内容
中期計画の立案プロセスは、
①過去の販売実績、生産実績、財務成績のレビュー
②今後の新製品開発計画、マーケティング計画、販売計画
③市場開拓、販売拠点開拓、生産拠点選定と工場・倉庫建設計画
④販売計画に連動した生産計画と設備投資計画
⑤新製品開発に連動した新素材開発計画、サプライヤー開拓、アライアンス計画
などになります。各プロセスを連続的に立案していきます。
中期計画は戦略投資を明らかにするための計画であるため、品目単位の数量計画ではなく、せいぜい製品カテゴリーなどで集約された、金額ベースの概要計画になります。
年度計画の主なプロセスは、次の通りです。
①販売計画(需要予測:人的予測からマーケティング計画を統合して販売計画立案)
②在庫計画と生産計画(仕販在計画・生販在計画)
③操業度計画、設備能力計画、設備投資計画、人員計画、採用計画
④調達計画
短期計画である短期生産計画と資材所要量計算のプロセスとしては、「販売計画 ⇒内示取得 ⇒受注 ⇒仕販在計画 ⇒生販在計画 ⇒設備能力における制約のチェック ⇒人員能力における制約のチェック ⇒調達における制約のチェック ⇒計画調整 ⇒計画確定」となります。
プロジェクト型生産活動
個別受注生産の中でも特殊な例として、橋やプラントなどの長期的な建設・建築に関わる調達がある場合、工事の進行に関する施工計画に沿って調達がかかります。
こうした場合は、作業計画にひも付いたタイミングで定義された品目が調達されます。
こうした場合は、プロジェクト型の生産活動になるため、作業計画としてWBS(Work Breakdown Structure)を作成し、各作業タスクで必要な品目を展開して品目所要量を出していきます。
WBSとは作業展開です。
プロジェクト型の生産活動ではその都度、個別の作業展開を行います。
WBSと連携した所要量展開が必要です。
小日程計画の業務プロセスは、「製造指図取得 ⇒工程設備割り付け ⇒段取りの最適化 ⇒有限能力計画(代替設備選択、前倒し・後ろ倒し計画) ⇒計画調整」などです。
こうしたプロセスを経た後、時間ベースの設備ごとの製造順序計画が立案されます。
トレーサビリティ
トレーサビリティとは、製品に不具合があった際に、どの製品、どの作業指示に対し、不具合があったのかを遡って原因追及が確実にでき、かつ、問題製品がどの範囲まで出荷されたのかを確認し、販売や出荷の停止、回収を行えるようにする仕組みです。
重要保安部品などは、構成される部品1つひとつにシリアルナンバーが採番されていることがあります。
個別受注生産や受注生産で1台ずつ製造されるような製造形態であれば、作業指示ナンバーとシリアルナンバーが一意にひも付けされます。
しかし、一般的には複数の量産品の製造品の中にシリアルナンバーが打たれた部品が1つずつ組み付けられます。
製造指示ナンバー、ロットナンバー、シリアルナンバー、さらに出荷伝票ナンバー、出荷先ナンバー(顧客ナンバー)をひも付けて管理するには、製造指示ナンバー、ロットナンバー、シリアルナンバーまでMESで管理し、その後の出荷伝票ナンバーをWMSで、出荷先ナンバー(顧客ナンバー)を基幹システム側でひも付けし、連携した管理を実現します。
KPI
SCADAで可視化すべきデータ
設備の稼働情報
・稼働時間
・チョコ停回数
・停止時間と停止理由、理由ごとの故障回数
・修理/復旧時間・設備稼働率
・ショット数(金型ごと)
・回転トルク実績
・温度変化など、その他定義した稼働情報
BIで可視化すべき製造・工程管理の指標
BIでまず可視化すべきは、MESから収集するデータです。
また、SCADAから収集できるデータでBI化したいデータもあります。
製造・工程管理のデータとして、MESやSCADAからBIに引き渡して可視化したデータには次の「製造・工程管理の指標」などがあります。
◆BIで可視化すべきデータ
製造・工程管理の指標
[製造・工程情報(MESから)]
・出来高数量(設備ごと、工程・組織ごと、製造指図ごと、品目ごと、品目グループごと)
・仕損・不良数量、保留品数量(同上)
・在庫(原材料、仕掛品、製品)
・投入実績
・製造指示ごとの作業時間
・良品率
・標準加工時間対実績加工時間
・ミス回数(投入ミス、作業ミスなど)
・製造指図(製造指示)完了・未着手などの進捗ステータス
・指示対完了実績対比
・製造指示ごと(製造ロットナンバーごと)の製造条件
・製造実績ごとのロットトレース追跡など、その他定義した製造・工程情報
[設備稼働情報(PLC/SCADAから)]
・稼働率(設備別)
・稼働時間
・停止時間、停止理由
・チョコ停回数、チョコ停時間
BIで可視化すべき生産マネジメントの指標
生産管理部や工場マネジメント層が可視化する指標データは次の「生産マネジメントの指標」に記載したようなデータです。
製造・工程管理のデータよりも組織ごとや週ごと、月ごとなどのまとまった単位への集約・変換がされることが普通です。
工場経営上の分析・判断に使われるため、生産マネジメント上の指標として重要な管理指標(KPI)になっていることが多くあります。
生産マネジメントの指標
・良品率(工場 ⇒組織別 ⇒工程別 ⇒設備別/全品目 ⇒品目グループ別 ⇒品目別)
・良品稼働率(設備総合効率)
・日別出来高
・在庫数量/金額(原材料、仕掛品、製品)
・計画対生産実績数量
・人員数(工程ごと・シフトごと、日別、週別、月別)
・サプライヤー別納期遵守率(月別/発注別/品目別)
・自工場計画納期/出荷指示遵守率
・事故数(月別)
・クレーム数(月別)
・工場出荷高(工場売上げ・利益・原価)など、その他定義した生産マネジメント上必要な情報
BI
階層構造を定義して実績を収集し、分析可能にしておかないと、単なる指標監視だけになり、BIの意義がなくなっていきます。
階層構造は単純ではなく、製品軸、組織軸、工場軸、設備軸、担当者軸といった切り口があり、複雑な関連を持っていることもあります。
面白かったポイント
生産管理の概要レベルの内容がまとまっている。
これを読んでから各システムの詳細を学び、業務プロセスを学ぶと体系的な知識が得られると思う。
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目次
第1章 製造業に大きな変革の波が押し寄せている
第2章 生産管理とは何か?
第3章 生産管理業務と関連システム(1)生産マネジメント
第4章 生産管理業務と関連システム(2)製造・工程管理
第5章 生産管理業務と関連システム(3)原価管理
第6章 KPI管理と可視化システム
第7章 生産管理におけるビジネスとテクノロジーの潮流
第8章 生産管理システムを導入する成功のステップ