これまでに、チャートにトレンドラインや波動を引くことで、より精度高く相場の状況を読み解くことができることを解説してきました。
次に、現在の相場状況を見極めたうえで、今後どのような展開になる可能性が高いのか想定していかなければなりません。
次の為替レートの動きを想定する時の根拠の一つとして、とても有益なのがチャートパターンです。
チャートパターンとは、同じような為替レートの動き(波動の形)がよく現れます。
そのチャートパターンから、トレンドとレンジを見極めたり、仕掛けや手仕舞いの判断の目安に使えます。
レンジ相場ブレイクのチャートパターン
レンジ相場とは、高値と安値が動かない状態をいいます。
つまり、買い手と売り手の力のバランスが均衡している状態といえます。
レンジ相場のほかに、ボックス相場や持ち合い、横ばいなどと表現されます。
7~8割がレンジ相場です。
レンジ相場を形成している最中は、レンジ相場の上下変動を狙ったトレーダーなど多くの資金が流れ込みます。
そして、レンジ相場を抜ければ、買い手と売り手の均衡が崩れて、大きく動きトレンドが発生します。
レンジ相場は、トレンド途中の小休止です。
イメージとしては、小休止の間に為替レートが上下しながらトレーダーたちの上昇パワー・下落パワーが溜まりつづけ、買い手・売り手のどちらかが勝ったタイミングで、為替レートがレンジ相場を抜けてトレンドを発生させる感じです。
トレードプランとしては、レンジ相場の上下の動きに合わせてトレードして稼ぐのは、極めて難易度が高いと考えます。
やはり、レンジ相場をブレイクした後トレンドに乗ってトレードするのが一番稼ぐポイントです。
3つのチャートパターン
レンジ相場ブレイクを見極めるためのチャートパターンは大きく3つあります。
- レクタングル、フラッグ
- 三角持ち合い、ペナント
- ブロードニング
レクタングルとは、一定の値幅の範囲で上値と下値のラインを行ったり来たりしている形になります。
上値のレジスタンスライン、もしくは下値のサポートラインのどちらかを為替レートが突破したポイントがブレイクポイントになります。
フラッグともいいます。
三角持ち合いとは、レジスタンスラインとサポートラインが三角形を描くように徐々に近づく形になります。
同様に、上値のレジスタンスライン、もしくは下値のサポートラインのどちらかを為替レートが突破したポイントがブレイクポイントになります。
ペナントともいいます。
ブロードニングとは、三角持ち合いの逆で為替レートの振れ幅が徐々に大きくなり、レジスタンスラインとサポートラインが広がる形になります。
同様に、上値のレジスタンスライン、もしくは下値のサポートラインのどちらかを為替レートが突破したポイントがブレイクポイントになります。
トレンド転換を示唆するチャートパターン
トレンド転換を見極めるためのチャートパターンは大きく3つあります。
- ヘッドアンドショルダー
- ダブルトップ
- ダブルボトム
強力なチャートパタン、ヘッドアンドショルダー
ヘッドアンドショルダーは、上昇トレンドから下落トレンドに転換するパターンになります。
名前の通り頭と両肩をイメージする3つの山を作ります。
これは絶好の戻り売りを狙えるパターンです。
ヘッドアンドショルダーでの戻り売りのタイミング
ヘッドアンドショルダーができるまでを解説します。
- まず、右肩上がりに上昇トレンドを作ります。
- そして、その上昇トレンドのサポートラインをブレイクします。
- ブレイク前の山が頭になり、その前の山が左肩になるイメージです。
- ブレイクした後に下落し、もう一度上昇しますが頭を超えて上昇することなく、再度下落します。
- この時にできた山が右肩になります。
- 左肩と頭の間の下値と頭と右肩の間の下値を結んだ線をネックラインといいます。
- 右肩を作った後に下落し、ネックラインをブレイクします。
- ここでヘッドアンドショルダーが完成し、上値切り下げ、下値切り下げの下落トレンドになります。
- そして、ネックラインに達したところが絶好の戻り売りポイントになります。
もちろんこのようにきれいな形になることはありませんが、ヘッドアンドショルダーの形になっていないか常に意識して探すようにしましょう。
逆ヘッドアンドショルダーでの押し目買いのタイミング
逆パターンの逆ヘッドアンドショルダーは、下落トレンドから上昇トレンドに転換するパターンになります。
逆ヘッドアンドショルダーは、押し目買いの絶好のポイントです。
逆ヘッドアンドショルダーができるまでを解説します。
- まず、右肩下がりに下落トレンドを作ります。
- そして、その下落トレンドのレジスタンスラインをブレイクします。
- ブレイク前の谷が頭になり、その前の谷が左肩になるイメージです。
- ブレイクした後に上昇し、もう一度下落しますが頭を超えて下落することなく、再度上昇します。
- この時にできた谷が右肩になります。
- 左肩と頭の間の上値と頭と右肩の間の上値を結んだ線をネックラインといいます。
- 右肩を作った後に上昇し、ネックラインをブレイクします。
- ここでヘッドアンドショルダーが完成し、上値切り上げ、下値切り上げの上昇トレンドになります。
- そして、ネックラインに達したところが絶好の押し目買いポイントになります。
ダブルトップ
ダブルトップは上昇トレンドから下落トレンドに転換するパターンになります。
ダブルトップは名前の通り、高値圏で2つの山を形成するパターンです。
このパターンが現れると、大きく値下がりする可能性があるので戻り売りのチャンスになります。
ダブルトップでの戻り売りのタイミング
ダブルトップができるまでを解説します。
- まず、上昇トレンドの勢いがなくなり、高値を更新しなくなります。
- この時に高値圏で2つの山ができます。これがダブルトップです。
- 2つの山の間の下値に引いたラインがネックラインになります。
- 2つ目の山を作った後、ネックラインをブレイクして下落します。
- ここで、上値は切り上げず、下値は切り下げで下落トレンドになります。
- ブレイクした後にネックラインに達したところが絶好の戻り売りポイントになります。
ダブルボトム
ダブルボトムは下落トレンドから上昇トレンドに転換するパターンになります。
逆パターンのダブルボトムは、2つの谷を形成するパターンです。
絶好の押し目買いポイントになります。
ダブルボトムでの押し目買いのタイミング
ダブルボトムができるまでを解説します。
- まず、下落トレンドの勢いがなくなり、安値を更新しなくなります。
- この時に安値圏で2つの谷ができます。これがダブルボトムです。
- 2つの谷の間の上値に引いたラインがネックラインになります。
- 2つ目の谷を作った後、ネックラインをブレイクして上昇します。
- ここで、上値は切り上げ、下値は切り下げない上昇トレンドになります。
- ブレイクした後にネックラインに達したところが絶好の押し目買いポイントになります。
トリプルトップ、トリプルボトム
トリプルトップ、トリプルボトムは、その名前の通り、山や谷が3つできるパターンです。
トリプルトップは、上昇トレンドから下落トレンドに転換するパターンになります。
3つの山を形成した後、ネックラインをブレイクしてからの戻り売りが絶好のポイントになります。
トリプルボトムは、下落トレンドから上昇トレンドに転換するパターンになります。
3つの谷を形成した後、ネックラインをブレイクしてからの押し目買いが絶好のポイントになります。
ソーサートップ、ソーサーボトム
ソーサーとは、コーヒーカップの下に置かれる受け皿のことです。
受け皿の形なので、これまでの勢いが弱まり横ばいのような形になるのが特徴です。
ソーサートップは、上昇トレンドから下落トレンドに転換するパターンになります。
上昇の勢いが止まり、ソーサーのようにしばらく横ばいになります。
横ばいで推移している時のサポートラインがネックラインになります。
そして、ネックラインをブレイクして下落した後に、上昇してネックラインに達したポイントが戻り売りのチャンスです。
ソーサーボトムは、下落トレンドから上昇トレンドに転換するパターンになります。
下落の勢いが止まり、ソーサーのようにしばらく横ばいになります。
横ばいで推移している時のレジスタンスラインがネックラインになります。
そして、ネックラインをブレイクして上昇した後に、下落してネックラインに達したポイントが押し目買いのチャンスです。
チャートパターンを見極めトレードの勝率を上げるポイント
いろんなチャートパターンを解説してきましたが、実際のチャートではこのようなきれいにはチャートパターンは出ません。
変形しすぎて山や谷の形が認識できないかもしれません。
チャートパターンを認識する能力を上げるには、多くのチャートを見ることが大切です。
そして、前回説明した波動を引くこともチャートパターンの認識をする上で役に立ちます。
チャートパターンを見極めトレードの勝率を上げるためには、ネックラインの見極めが必要です。
ネックラインの引き方は、人によってさまざまです。
多くのラインを引くことで精度を上げていきましょう。
これまで戻り売りや押し目買いのポイントを解説してきたように、ネックラインをブレイクした時に仕掛けるのではなく、ブレイクした後の戻りで仕掛けるのが勝率を上げるトレードの鉄則になります。
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