内容
どこでも誰とでも働ける
- どんな職場で働いたとしても、周囲から評価される人材になる
- 世界中のどこでも、好きな場所にいながら、気の合う人と巡り会って働ける
世界がインターネット化することによる影響は無数にありますが、個人の働き方は、多くの人や企業と対等(フラット)の関係でつながり(リンク)、知識や成果を分け合う(シェア)形に進むことになるでしょう。
自分からギブ
もしあなたが新しい職場に馴染みにくいと感じるとしたら、それは自分で勝手に「壁」をつくっているだけではないでしょうか。
その「壁」を壊すのは簡単です。
ひたすら相手のためになることをギブし続けること。
自分を成長させるギブの「わらしべ長者」は、直接的な見返り(金銭)を求めないことがうまくいくコツです。
直接的な見返りがなくても、もっと大きな見返り(経験、スキル、人望、ブランド)を手に入れることができるのです。
知識
自分のもつ知識をオープンにすると、「旗を立てる」という効果もあります。
他の人からも信頼されるから、圧倒的に得なのです。
アカデミックな論文を対象にしたグーグルスカラーもよく使います。
マーケティングや組織論、意思決定に影響を与える心理的バイアスなど、ビジネス関連の論文がすごく増えているので、なぜみんな論文を読まないのか不思議なくらいです。
プロフェッショナル
自分で自分を律して成果を出し、それを相手にしっかり説明して、相手がそれを評価してくれること。
この3つを行うことができれば、どんな職種であれ「プロ」と名乗ることができます。
そして、ネットで自分の考え方ややったことをプロフェス(公言)していくと、信頼がたまっていきます。
連続専門家
専門家ですら、1つのことを掘り下げるだけでは食べられなくなってきて、次々と新しい分野を掘り下げる「連続専門家」になる必要があるのです。
ずっと同じ会社にいるだけでは1つの矢(専門技術)しか磨けないとすると、第2の矢、第3の矢は、会社の外でいろいろと試して、磨いていくしかありません。
転職するのも1つの手ですが、失敗しても影響が小さい副業やボランティアでまず試すというやり方もあります。
この場合、副業やボランティアは、自分の幅を広げるポートフォリオという位置づけです。
どの矢が次の世の中で流行るかは、誰にもわかりません。
そうした不確実な状況では、ランダムに試行する回数を増やすしかありません。
プロフェッショナルの考え方
自分がいただいた給料の10倍以上の利益を返して、はじめてスタート地点
新しい職場では、まず誰もが手をつけたがらない汚れ仕事を黙々とやり、汚れを剥ぎ取ることで成果を出す
上の人には認められていないが、実は価値を出されている方々を見い出し、彼らの言葉を引き出して、上に通じるように彼らの価値を翻訳、接続する
今の時代に合わせてプロフェッショナルの条件を付け加えるなら、自分の名前で生きる勇気を持つ。
アカウンタビリティというのは、相手の方次第で決まるからです。
自分の都合ではなく、受け取る人に合わせてストーリーを作らないと、説明責任を果たしたことになりません。
ROIを意識するということは、高いクオリティのアウトプットを出すために最適な組み合わせを常に考えるということです。
お客様がビックリしすぎて鼻血を出すくらい、すごいアウトプットを出そうということです。
クライアントの期待をいい意味で裏切って、どこかでワッと驚かさないと、リピートしていただけません。
ポイントは、相手の期待値を必要以上に上げ過ぎないこと。
お客様の期待値と実際の体験の「落差」が大きいほど、驚きは大きく、満足度も高くなります。
プロフェッショナルな仕事
- スキル
- エクスパティーズ
- ネットワーク
の3つに分解されます。
スキル以上に大事なのは、その業界、そのプロダクトやサービスについての専門知識です。
これをエクスパティーズと呼びます。
ネットワークは人の縁です。
自分だけではできないことを実現しようと思った時に、誰に声をかけるかで、アウトプットの質はまったく変わります。
誰もが認めるその道のプロに頼むことができれば、あなた自身の価値も高まります。
ソーシャルなつながりで大事なのは、つねに「自分」の情報の更新、つまり自己紹介を続けることだと思っています。
誰かと仲良くなるための条件は
- マイクロインタレスト
- 自己開示
- コミットメント
マイクロインタレストとは「自分だけのこだわり」のことで、細分化された興味・関心の対象です。
自己開示というのは、自分の弱みをさらけ出せるかどうかで、この3つの中で一番大事な能力です。
相手の話を引き出すには、まず自分の手の内を見せること。
なかでも、自分の欠点や失敗談を先にオープンにすれば、相手の警戒心を解くことができます。
要するに愛嬌があるということです。
コミットメントは、結果を客観的な数字で受け止め、そこから逃げない。
うまくいかなかったときに、誰かのせいにして逃げを打つ人は信頼されませんが、最後まで自分の責任でやり遂げる人は信頼され、好かれます。
グーグルの価値観
「自分本位でなく未来志向で、自分だけで囲い込まずに他人にギブできて、まわりの人たちを引っ張りながらもその人たちの個性を大事にする」
純粋想起
「何々」と言ったら「〇〇さん」という純粋想起を取ることができれば、鬼に金棒です。
純粋想起の最高の形は、検索のことを「ググる」と言うように、動詞になることです。
会議運営
振り返り会議
- 今日、こういう議題が出たけど、次はこんなことを仕掛けた方がいいよね
- こうしたほうがよかったよね
といったことをまとめておきます。
事前会議
- 前回きめておいた仕込みはできた?
- ここまでは今回取り上げて、ここからは次回に持ち越そう
といったことを確認する。
会議
会議の最後に、メンバー全員に感想を述べてもらうチェックアウトの時間を設けていました。
- 今日の会議でいちばんよかったこと
- それを次にどう生かすか
をその場で全員に宣言させるわけです。
目的は、メンバーが会議を「自分事化」していくことにありました。
嫌いな上司
ゲームとして楽しむ気になれば、自分に対する否定的な意見は、意外と気にならないものです。
ラスボス的な上司がいたとしても、2、3年のことがほとんどです。
今の会社、目の前の上司の評価が絶対だと思ってしまいがちですが、会社を一歩出れば、そこにはまったく別の世界が広がっています。
1つの評価に依存しないためには、評価軸をたくさんもつことです。
直属の上司や職場の同僚、隣の部署のマネージャー、社内横断プロジェクトで関わったリーダー、取引先やお客様、社外勉強会で出会った異業種の人たち、転職先として考えている会社、ボランティアで参加した組織。
相手が違えば、あなたの評価も変わります。
転職
転職するかどうかにかかわらず、ずっと転職サイトに登録して、外から見た自分の評価を更新し続けています。
自分の価値を知るには、労働市場に身を置いてみるのがいちばんです。
会社と個人はあくまで対等(フラット)で、お互いにメリットを提供し合う(シェア)関係なのです。
副業
自分がすでにもっているスキルを細分化して、そのうちいちばん高く売れるものだけを換金する。
自分が必要とされる場で、必要とされるスキルを使って貢献する快感をいったん味わうとクセになります。
手段としての転職
「この会社で自分のスキルや知識、人脈、外向きの肩書を手に入れたい」という手段としての転職があってもいい。
失敗してもいくらでも取り返しがつく時代だから、転職に対するハードルは下がっています。
何か1つのことをじっくり究めるよりも、まずはたくさん手を打ってみて、その中で最適化を図った方が、結果として正解に速くたどり着くというのは、仕事選びにも当てはまります。
その意味でも、自分のキャリアを考えるうえで、「手段としての転職」という視点もぜひもってみてください。
いま日本では、企業向けのトレーニング市場がものすごく伸びています。
個人として生きる道を模索しながらも「会社がトレーニングにお金をかけてくれるなら、組織に残った方が得」という考え方も成り立ちます。
何らかの理由で、会社から「投資に値する人間だ」「もっと成長させたほうがいい」と思われる人間になれば、会社のお金で成長させてもらえる可能性は格段に高まります。
キャリアパス
異動・転職では、「業界」「職種」を交互にスライドさせてみる。
自分の業界知識もしくはスキルを生かしてアウトプットしつつ、新しいスキルもしくは業界の知識をインプットできます。
理想的なのは、この2つの転職を繰り返しながら、自分の知識とスキルを広げていくことです。
大きい会社と小さい会社を交互に経験する方法もある。
まず比較的大きな会社で人的ネットワークをつくり、金額のそこそこ大きなプロジェクトを担当した後、その経験をもって小さな会社に転職すると、たいてい肩書は上がります。
辞めた後も情報をギブし続けていれば、相手のためにもなるし、それが回り回って自分にも返ってくる。
辞めた後の人間関係のアフターフォローは大切です。
すでに自社のやり方を知っていて、他社のやり方や知識を身につけてひと回り成長した人間が戻ってきたら、即戦力以上の働きが期待できると考えるほうが自然です。
いかに人生の中で「ライフワーク」の割合を増やしていくかという「ライフワーク・バランス」の考え方です。
「ライフワーク」だけで食べていけないのであれば、自分の時間の何割を「ライスワーク」に割いて、何割を「ライフワーク」のために使うのかというポートフォリオマネジメントが大事になってきます。
場所
自分の強みをつくったり、自分を成長させたりするときに、いちばん簡単なのは、何かが始まる場所にいることです。
人間の成長は「刺激×フィードバック」で決まる。
いちばん手っ取り早いのは、業界がこれから大きく成長する「始まりの場所」にいることです。
毎年PwCやKPMG、野村総研が発表しているメガトレンドの資料を読みこなしつつ、世界中をめぐりながら、現状ではどうなっているかをていねいに観察しています。
調査会社のガートナーがつくる「ハイプ・サイクル」も必見です。
未来予測の資料を読むコツは、最新版を読むときに、1年前と3年前のものを同時にチェックすることです。
何かクールなことをやりたければ、誰も思いつかないようなラショネールを考えるのが秘訣です。
みんながやってはいけないと思い、やろうともしないことを、別の角度から見ると、うまく説明できる。
何度もトライできる時代だからこそ、みんなと同じゲームで戦うよりも、みんなと違うゲームに行った方が、競争は少ない。
AI時代に通用する働き方
すでに認識されている問題を解決する部分は、どんどんAIが代行していくはずです。
しかし、問題やボトルネックを見つけるのは、人間にしかできません。
楽天
グーグル検索のように目的に一発でたどり着くことが必ずしもいいわけではなく、迷うことそのものがエンターテイメントになる。
楽天の店長のように自分の好きを貫いて、他人と違うことをとことん追求すれば、それは「あなただけの個性」になります。
それこそ、あなたがAI以降の時代にすべき仕事なのです。
先生
先生の仕事は、生徒を勇気づけたり、仲をうまく取り持ったり、この人みたいになりたいというモデルを提供したりするのは、人間の教師にしかできません。
それ以外の部分をテクノロジーによって代替してあげれば、教師の負担が軽減され、一人ひとりの生徒と向き合う時間を捻出できるということです。
自分の「好き」を市場にさらして、価値を見極める。
その「好き」が世の中に対してどれくらいの力を持つのか、見極める必要があるのです。
三木谷曲線
努力と仕事の結果は比例関係ではありません。
最初のうちは、いくら努力してもなかなか結果に結びつかない。
他の人も同じような努力をしていて差が付きにくいからです。
ところが、諦めずに努力を続けると、あるレベルを超えた瞬間、急激に伸びます。
たいていの人は、そこまで努力できません。
99.5%努力して、諦めてしまう。
残りの0.5%、最後の最後まで粘って努力し続けた人だけが、結果をごっそり独り占めできるということです。
面白かったポイント
私のキャリア論と考え方が同じで非常に共感できる内容でした。
これから社会人になる人は頭に入れておいた方がいいことがまとまっています。
これから求められるプロフェッショナルになるには、
- 肩書ではなく自分自身を軸にする
- 目の前の仕事に対して高いROIでアウトプットする
- 業界や職種をずらしながらキャリアを積み上げ、視野を広げる
- 自分の「好き」について情報発信を続ける
ことが必要です。
結局は、好奇心を持って、地道なことを続ける、ということですね。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆
目次
【第1章】どこでも誰とでも働ける仕事術
【第2章】人生100年時代の転職哲学
【第3章】AI時代に通用する働き方のヒント