サイトの企画、設計ができたら、記事を書いていきましょう。
しかし、いきなり文章を書き始めてはいけません。
記事を書く手順は、
- 記事の企画
- 記事の構成
- 記事の執筆
という流れになります。
重要なのは記事の執筆ではなく、その前工程である企画と構成です。
ここで、記事の80%が決まると言っていいでしょう。
企画で内容を整え、構成で読みやすさを整えるイメージです。
あとは、企画と構成にしたがって、文章をライティングするだけです。
記事の企画内容
記事の企画では、以下のことについて決めていきます。
- 記事の目的
- ターゲットユーザー
- 上位表示を狙うキーワード
- ページのタイトル
- コンテンツ
文章の目的は、人を行動させること
文章のたった1つの目的、それは「今すぐ人を行動させること」です。
読む→言葉に反応する→想像する→行動を起こす
私たちは想像力のスイッチを「カチッ」と入れられると、あとは勝手に行動へと移してしまうのです。
状況を想像させる言葉が入っているかいないかです。
「条件」を表す言葉が入っているから心に刺さる。
ありきたりで常識的な言い回しに、過剰で具体的な条件を表す言葉を組み込むと、その文章は名言に変わる。
書き方のポイントとなるのは、「自分が何を伝えたいか」ではなく、「この文章を読んだとき、相手にどんな行動をして欲しいか」で考えること。
そして、どのように書けば読み手が「それをしてもいいかな?」「ぜひそうしたい!」と思うのか、を考えるのです。
人は、受け取った情報が足りないときは想像や予測で判断する習性があります。
文章を書くときに、あえて情報量を少なくすることで、読み手の想像力を利用することができます。
当たり障りのないきれいな文章を書いてはいけません。
こちらが感情を抑えてしまうと、それは鏡のような効果を生み、相手の心から湧き上がってくるはずの感情をも押さえつけてしまうのです。
人は「論理」ではなく、「感情」で動く。
きれいな文章では使われない言い回しだからこそ、読み手の一人ひとりの感情に伝わっていく。
そこに人の「顔」が見えることが重要なのです。
ターゲットを徹底的にリサーチ
この記事を読むのはどんな人か、どんな人たちかを十分に調べておくことが大切です。
心を揺さぶるという意味では、誰もが「いいね」と思う文章よりも、特定の人の胸に刺さる文章のほうが優れています。
自分が書きたいことを考えている時間があれば、それを読む人たちのことを調べたほうがいいでしょう。
相手を誘導するには、相手の心に寄り添うことが最も大切なことなのです。
人は「自分の欲求と関連したことが書いてある」と気づいたら、すぐに目の前の文章を読もうとし始めるのです。
知りたい、学びたいという興味、悩みを解消したいという思い、損をしたくない、得をしたいという本音、誰かに認められたいという欲求があります。
共感
説明上手な人の共通点は「共感」です。
共感力は、他人の立場に立って、その視点からコミュニケーションを図る能力があることです。
大事な心得「読者の目に浮かぶように書くべし」です。
めまぐるしく変化する現代社会では、説明が大きな財産になります。
説明によって、物事の理解に要するコストを減らせるので、新しい話題に取り組めるようになるのです。
説明には、興味を引くようにアイデアを示すという目標があります。
説明は人の注意を引いて、アイデアをそれぞれの視点から見るように促すので、聞き手は情報を得たうえで「このアイデアについてさらに知ろう」という意思決定ができます。
これは非常に重要な点です。
あるテーマについてよく知っている人は、それを「知らない」という状態が想像しづらくなる。
これは共感に関わる問題です。
本音と建前
本音と建前の間にあるのは、理想(こうありたい)と現実(こうあるべき)の狭間で揺れる感情です。
このギャップが大きくなればなるほど、その人を動かす、強いエネルギーに変わります。
そのとき強いフックとなるのが、人の心にある「建前を認めてほしい」という欲求です。
心の中に秘めている本音を見抜き、認めてあげられたら、その人は認めてくれた相手を心から信頼し、本音を話してくれるようになります。
ポイントは、相手の本音を推測し、建前を取り払って、本音を認めることです。
たとえば、責任ある立場の人に対して使うなら、
「〇〇だって人間ですから」「普通の人だったら」
という言葉が、理想と現実の間にある欲求を刺激するキーワードになります。
本音では「たまには俺だって労われたい」と思っている上司に対して、「あなたは普通の人よりも上です」と嫌味なく伝えることができます。
悩み
悩みの9割はHARMの四文字に集約され、分類できます。
H(Health)・・・健康
A(Ambition)・・・夢、願望
R(Relation)・・・人間関係
M(Money)・・・お金
このHARMに「世代」をかけ合わせると、まるで占い師のように相手から「え?なんで、私がそれで悩んでいるのを知っているの!?」という反応を引き出すこともできます。
悩みをリストアップする時に
- 社会的「認知」度
- 社会的「関心」度
に気を配ることが大切です。
関心のあるジャンルは、「食欲」「性欲」「睡眠欲」の三大欲求や「衣食住」の生活三大要素です。
上位表示を狙うキーワードを決める
Webサイトやブログの企画でもキーワードをリストアップしましたが、記事単位でも上位表示を狙うキーワードを設定します。
サイトやブログ全体では、ボリュームの大きいキーワード、記事単位では、ボリュームの小さな具体的なキーワードを狙っていきます。
たとえば、ラーメン屋のメディアを作っている場合、記事では「渋谷 ラーメン屋」を狙うイメージです。
サイト設計時点で、どのキーワードを狙う記事が必要なのかはリストアップしているので、
- Googleのサジェスト
- 関連キーワード
- Yahoo知恵袋
- 競合サイトのキーワード
を最終チェックします。
たとえば、「渋谷 ラーメン屋」のキーワードを狙う場合、ラーメンの種類やお店の営業時間、価格、評判、おすすめメニューなどの関連キーワードを拾っていきます。
これらの関連キーワードをしっかり盛り込んだ記事を作成していくことになります。
引き付けるタイトルの決め方
タイトルは、記事が読まれるかどうかを決める重要な要素です。
いくらいい記事を書いても、読まれなければ意味がありません。
ユーザを引き付けるタイトルを考えましょう。
まず、どのターゲットにどのような価値を提供する記事なのか明確にします。
人は「自分ごと」にしか反応しないのです。
自分とは関係ないと思った瞬間、脳がその情報をスルーします。
人を動かす「強い文章力」の大前提は、受け手に「自分と関係がある」と思ってもらうこと。
そのためには、タイトルや見出しなどの最初のワンフレーズで相手の心をつかむこと。
キャッチコピー力とは、受け手の心をつかむ言葉を見つけ、短く的確に文章化する能力。
見出し・タイトルの3つの基本
- パンチのある言葉を使う
- 相手の心に無理やりにでも「興味」を作り出す
- 思わず口にしてしまうリズムや語呂を意識する
強い言葉を作る3つのポイント
抽象的な言葉や常套句を避け、できるだけ具体的に書くこと。
そして、言葉の組み合わせを考える。たとえば、
- 異質な言葉同士: 国家の品格、スクールカースト、三匹のおっさん
- 形容詞+名詞: おいしい生活、おいしいカラダ
- 名詞と動詞: 仕事を遊ぶ、仕事に溺れる
最後に、言葉は言い切ると強くなります。
例えば、訴訟は勝つか負けるかのギャンブルだ!、バカとブスこそ東大へ行け!、女って、おしり。
相手の心に興味を作り出す3つのポイント
疑問を投げかける: さおだけ屋はなぜ潰れないのか?
重要な情報を隠す: かなりヤバい研究結果が。。。、痩せた人の日々の習慣とは?、〇〇したら急にモテた
常識とは逆のことを言う: 英語は絶対勉強するな!、食べ放題ダイエット、コミュニケーションは要らない
リズムをよくする4つのポイント
3つたたみかける: 衣食住、松竹梅、守破離
韻を踏む: セブンイレブンいい気分、インテル入ってる
対句: 雄弁は銀、沈黙は金、金持ち父さん、貧乏父さん、頭がいい人、悪い人の話し方
有名コピーをもじる: そうだ沖縄行こう
タイトルを考える上で大切な要素
大切な要素は3つです。
- 記事の概要
- ベネフィット、読むメリット
- 感情フレーズ
読み手を引き付けるテクニックは、
- 読み手のターゲットを入れる
- 数字を入れる
- 「すぐに」「簡単に」などの即効性
- 感情を代弁
- 読まないデメリット
です。
キャッチコピーをストックしていきましょう
- キャッチコピーの本を読む
- 競合サイトをチェックする
- 本のタイトルを参考にする
などで、読みたくなるキャッチコピーのパターンをストックしていきましょう。
記事の内容をうまく表現するキャッチコピーのパターンをストックし、ユーザを引き付けるタイトルを作り出してください。
コンテンツの種類
タイトルが決まったら、具体的にコンテンツの企画を具体的にします。
コンテンツの種類は、
- 商品説明記事
- 悩み解決系記事
- 基礎知識・教育系記事
です。
商品説明記事
商品説明記事は、ユーザに行動を起こしてもらう一番大事な記事になります。
商品やサービスを購入するユーザの不安を取り除くことが目的です。
- 商品の特徴、メリット
- 競合商品との比較
- 商品を選ぶ手順
- デメリット
- Q&A
- 口コミ、体験談
などを盛り込みます。
悩み解決系記事
ユーザの悩みを解決するためのお役立ち記事です。
サイトの信頼性を高め、商品やサービスの購入につなげるのが目的です。
- 顕在化した悩み
- 潜在的な悩み
- ユーザはどんなネガティブな感情を持っているのか
- 解決策
などを盛り込みます。
記事毎によりターゲットを設定し、そのターゲットが持つ悩みを深掘りすることで、記事を読んだ読者は「この記事は自分のために書かれたものだ」と思ってもらうことが重要です。
ユーザは、意識している顕在化した悩みをキーワードに入れて検索します。
さらにそのキーワードで検索した背景から潜在的な悩みを仮定し、解決策を提案するとさらによくなります。
たとえば、「ダイエット 方法」と検索した人がいたとします。
ユーザの目的は、ダイエットすることが目的なので、記事の中ではダイエットの方法を解説しますが、ユーザはなぜダイエットをしたいのかをさらに深掘りします。
- 夏に向けて痩せたい
- モテたい
- 医者に注意された
- 健康になりたい
など、ダイエットと検索したユーザの本当のニーズというものをリストアップし、記事の中や関連記事で紹介すると、ユーザの本当の悩みに気づかせることができ、さらに記事を読んでくれることにつながります。
ユーザは、思いついたそのままの言葉で検索します。
自分の悩みを的確に言語化し、キーワードにすることができないこともよくあります。
企画段階で、悩みを持つユーザの気持ちを深く分析することで、読者に寄り添う記事を書くことができるのです。
基礎知識・教育系記事
基礎知識・教育系記事は、取り扱うテーマやジャンルに新しく入ってくる初心者向けのコンテンツになります。
タイトルは、「初心者でもできる〇〇の始め方」という感じです。
対象となるユーザは、初心者になればなるほど多くなるので、「始め方」というキーワードで上位に表示できるとかなりのアクセス数が見込まれます。
また、初心者向けの基礎的なコンテンツは、長く需要があります。
そして、読者はあなたを先生と位置付けてくれるので、権威性を得ることができます。
コンテンツは、一から手取り足取り、つまづかないように丁寧に解説していきます。
図解や動画の解説を入れると、より印象に残るサイトになるでしょう。
早く上達したいのならネタ帳を作ろう
記事やキャッチコピーをうまく書きたいなら、やはり記事やコピーをたくさん読む、見ることをおすすめします。
サイトやCM、広告、雑誌で出会った見出しの中で、商品が気になった、欲しくなった、思わずクリックしたコピーを収集するといいでしょう。
ネタ帳をつくったり、ブログやツイッターに書き込んでストックしていきましょう。
この表現が心を動かした、反応したという理由も一緒に記録しておくことが大切です。
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