内容
ハッピーマネーの5つの原則
- 経験を買う
- ご褒美にする
- 時間を買う
- 先に支払って、あとで消費する
- 他人に投資する
経験を買う
ものを買うことから経験を買うことへ、自分のために使うことから他人のために使うことへ移行すると、幸福度に劇的なインパクトを与えることができるのです。
物質的なもの(美しい家から高級万年筆まで)は、経験を買うこと(旅行、コンサート、特別な食事など)ほど幸福をもたらさないことがわかりました。
支出選択と幸福度を関連づけたところ、支出の中で重要だったのは1つのカテゴリーだけでした。
冷蔵庫でもアルコールでもありません。
それは、旅行、映画、スポーツイベント、ジムの会員権などを含む、研究者が「レジャー」と名づけたカテゴリーでした。
経験的な買い物を最優先させる人は、心が広く、知的で、外向的だと見なされます。
経験を比較するのはかなり難しいことなので、経験的な買い物は、後悔という有害な否定的感情から私たちを守ってくれるようなのです。
どんなタイプの経験でも、払ったお金に対して最も大きな喜びを得られるのはおそらく次のような4つの基準を満たすものでしょう。
・他の人々と交わることによって、社会的なつながりが生まれるような経験。
・この先何年にもわたって楽しい気持ちで繰り返し語ることができる思い出話につながる経験。
・あなたが感じている自分という人間、あるいはあなたがなりたいと思っている自分像に密接に結びつく経験。
・他の選択肢と簡単に比較することができないめったにないチャンスを与えてくれる経験。
経験的な買い物に対する満足感は時が経つにつれて増していく傾向があるのに対し、物質的な買い物に対する満足感は減少する傾向がある
時間を買う
時間給制は、人々をもっと働かなければという気持ちにかりたてます。
そればかりか、経済的にではなく、感情的な見返りのある活動をしたいという意欲をも低下させてしまうことがあるのです。
時間給労働者はあまりボランティア活動に参加しません。
この現象は、時間給制と固定給制の労働者の他の違いを考慮したあとでも変わりません。
つまり、時間とお金を交換可能なリソースと見なすことは、経済学的見地からは賢明でも、幸福の観点からは有害なのです。
運転に費やされる時間は幸福度を減らしますが、運動に費やされる時間は幸福度を高めます。
たとえ週に一度でも自転車通勤すると、幸福感を消耗させる通勤時間を、幸福感を生み出す身体的活動の時間に変えることができます。
先に支払って、あとで消費する
(「先に支払って、あとで消費する」方式)、あまりお金を使わなくても、もっとたくさんの幸福を買うことができるのです。
人間というのは順応性の高い生き物で、一度手に入れてしまうと、それが何であれすぐに飽きてしまう傾向があることが研究で示されています。
支払った金額から最大の幸福を得られるのは、どのような場合でしょうか?
・先送りによって、消費経験についてポジティブな期待がふくらむような魅力的な詳細を見つける機会が提供され、さらに待つ間のわくわくする気持ちがより大きくなるようなとき。
トリップアドバイザーとバーチボックスの例を思い出してください。
・未来の買い物について考えるとよだれが出るほど楽しみになり、最終的に消費した際の喜びが増すとき。
ハーシーのハグスチョコのことを思い出してください。
対照的に、オイル交換のような必需品の消費を遅らせることはおすすめしません。
・消費経験自体はかなり短時間で終わってしまうとき。
たとえば、宇宙旅行などの場合、消費を先送りすることで、経験そのものよりももっと多くの喜びを引き出すことができる貴重な機会が得られます。
人は遠い未来を抽象的にながめるとき、こんなことをしたらきっと素晴らしいだろうと考えます。
ところが、近い未来について考えるときには、実行可能かどうかに重点を置いてしまう傾向があります。
他人に投資する
従業員にモチベーションを与える最良の方法は自分のために使えるお金で報酬を与えることだという前提の下に成り立っています。
チャリティーや同僚に対する向社会的な行動のために使用できるボーナスを出すことは、新しく有益な代替的手段になるかもしれません。
面白かったポイント
おもしろかった。
ものより経験、時間を買う、自分のためより人のためにお金を使う、ことが幸福度を高めるというのは感覚的にも納得のいくことばかり。
お金の使い方を見直すいいきっかけになりました。
幸福度も費用対効果も高いのはやはり経験に投資することだと思う。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆