で複雑で、自分なりに解釈を加えなくてはならない情報にはあまり反応しない。

 

ニュースは私たちとは無関係だ。

過去一年のあいだに、あなたは短いニュース記事を一万件は受け取っているはずだ──一日当たりに換算すると約三〇件。

正直に答えてほしい。そのなかで、あなたが人生やキャリアや仕事に関する決断を下すときに役に立ったのはどのくらいあっただろう?

 

ニュースは時間の無駄だ。

平均的な人は、週ごとに仕事時間の半分にあたる時間をニュースを読んだり見たりすることに費やしているという。

地球規模で見ると膨大な生産性の損失である。

 

一〇〇種類ほどもある思考や行動の誤りのなかで、「排除する」ことでもたらされるメリットがもっとも大きいのは「ニュース」だ。

そのかわり、出来事の背後関係を詳しく記した長文記事や本を読むといい。

世界を理解するのに本ほど適したものはない。

 

物事の要因

ものごとの原因はひとつではなく、いくつもあることをあなたはすでに理解しているはずだ。

まずは紙を一枚用意して、考えられる要因をすべて、円や線を使った網目状の図にして整理することからはじめよう。

それができたら、その要因の背後要因についても同じことをする。

そうすると、失敗の影響要因として考えられる要素のつながりを表す図ができあがる。

 

次に、そのなかであなたが変えられる要因に印をつけ、あなたが影響をおよぼせない要因(たとえば人々の思考や感情など)は線を引いて削除しよう。

 

最後に、印をつけた要素をさまざまに変化させた製品を何か所かの地域でテストして、商品の売上が改善されるかどうかを確かめるといい。

時間もお金もかかるが、これが浅薄な推測の沼から抜け出すための唯一の方法だ。

 

多くの選択肢を保留にしない

結論。私たちはできるだけ多くの「選択肢」を持って、どの可能性も排除せずに保留にしておこうとする。

だが、それでは成功にはつながらない。

ドアを閉めることを学ぶべきなのだ。

 

企業のビジネス戦略のような「人生の戦略」を持つようにしよう。

ビジネス戦略というのは、特定の選択肢を除外するための意志表明にほかならない。

 

面白かったポイント

この手の本は内容が似たようなものではあるが、毎回違うところが刺さることになる。

 

今回は、情報を最低限にする、多くの選択肢を保留にしない、というところが刺さった。

この本を読んでから、いろんなアプリやメルマガを削除、解約してスッキリした。

いろいろ活動していたら、当時は必要だと思っていても、時間が経つと不要だったと思えるものが増えていく。

これはこれで正しい行いだと思うが、こういう本を定期的に読んで自分の活動を整理する時間を持つことが大事だということです。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

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