本の内容
成功する投機トレーダーになるためには、全身全霊をかけて打ち込む以外にない。
熱意を持って努力すれば、返ってくるものも大きいはずだ。
損切り
成功への道を一歩一歩着実に歩んでいくには、損失の制御方法を学ぶ以外にない。
彼らがこてんぱんにやられたのは、掛け金が多すぎたか、負けポジションを長く持ちすぎたかのいずれかだ。
失敗から早く学ぶ人ほど、このビジネスで大きな富を手にする道に早く近づくことができる。
このビジネスであなたが制御できる唯一の部分は、損切り、つまりトレードの手仕舞い水準の設定である。
損切り注文を置き、トレードリスクを全資産の一定の範囲内に限定すれば、絶対に破産しないし、破産は神の意志でもないという安心感の下でトレードすることができる。
トレーダーとして成功するための秘訣は多くの人が考えているよりも単純だ。
負けることができる人は、もっと正確に言えば、損失をコントロールできる人は、おそらく勝者になれる。
このビジネスで確実なことは2つしかない。
しっかりとした損失管理が必要、価格を予測することは不可能。
損切りは、価格がランダム性を超えて本当の動きをしたときのみ達するように、市場から十分に離した位置に置くことが重要である。
短期トレードの手仕舞いルール
トレードを仕掛けた時には必ず金額ベースの損切りを置く。
最初に利益が出た寄付きで手仕舞うのが、ベイルアウト利食いテクニックの基本的なルール。
反対シグナルが出たらドテンする。
仕掛けから一定の日数以内に手仕舞うというルールを設けるのも良い。
結局、一定の日数以内に利益が出なければ、仕掛けた時の状態はおそらく消滅したと思われるからだ。
マネーマネジメント
市場のトレンドや方向性も重要だが、最も重要なのは自分の資金を管理する方法を知ることである。
現在のポジションはほとんどが負けトレードになるという私と同じ思考体系で市場に臨めば、損切りをして自分を守るようになるはずだ。
ひとつのトレードで大きな賭けに出て、それですべての問題を解決しようとは思わなくなるはずだ。
小さな損失でも、ポジションが大きければ、口座を破産させるほどの破壊力を持つことを忘れてはならない。
賭けのサイズは勝っている時に増やすべきで、負けている時に増やしてはならない。
大きな賭けどころか、私たちの掛け金は非常に少額で、元手の20%を超えるリスクをとったことは1回もない。
リスクを求める人でなければ投機はできないし、リスク回避的な人でなければ投機で身を立てることはできない。
投機で成功するためには、統制力、つまり制御力も必要になる。
トレーディングで成功すればお金は儲けられるが、そのお金を正しいマネーマネジメントで管理すれば巨額の富を築くことができる。
リスクをとりすぎてはならない。
これがトレーディングにおけるマネーマネジメントの鉄則だ。
大きすぎるポジションサイズ、大きすぎる賭けは、下手な市場予測よりもはるかに大きな被害をあなたに及ぼすのである。
優れたマネーマネジメントには1つの共通点がある。
それは、勝っている時はポジションサイズを増やし、負けている時は減らすという点である。
「賢明」なトレーダーはサイズを減らす速度が速い。
まず最初に1トレードにつき全資産のどれくらいをリスクにさらすかを決める。
わたしのリスク志向は高いので、1トレードにつき全資産の40%をリスクにさらすと仮定しよう。
また、1枚当たりの最大リスク額は5000ドルに設定している。
一般に、1トレード当たりのリスク量は口座残高の10%から15%に設定するのがよい。
それをシステムの最大損失や、自分が許容できる最大損失で割って得られた数字が1トレード当たりの最大枚数である。
マネーマネジメント戦略の構築において最も重要なのは、4連敗することを前提に構築すること。
わずか2%のリスクでも巨額な利益が得られることは分かったと思う。
賭け金の平均は2%で、ときには3%のときもあったがほとんどは1%未満だった。
2%のリスクイクスポージャーはうまくいったと結論づけざるを得ない。
重要なのは損切りをどこに置くかである。
具体的には、まずチャート上で損切りの位置を決める。
その位置から仕掛けを予定している水準までの差額がリスクにさらされることになる。
これがリスク量だ。
つまり、損切り注文を置くということは、そのトレードで1枚当たり許容できるリスク量を決めるということである。
最後まで生き残れるのは、トレーディングの腕はあまり良くないが、しっかりとしたマネーマネジメントを行うことのできるトレーダーなのである。
トレンド
最も重要なのは、市場の変化に適応することの重要性。
最も重要な価格が始値だ。
すべての利益のカギを握るのはトレンドであるということである。
トレンドがなければ、利益も出ない。
トレンドは時間の関数だ。
したがって、トレードの保有期間が長いほど、大きなトレンドをとらえられるチャンスは増える。
市場が爆発的な動きをするのには何らかの理由がある、というのがわれわれの基本的な考え方だ。
市場はこうした爆発的な動きによってトレンドモードに入る。
これらのトレンドが1日から5日間続いてくれれば、われわれとしては願ったりかなったりだ。
われわれの目標は、この爆発的な動きが始まったらできるだけ早い段階でその動きに乗ることである。
もし寄り付きから一定の方向に上昇し始めれば、価格はその方向に動き続ける可能性が極めて高い。
成功するトレーディングとは、市場の方向性を読み取ることにほかならない。
トレンドは価格の爆発によって始まる。
そしてその結果、形成される新しいトレンドは価格の反対方向への新たな爆発が起こるまで続く。
市場の構造
はらみ足の発生は、市場が保ち合いに入ったことを意味する。
安値が両側の安値よりも安くなっていれば、その日の安値が短期の安値になる。
同様に、高値が両側の高値よりも高くなっていれば、その日の高値が短期の高値になる。
市場を理解するには、まず市場の構造を理解することが重要だ。
価格はスイングしながら動く。
これを理解する。これが重要なのだ。
市場の構造を理解すれば、「どの市場でも真のトレンド」を見極めることが可能になる。
市場の構造は日中足、日足、週足、月足など時間枠にかかわらず、どういった時間枠に対しても適用できる。
最も利益を生むトレード、しかも最も簡単なトレードは、市場の中期トレンドに基づくものである。
われわれが探しているのは、その前の中期の高値よりも安い中期の高値だ。
このパターンは市場が下降トレンドにあることを意味する。
あなたがやらなければならないのは、中期の高値や安値を見つけることだけである。
あとはパターンに沿って最良のトレードを行えばよい。
市場が中期の高値を更新するとき、その前の中期の高値から一度下落して安値を更新した後新しい中期の高値に向かって上昇するが、その上昇幅はその前の中期の高値から安値までの下落幅とほぼ同じになる傾向が強い
手仕舞いポイントはあくまで市場の構造を基に決める。
市場パターン
過去と未来の動きの間には「何らかの相関性」はあると私は思っている。
われわれは過去にボラティリティが高く1日の値幅が大きいことで知られているが、最近1日の値幅が縮小した市場を探す。
なぜなら、値幅が縮小したあとには、値幅の大きな日がすぐそこまで来ているからだ。
これは市場に関する偉大な発見だ。
私たち短期トレーダーが稼げる唯一の場所である長い足の前には一連の短い足がある。
大きな値幅の日には値幅の一方の端で引けるだろうことは簡単に予測がつく。
つまり、短期トレーダーはこういった日はポジションをその日の終わりまで持って利益の最大化に努めなければならないということである。
安値から終値までの値幅の大きさは買い手が価格に与える影響力を表し、高値から終値までの値幅の大きさは売り手が価格に与える影響力を表す。
今日の真の値幅が前日の真の値幅を大幅に上回れば、市場のそれまでの向きが変わったことになる。実に簡単だ。
下げて引けるアウトサイドデイのパターンはわれわれが望むほど多くは発生しないという点だ。
だから、このアウトサイドデイのパターンを見つけたら、ためらうことなく買え!
売りの「ワナ」が発生するのは、上昇トレンドにあった市場が5日から10日間保ち合いやボックス相場に入ったあと、トレーディングレンジを超えたむきだしの終値を伴って上方にブレイクアウトしたときだ。
ここで注目しなければならないのはブレイクアウトした日の安値である。
この安値が下にブレイクされ、価格が1日から3日にわたってその下方で維持されれば、上方へのブレイクアウトはダマシであり、一般大衆はインチキ商品をつかまされた可能性が高い。
債券市場は株式市場に影響を及ぼし、金市場は債券市場に影響を及ぼすことは周知のとおりだ。
市場間には関係があり、互いの値動きに影響を及ぼす。
市場間の関係はわれわれ短期トレーダーにとっては自分が売買している市場の動きを事前に察知する上で有効に使える。
さらに重要なのは、これは伝統的なテクニカル分析を超えたツールであるだけでなく、ほかのトレーダーが使っていないツールでもあるという点である。
移動平均線を1日だけ上抜いたり、かろうじて接触するだけで上抜いたり下抜いたりしないと、それはトレンド反転の確実なサインにはならないというのは大変重要だ。
トレードスタイル
勝ちトレードをとらえて利益を出す最も良い戦略はポジションを大引けまで持ち続ける。
「良いアイデアが相場で大きな利益を上げる秘訣ではない。最も重要なのは、絶好の時が来るまで静かに座って待っていることだ。私が大金を儲けられたのは、ただ静かに座って待っていたからだ」ジェシー・リバモア
大きな利益を与えてくれるのは時間、時間だけである。
私は通常2日から5日のスイングでトレードする。
買いや売りに向いている曜日が存在するのである。
トレーダーを成功に導くのは、どれくらいトレードしないか、つまりどれくらいトレードを厳選できるか、なのである。
選択は2つの要素からなる。
ひとつは、「今まさに動き出そうとしている市場を選ぶこと」、「集中力を高めるために少数の市場に絞り込むこと」
プロの投機家は、条件が整うまで辛抱強く待ち続ける。
そうすることでより大きな利益を手に入れることができることを彼らは知っているからだ。
過去を振り返ると、私が全力を尽くすことができたのは少数(2~3)の銘柄を集中的にトレードしていたときだ。
投機の世界では、トレード回数を増やしてもトレードサイズを大きくしても利益が増えることはない。
利益を増やすには、トレードを厳選し、仕掛けるのにベストなタイミングを待つことが重要なのである。
あなたを破滅に追いやるのはあわてて仕掛けた悪いトレードなのである。
大金を稼ぎたいのなら、待つことを学ぶことだ。
勝者と敗者との大きな違いは、勝者はカギとなる少数の「好みの」銘柄に集中的に取り組むことだ。
私からのアドバイスは、安く買うことを考えるな、上昇が始まったら買え。
ストップ高で買ったり、ストップ安で売ったりすることは、理論的に感情的にもかなり難しいことは、わたしももちろん知っている。
しかし、これをやれば大金を儲けることができる。
市場研究
自分が行ったトレードを見直し、市場の過去の動きを調べることはトレードに大いに役立つ。
ところが、ほとんどの人はこれをやりたがらない。
私がトレーディングでささやかながら成功を収めることができたのは、市場を研究し、自分の過去のトレードを見直し、自分が犯した失敗を分析したからだと思っている。
練習に費やす時間ほど、将来成功するかどうかを見るための優れた指標となるものはない。
私がやったのは過去の大量のチャートとデータを見てパターンや関係などトレーディングの要素となるものを見つけ出しただけである。
つまり私は過去のデータを使ってつもり売買を行っていたわけである。
これこそがトレーディングの練習なのである。
自信は自分自身に対する感情から生まれるのはなく、市場を研究することで初めて得られるものだ。
感情
強欲のほうが恐れよりも強い感情であるということだ。
お金を失うことを恐れて早く手仕舞いしすぎることよりも、ポジションを長く持ちすぎる(強欲)ことのほうが損失を増大させる。
このビジネスで成功するためには、信念についての研究が不可欠である。
ちょっと奇妙かもしれないが、私は今のトレードは必ず負けトレードになると信じている。
しかも、大きな負けトレードになると。
このトレードは負けトレードになる確率が高いと信じて仕掛ければ、きっと自分を守ろうとするはずである。
ぜひ試してみてもらいたい。
恐怖心を利用するのだ。
恐れを抱くことで、相手に対する敬意の念が生まれ、無謀な行為は抑え、自分のスタイルから逸脱せずにすむ。
自分でコントロールしなければならないのは知性だけではない。感情もコントロールしなければならないのがこのビジネスの難しいところだ。
戦略
私の戦略を整理すると次のようになる。
まず、セットアップの整っている市場を見つけ、トレンドの転換点で仕掛ける。
仕掛けたら、損切り注文を置き、価格が目標価格に達することを願いながら、価格が順行すれば損切り注文を有利な方向へ移動させていく。
市場サイクル
市場サイクルの研究によれば、2015年に非常に強力な強気相場になることが予想される。
2017年中盤には株式市場の大暴落が発生することが予想される。
面白かったポイント
市場の構造、トレンド、損切り、マネーマネジメントなど投資で勝つために必要な考え方について非常に分かりやすく説明されています。
自分のできていないこと、深く理解していなかったために知っていたけど実践できていなかったことが明確になりました。
ものすごい量をメモしたということは、それだけ多くの気付きを得られたということで非常に満足しています。
負けている時はまた読み直して改善のヒントを見つけたいと思います。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆
目次
あなたはもうすでに商品トレーダー
短期のカオスのなかに秩序を見いだす
重要なのは価格と時間
短期トレーディングの真実
ボラティリティブレイクアウト―モメンタムブレイクスルー
短期トレーディングの理論
真理の探究
勝つためのパターン
買い手と売り手を分離せよ
気配値スクリーンによる短期トレーディング
短期的に発生する特殊な状況
手仕舞いのルール
投機ビジネスについての考察
マネージメント―王国へのカギ
ケネディからオバマまで―50年のトレード経験から得た教訓
何が株式市場を上昇させるのか
トレーディングはハードなゲーム―その厳しい現実