内容
ブランド人
だれにも頼らず自分の力で生きていける人を、私は「ブランド人」と呼びたい。
新しい時代が来た。誰もが自分の力で生きるしかない新世界秩序が生まれた。
自分を改造すること、自分の名前をブランドにすることは、生活していく上で欠かせないことなのだ。
充実した人生を送る秘訣は、仕事をもつこと、心血を注げるなにかをもつことだ。
一番大切なのは、そのなにかとは、自分にはできそうもないことでなければならない。
何かを始めよう
「私は本気で会社をやめようと思っていた。そのとき、上司からあるプロジェクトを任された。
私がたった一人で立ち上げるプロジェクトだ。大王だろうが皇帝だろうが、好きな肩書を自分につけることができた。
やがて、私は一人の技術者を雇った。そこからスタートして(のちに数十億ドルを稼ぎ出す)プラスチック事業部を育て上げた」ジャック・ウェルチ
なんでもいいから、何かを始めよう。
始めたら、それを続けよう。
抜きん出た技量
職を保証するものは、「抜きんでた技量」と「ネットワーキングの力」
市場で通用する技量、ひとを感動させ、ひとから感謝される技量をもたなければ生きていけなかった。
世間の評判と仲間の支援がなければ生きていけなかった。
昔の職人は、仲間づきあいと世間の評判を大切にし、修練研鑽を怠らず、誇り高く、自分の腕一本を頼りに生きていた。
自分のセールスポイントを手際よく、センス良く、まとめてみよう。
自分のポジショニング(自分という商品の位置づけ)を考えてみよう。
自分をいう「商品」を明確に定義したうえで、それがもつ価値をもっと緻密に査定してみよう。
一点集中
世の中は大忙しで、そのうえ大混雑している。
だから、的をしぼらないといけない。
「エクセレンスへの道は、いますぐ、エクセレントではないことをすべてやめることだ」
照準が二つあってはならない。
鬼神のごとき一点集中。
ブランドを目指すとき、なによりも避けなければならないのが精神の分散だ。
ブランド人 = 抜群 = 実行 = 鬼神のごとき一点集中
ブランド人になるためにまったく役に立たないものを、一つひとつ切り捨てていこう。
当面の目標は、二点か三点に絞り込むことだ。
細心の注意をして、さらにハサミを入れる。最終目標は一点だ。
一点に集中しなければ衆に抜きんでることはできないし、それになにより、持てる力のすべてを振り絞って、ただひとつのことに打ち込むほど、人生の愉悦はない。
あれもこれも欲張ってはいけない。
「これなら自分にもなんとかやれそうだ」あるいは「自分にはこれしかない」と思えるものをひとつ選ぼう。
売る
選んだら、さっそくエンジンをかけよう。
きょうからさっそく、自分の「非凡な」技に磨きをかけよう。
自分の「売り物」を公言し、宣伝しよう。
ブランド人 = 売れる人、非凡な人
プロなら、売るのは恥ずかしいことではない。
やってみたい仕事があり、その夢がかなうプロジェクトに参加したいと思うなら、自分を「売り込む」以外にない。
ブランド人 = 商品(よそじゃ売ってない商品) = 商品のすばらしさを伝える = 営業マン
プロジェクト
プロジェクトとは何か?始めがあって終わりがあり、お客さんがあって、ブランドの刻印があるものだ。
社会にとって大切なもの、世の中をすこしでもよくするものだ。
私が誰だか知りたかったら、私のプロジェクトをみてくれ。
お客さんのポートフォリオが、あなたの財産目録になる。
私がどういう人間か知りたかったら、私のお客さんを見てくれ。
お客さんへの思いやりがないのなら、困っているお客さんを命がけで助けようと思わないなら、ブランドになろうなどと思わない方がいい。
あなたも私も、人助けのプロなのだ。
その意味で、私たちは全員が救急隊員だ。
輝けるブランドになるには、絶対に、信頼される人間にならなければならない。
あの人に頼めば絶対に大丈夫、そう言われる人がブランド人である。
将来への投資
いつも同じ人と付き合い、いつも同じ雑誌を読み、いつも同じ会議に出ているようでは、蛸壺の中で暮らしているのと変わらない。
十年一日のごとく暮らしていれば、あなたのブランド力はいっこうに磨かれない。
いろいろなことに興味を持っていることは、ブランド人として成功するための要素である。
大活躍している一流のプロはみな、おどろくほどたくさん引き出しを持っている。
さまざまな商品の集合体が品揃えであり、品揃えを増やしていかなければ、ブランドは成長しない。
あなたが会社だ(少なくとも心意気はそうだ)。
成長企業は、意識して、将来に投資している。
偉大なる会社は、血相を変えて、将来に投資している。あなたは?
大発明とは何か。
「初めてみた時、言葉を失うもの」広告の天才、オグルビー
世界中で競合製品はますます似通ってくる。
消費者がどの会社の製品を選ぶかを判断する際、会社のパーソナリティ、会社のアイデンティティが最大の判断材料になる。
そういう時代が来ることは避けられない。
現場
現場に一番通じているものが勝つ。
その勝率は10割近い。
ブランド人の必須栄養素、それは、熱処理されていない情報である。
最前線の情報を集め、それを分析し、活用しよう。現場に向かって走れ!
ポイントはこうだ。
人は人生の大半を、厚い壁の前で過ごす。
どう体当たりしてもびくともしない壁の前で、死にたくなることもあるかもしれない。
しかし人は、その厚い壁の前で、ほんとうの力をつけていくのである。
人は誰しも、かならず厚い壁にぶちあたるのだから、あがくよりも楽しんだほうがいい。
面白かったポイント
文章のテイストが「とにかくやってみろ!」っていう感じでとても興奮して読みました。
個人も企業と同じように商品開発、マーケティング、営業、広報活動をすることがこれから求められるということがよく理解できます。
50のテーマそれぞれの具体的なアクション「やってみよう」はどれも有効そうなTipsです。
わたしはすべてエクセルにまとめてから簡単にできそうなアクションから始めています。
いろんなことに手を出したいタイプなので「鬼神のごとく一点集中」は刺さりました。
すべてのTipsをやるのは大変ですが、定期的に見直して、その時に足りないアクションを見つけ出すいいヒントになると思います。
この書は15年前に出版されましたが日本でもようやく一般人もネットの力を使って自分自身をブランド化する人が出てきました。
個人の力で世に打って出る時にこの本は大いに役立ちます。
満足感を五段階評価
☆☆☆☆☆
目次
自分の人生が帰ってきた
大きくなったら何になりたい?―あなたはもう大きくなった
ついに来た、ホワイトカラー革命!
自分の名前をブランドにする
あなたまるごとハウマッチ?
四つのツール―練習教材
自画像
あなたの仕事は、くだらない仕事か
あなたも達人になってみないか
さて、どうパッケージしようか