ネットショップを開設したら、売上を上げるための仕組みを作り上げていきましょう。
ただし、やみくもに取り組んでいてもどの施策が売上アップに効果があって、どの施策が効果がないのかよく分かりません。
そこで、売上の要素を分解し、その要素の数字を上げるために施策を打つことが重要です。
売上を上げる要素は、
売上金額 = 訪問者数 × 購入率 × 購入単価
に分解することができます。
売上目標を分解することで、売上アップをするためには何をしなければならないのかが具体的になります。
たとえば、客単価5,000円の商品を販売しているネットショップだとします。
一般的に、ネットショップの購入率は1%だといわれています。
売上目標を月100万円だとすると、必要な訪問者数は、
100万円÷5,000円÷1%=2万人
必要になるということです。
1日に約666人を集客することが目標となります。
このように売上を上げるためには、
- 訪問者数を増やし、
- 購入率を上げ、
- 購入単価を上げる
ことが必要になります。
これらの数字をモニタリングして、弱い部分を見つけて改善していきましょう。
これらの要素は足し算ではなく掛け算なので、すべての要素をまんべんなくコツコツ改善することで、驚くような売上をアップすることができるでしょう。
訪問者数を増やす方法
まずは、ネットショップに訪問する人の数を増やさないことには始まりません。
重要なポイントは、
- 市場を分析し、ターゲットを明確にする
- ターゲットにふさわしい集客方法
です。
市場分析、ターゲット設定は、まさにマーケティングの基本です。
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購入率を上げる方法
次は訪問していただいたお客さんに購入していただかなければいけません。
購入したくなる仕掛けとしては次の4つの視点で考えます。
- 商品
- 価格
- 販促
- 導線
です。
商品
商品の品揃えは重要です。
商品が一つしかないお店は専門店として認知されるかもしれませんが、売れるかどうか分からない商品1本に絞るのはかなり勇気が要ることです。
多くの商品ラインナップを用意することで、お客さんが求める商品というのが分かってきます。
売れるネットショップは、マーケットインです。
マーケットインとは、お客さんが求めているものを提供することです。
反対にプロダクトアウトというのは、提供者がやりたい、いいと思ったものを出すことです。
自分が欲しいと思ったモノやサービスが世の中に受け入れられるとは限りません。
世の中が求められているかどうか、出してみないと分からないということがよくあります。
なので、商品の品揃えを増やして、マーケットでテストすることが必要なのです。
一番ダメなのは、商品ラインナップを増やしたはいいけれど、どれも中途半端な商品になってしまうことです。
すべての商品が専門店として出してもやっていけるくらい品質を磨きあげましょう。
また、プロダクトアウトのネットショップがダメというわけでもありません。
こだわりの商品をニッチなマーケットに出すことも、低コストで運営できるネットショップの魅力でもあります。
テストをすると売れ筋というのが見えてきます。
それをしっかり訪問してきたお客さんにトップページなど目立つところでアピールすることが大切です。
このお店の人気商品やおすすめ商品を紹介することが購入率を上げるポイントになります。
価格
価格は、購入を後押しする重要な要素です。
- セール
- クーポン
- ポイント
のようなお得になる施策は購入率を上げるための強力な方法です。
価格が安くなる施策は強力な方法である反面、ブランドイメージを下げることにもつながるので注意が必要です。
年中閉店セールをやっているお店が話題になりましたが、セールをやり過ぎると安いお店と認識されるので、いいお客さんが離れたり、ネットショップの利益率の低下につながり、最終的に衰退してしまう原因にもなります。
セールの頻度、タイミング、意味付けなどを考慮し、できるだけブランド価値を落とさず、売上を最大化する運用にしましょう。
クーポンやポイントは、リピートにつなげることができます。
会員登録をしてもらうことで、長期的な関係を築き、定期的に購入してもらうことが重要です。
販促
販促は、商品やサービスの魅力を伝え、購入のきっかけを作る活動です。
認知度を上げるために、広告を打ったり、プレゼントキャンペーンするのも販促活動の一つで、先ほど説明したWebマーケティングを活用して訪問者数を増やす方法と同じです。
リピートにつなげるクーポンやポイントも販促の一つです。
購入に繋がる販促施策としては、
- サンプルの提供
- お試しセット
- まとめ買いキャンペーン
- 販売イベントの開催
などが考えられます。
導線
最後に導線ですが、ネットショップにおいては購入率を左右する重要なポイントになります。
導線とは、ユーザーがサイトを閲覧する経路になります。
コンビニやスーパーも導線が考慮されています。
買い物客がお店の入り口から入ってどういう経路で店内を回るのか想定して、店舗のレイアウトや商品の配置を設計しています。
ネットショップの場合、
- ショップの全体像が把握しづらい
- 簡単に離脱することができる
ので、導線設計は非常に重要です。
導線設計する時のポイントは、
- ナビゲーション
- ボタン、リンク
- 情報
です。
ナビゲーションは、訪問者が知りたい情報や商品が簡単に見つかるような設計をしましょう。
- 商品を検索できるようにする
- いろいろな切り口で商品カテゴリを用意する
- 商品点数が多い場合、お気に入りボタンを用意し後で検討できるようにする
などを考慮する必要があります。
ボタンやリンクは、行動を促す文言と目立つ色に気を付けましょう。
情報は、必要なところに必要最低限の情報を記載することが基本です。
- 人気の商品やお得な商品を目立つところに表示する
- 商品比較情報を掲載する
- 決済方法や送料、お届け日数が分かりやすい
- 送料無料になるまでの金額が表示される
- 問い合わせ先にすぐにアクセスできる
- LINEやチャットボットなど問い合わせ方法を用意する
導線設計の目的は、お客さんがサイトを訪問し、商品を探し、比較し、購入する流れがストレスなく、スムーズになるように、阻害要因を取り除くことが必要です。
購入単価を上げる
購入単価を上げるポイントは、
- アップセル
- クロスセル
です。
アップセルとは、単価の高い上位モデルを用意することです。
クロスセルとは、関連商品やセット商品、まとめ買いなど、購入点数を増やすことです。
いずれにしても、前に説明した商品の品揃えがないといけません。
成功するために必要な事
売上を上げる要素は、
売上金額 = 訪問者数 × 購入率 × 購入単価
に分解し、それぞれの数字を上げるための施策についてご紹介してきました。
とにかくやることは多いです。
逆に言うと、すべてを体系的に取り組んでいるネットショップは少ないということです。
一つひとつ、改善を積み重ね続けることで、後発でスタートしたネットショップがいつのまにかライバルを追い抜くということも珍しくありません。
世の中の成功しているネットショップは数字を上げるためにやるべき施策は全部やっています。
施策をいろいろご紹介しましたが、業種や規模、お客さんの層によって効く施策と効かない施策があります。
ポイントは、とにかくやってみて、検証して、改善する、効果がなければ止める、ということをひたすら繰り返すことです。
地道で終わりのない作業ですが、この作業の量があなた自身のノウハウとなるのです。