内容
マッキンゼー・グローバル・リサーチの研究では、インターネットによって消滅した雇用が1とすれば、新たに生み出された雇用は2・6であることが明らかになった。
エクスポネンシャル・テクノロジー
エクスポネンシャル・テクノロジーの成長サイクルには六つのステージがある。
「デジタル化(Digitalization)」
「潜行(Deception)」
「破壊(Disruption)」
「非収益化(Demonetization)」
「非物質化(Dematerialization)」
「大衆化(Democratization)」
だ。
デジタル化
ムーアの法則にのっとったエクスポネンシャルな加速が始まる。
潜行
大きな注目を集めるが、しばらくは世の中の期待に応えられない状態が続く。
破壊
テクノロジーが本当の意味で世界に影響を与えはじめたときがこのステージだ。
既存の製品、サービス、市場、産業を破壊していく。
非収益化
かつては製品やサービスにかかっていたコストが、そっくり消えてしまうステージだ。
非物質化
製品そのものが消えることだ。
かつては独立した製品・サービスとして存在していた機能が、いまではあらゆるスマホに標準装備されるようになった。
大衆化
一般に広がるステージ。
ブロックチェーン
ブロックチェーンは分散型の、可変性のある、許容度が高く、透明性の高いデジタル台帳だ。
分散型というのは、広く共有される集合的データベースであることを意味する。
可変性があるというのは、誰かが台帳に新しい情報を書き込むたびに、すべての台帳が更新されることを意味する。
許容度が高いというのは、現金と同じように誰もが使用できるということ。
透明性が高いというのは、ネットワークに属する誰もが、ネットワーク上で行われるあらゆる取引を見られることだ。
都市
人口密度が高いほどアイデアの交流が活発になるため、経済成長の3分の2は都市部で生じている。
サンタフェ研究所の物理学者ジェフリー・ウエストは、都市の規模が2倍になると、所得、資産、イノベーション(新規特許の件数で測定)が15%増加することを明らかにした。
今後20~30年の産業界に大きな影響を与えそうな新たなモデルが、現時点で七つ見えている。
それぞれがまったく新しい価値創造の方法であり、加速の推進力だ。
- クラウドエコノミー
- フリー&データエコノミー
- スマートネス・エコノミー
- 閉ループ・エコノミー
- 分散型自律組織
- 多重世界モデル
- トランスフォーメーション・エコノミー
買い物
アレクサが商品を注文し、3Dプリンターがそれをつくり、ドローンが玄関先まで届けてくれるようになったら、わざわざ買い物に出かける人がいるだろうか?
ここからはコンテンツがこれまで以上に「コラボラティブ(協力的)」に、「イマーシブ(没入型)」に、そして「パーソナライズ(個別化)」していくことを説明する。
医療
現在医者にかかる目的は、「ヘルス(健康)ケア」というより「シック(病気の)ケア」だ。
先手を打つというより、事後対応になっている。医者は事が起きてしまってから治療をする。
教育
人工知能というユーザーフレンドリーなインターフェースによって、テクノロジーはこれまでよりずっと使いやすくなる。
その結果、労働者に再教育すべきスキルも変化する。
多くの仕事において、何かに徹底的に習熟することより、技術を使いこなす能力や機敏さのほうが重要になる。
要するに進化の過程で、私たちの将来に関する時間軸は6カ月程度に設定された。
脳
ビデオゲームには中毒性がある。
中毒の根本原因は、ドーパミンと呼ばれる興奮剤、つまり快感を生み出す主要な脳内ドラッグだ。
ドーパミンは没頭、興奮、世界を探究したい、その意味を理解したいという欲求と結びついている。
リスクを取るとき、報酬が期待されるとき、あるいは目新しいものに出会うとドーパミンが分泌される。
ひとたび報酬ループが確立されると、つまりある活動とドーパミンにつながりがあると脳が認識すると、もっとドーパミンの効果を感じたいということ以外何も考えられなくなる。
フロー状態とは「自分が最高の状態にあると感じられ、最高のパフォーマンスができる最適な意識状態」と定義される。
最高のパフォーマンスを可能にするこの状態を引き起こす一因が、脳の六つの快楽物質すべてが分泌されることだ。
ジェフ・ベゾス
シンプルな2段階計画ですよ。
まず大金持ちになり、それから宇宙というフロンティアを開拓するってね。
面白かったポイント
非常に面白い。
これからのテクノロジーと各産業にどう活用されているのか網羅的に書かれた本です。
自分の関わっている業界は、テクノロジーを活用してどう進化させていくのか考えるいいきっかけになります。
- AI
- 3Dプリンティング
- ブロックチェーン
- VR/AR
- ロボット
などのテクノロジーは押さえておきたい。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆
目次
第1章 「コンバージェンス(融合)」の時代がやってくる
第2章 エクスポネンシャル・テクノロジー Part 1
第3章 エクスポネンシャル・テクノロジー Part 2
第4章 加速が“加速"する
第5章 買い物の未来
第6章 広告の未来
第7章 エンターテインメントの未来
第8章 教育の未来
第9章 医療の未来
第10章 寿命延長の未来
第11章 保険・金融・不動産の未来
第12章 食料の未来
第13章 脅威と解決策
第14章 5つの大移動がはじまる