YouTubeを見ている人なら講演家の鴨頭嘉人さんを知ってる人も多いのではないでしょうか。
とにかく熱い講演をしている広告がバンバン表示されるというイメージだと思います。
また、ホリエモン万博のVIPチケットを500万円で購入したことも話題になりました。
そんな鴨頭嘉人さんのビジネスモデルを外側から分析してみました。
鴨頭嘉人さんのプロフィール
- ビジネスYouTuberでYouTube講演家、チャンネル登録者数は100万人を突破
- 元マクドナルドでアルバイトから正社員に、最優秀店長として表彰、全世界でも表彰される
- 4社の経営(ネットショップ、出版社、クラウドファンディングなど)
- NPO法人1社の経営
- オンラインサロンも運営
とバリバリのビジネスマンです。
3C分析
Customer
鴨頭嘉人さんのビジネスの顧客は、法人と個人です。
主に、経営者や起業家、マネジメント層など、ビジネスの一線で活躍されている方が対象です。
あとは、講演やスピーチを学びに来る個人の方もいるでしょう。
Competitor
YouTube講演家としては、競合はビジネス系YouTuberになります。
ただし、視聴者の対象がマネジメントそうなので、競合はほとんどいません。
講演や企業研修の場合、他の講演家や企業研修スクールが競合になります。
マネジメント分野は、ビジネススクールなどが競合になります。
講演やスピーチのスクールは、元アナウンサーなどが講師の話し方教室が競合になります。
Company
- YouTube講演家として、圧倒的No.1のポジション
- 熱い講演
- マクドナルドでのマネジメントの実績
- Webマーケティングをフル活用
ビジネスYouTubeという市場ができる前からYouTubeに参入し、自ら市場を作った感じです。
そして、内容はとにかく熱い!
マス向けではありませんが、熱狂的なファンを獲得できるスタイルです。
マクドナルドでのマネジメント経験も大きな強みです。
オペレーションの仕組み化、大量のアルバイトを採用・マネジメントするノウハウは強みです。
コンテンツの相性が良いYouTubeが突出していますが、ツイッターやインスタグラムなどのSNS、LINE@やメルマガ、そしてブログと、Webマーケティングをフル活用しています。
それぞれのメディア単体で見れば、まだまだ改善の余地はありますが、露出は十分です。
鴨頭嘉人さんのSTP分析
Segmentation
- 30~40代
- 男性
- 経営者、ビジネスマン
いわゆるガチのビジネスマンです。
Targeting
- 経営者・起業家
- マネジメント層
- プレゼンテーションスキルを高めたい、講演家になりたい個人
組織作り、人材育成などを学びたいマネジメント層と講演やスピーチを学びたいエグゼクティブや個人が顧客ターゲットになります。
Positioning
- 講演家
- マネジメント
マネジメントは、
- 小売
- マネージメント/リーダーシップ/企業経営/組織人材
- サービス/営業/顧客満足
が専門分野です。
マクドナルドの経験とYouTubeでの講演を組み合わせたマネジメント向けコンテンツを発信している経験と実績と実力を兼ね備えたポジションを築いています。
鴨頭嘉人さんの4P分析
Product・Price
鴨頭嘉人さんのビジネスの商品やサービスは、
- 講演
- 研修
- コンサル
- オンラインサロン
- 各種スクール
- YouTube
になります。
経営者向けの高単価教育サービスがメインです。
講演
講演は、
- 300万円(税別)
- 交通宿泊費
ジャンルは、
- サービス
- マネージメント
- リーダーシップ
- 企業経営
- 営業
- 小売
- 組織人材
- 顧客満足
など、経営よりの内容です。
研修
研修は、150分以上の研修が
- 340万円(税別)
- 交通宿泊費
300分以上の研修が、
- 380万円(税別)〜応相談
- 交通宿泊費
スピーチコンサル
スピーチコンサルは、
- エグゼクティブ向け
- 1回3時間75万円
- 6時間200万
オンラインサロン
オンラインサロンは、2つ運営しています。
Team Kamogashira Japan
- 情報共有コミュニティ
- 月3,000円
- 参加人数非公開
鴨Biz
- ビジネスオンラインサロン(ビジネス構築、セールス、マーケティング)
- ターゲットは、起業準備やビジネスマン
- 月1回限定ライブ
- 月額20,000円(税込)
- 参加人数非公開
スクール
スクールは多くのラインナップがあります。
鴨塾
- 受講料300,000円
- 全5回の講演
- リーダーシップ
- ターゲットは40、50代、男性、経営者
話し方の学校
入学体験講座
- 7,000円
ベーシックコース
- 受講料275,000円(税込)
- 入学金55,000円(税込)
オンライン受講
- 受講料220,000円(税込)
- 入学金55,000円(税込)
ビジネスYouTuberの学校
- 600,000円+税
究極のあがり症克服
- DVD&CD
- 16,200円(税込)
WEBセミナー講師養成講座
- 約210分のセミナー
- 24,000円
YouTube
- チャンネル登録者数100万以上(2020年1月に突破)
- 現在は、登録者数は非表示
- 平均再生回数は、5~10万回
- 動画の長さは、5~15分、たまに1時間以上の動画
で、トップのYouTube講演家です。
noxinfluencerのツールで見ると、Youtube Adsenseの推定収益(月間)は、125.53万円-397.54万円です。
十分な収益があります。
コンテンツは、
- 講演内容をそのまま出す
- 自己啓発
がメインテーマです。
コラボは、
- N国党立花さん
- ホリエモン
- 中田敦彦
など、YouTubeで話題の方としています。
概要欄には、
- オンラインサロン
- アプリ
- LINE登録
- 無料メールマガジン
- インスタ
- 関連動画
がしっかり配置されています。
Place・Promotion
鴨頭さんのビジネスは、ネットをフル活用しています。
YouTube
- ホリエモンVIP500万円購入
- 収益をすべて広告に投入
- 11万フォロワー
- bot運用
個人的は、鴨頭さんのフレーズ「せーーーーーーーーーーの!!」というbot投稿に対して、多くの人が「いいね!」とリプしているのが笑いました。
「いいね!」は、SNS向きのいいフレーズだと感心しました。
インスタ
- 3万フォロワー
- プライベートな写真がメイン
TikTok
- 8万フォロワー
- 講演の一部分を切り取り
LINE@
- キャンペーン情報
- アイテム情報
メルマガ
- 音声セミナープレゼント
- キャンペーン情報
- アイテム情報
ブログ
- YouTubeの内容を書き起こし
公式アプリ
- 情報配信
- YouTube動画の配信
- セミナー情報
- クーポン情報
このように、ありとあらゆるプラットフォームで情報発信をしていて、広告も運用しています。
ネットビジネスの教科書的事例と言っていいでしょう。
鴨頭嘉人さんのビジネスモデルキャンバス
鴨頭嘉人さんのビジネスモデルをビジネスモデルキャンバスを使って分析します。
顧客セグメント(CS)
鴨頭嘉人さんのビジネスモデルは誰を対象にビジネスをしているのかというとSTP分析から、
- 経営者
- 起業家
- マネジメント層
が顧客セグメントになります。
チャネル(CH)
どういう経路で顧客に価値を提供しているのかというと、
- YouTube
- インスタ
- TikTok
- ブログ
と、ネットをフル活用しています。
リアルだと、講演を聞きに来た人でしょうか。
あとは、書店で知る機会があると思います。
顧客との関係(CR)
顧客とどのような関係を築いているのかというと、
- あらゆるネット媒体で一方的な情報発信
- オンラインサロンメンバーとのコミュニケーション
になります。
特に、YouTubeのライブ配信もしておらず、コメント欄もリアクションしていないし、他のSNSでも返信はしていないので、一般のユーザとのコミュニケーションはしていません。
オンラインサロンメンバー内でのコミュニケーションに閉じているのでしょう。
収入の流れ(RS)
- 講演、研修、コンサル
- オンラインサロン
- スクール、教材
- YouTube広告収入
と収入は多様化しています。
講演や研修、スクール教材、オンラインサロンは、高単価で高利益率な商品やサービスなので、かなり安定した収益基盤だと思われます。
提供価値(VP)
鴨頭嘉人さんのビジネスが顧客にどのような価値を提供できるのか。
- スピーチ
- マネジメント
- 熱量
とマネジメントですね。
スピーチはこれまで経験と実績、マネジメントはマクドナルドの経験、この2つを組み合わせて圧倒的な熱量で伝えることが、鴨頭さんのビジネスの肝ですね。
ノウハウは、もしかしたら一般的なものと大差ないのかもしれませんが、熱量は他とは明らかに違います。
人生をよりよくするために、行動する後押しをするのが、このビジネスの提供価値と言えるでしょう。
キーアクティビティ(KA)
鴨頭さんのビジネスは、人生をより良くするために熱く発信する、この一点です。
キーリソース(KR)
ビジネスをする上で必要な資源はヒト、モノ、カネ、情報の4つです。
ヒトは、鴨頭嘉人さん一人です。
他の人には代替できない圧倒的に熱いキャラクターです。
モノは、特に必要ありません。
カネは、利益率が高いビジネスなので、十分な収益があります。
収益は影響力を高めるための活動や広告につぎ込むことができます。
情報は、このビジネス価値の源泉です。
動画のコンテンツを見ても、新しい内容はありませんが、普遍的な自己啓発にこれまでの豊富な経験を組み合わせているのが特徴です。
熱量が欲しいから鴨頭さんの動画を見るという人が多いでしょう。
キーパートナー(KP)
ビジネスを行う上でのパートナーは、プラットフォームの
- YouTube
くらいでしょうか。
出版も講演も自社で運営されていると思われます。
コスト構造(CS)
コスト構造は、
- スタッフの人件費(動画編集やWeb運営スタッフ、講演会スタッフなど)
- 広告宣伝費(YouTube、SNSなど)
くらいです。
情報発信業なので、他業種に比べるとかなり粗利率の高いビジネスです。
YouTubeの収益は、すべてYouTube広告に投入しているようです。
鴨頭嘉人さんのビジネスから学ぶべき点
YouTubeにフルコミット
鴨頭さんのビジネスのYouTubeへのコミットがスゴイ。
YouTubeは2019年ごろからビジネス系YouTuberというのが出てきましたが、まだまだ子供や学生がメイン視聴者のメディアです。
鴨頭さんのビジネスは、経営者層にマネジメントとスピーチをトレーニングするという非常にニッチな領域です。
そんなYouTubeに経営者向けのコンテンツで早くから参入しているのがスゴイ。
通常はオープンにしない講演内容をフルオープンした戦略もスゴイ。
また、結果が出るまでやり続けています。
なによりもYouTube広告で一気に露出を高めました。
そして、100万人登録を達成してからのホリエモンとのコラボです。
すばらしい認知度アップの戦略です。
このコンテンツでチャンネル登録者数100万人はすごすぎるといっていいでしょう。
しかし、チャンネル登録者数は話題にはなりますが、本質的なKPIではありません。
動画としては再生時間、ビジネスとしては商品やサービスの購入にどれだけ貢献していることが重要です。
今は、100万人登録者数の割りに再生回数がかなり低いので、エンゲージメント率が低い状態です。
認知度は十分高まったので、今後はいかに動画の再生時間を増やすのかがカギになります。
Webマーケティングをフル活用
YouTubeだけでもすごいんですが、ネットフル活用度がすごいです。
情報発信の
- YouTube
- インスタ
- TikTok
- ブログ
顧客育成の
- LINE@
- メルマガ
- アプリ
と、フルラインナップで揃えています。
個々のプラットフォームの活用度と全体的な導線設計は改善の余地がありますが、ネットビジネスの参考事例にするべきです。
マネタイズは高額&月額課金
鴨頭嘉人さんのビジネスモデルは、かなり強固です。
ポイントは、
- 高額サービス
- 高利益率
- サブスクリプション
です。
まず、ターゲットが経営者層、サービスはトレーニングなので、価格は高価格帯になります。
また、在庫が不要で原価も小さいので、高い利益率になります。
サブスクリプションモデルのオンラインサロンも経営の安定に貢献しています。
オンラインサロンは、2種類用意されています。
- 月額3,000円のコミュニティ
- 月額20,000円のビジネスコミュニティ
経営者だけではなく、YouTubeから集客した比較的ライトな層も取り込める仕掛けがしっかりされています。
YouTube+高額商品+月額課金と最強のビジネスモデルを構築されています。