いきなり効果があがるPR動画の作り方

ビジネス

『いきなり効果があがるPR動画の作り方』シナリオ・センター

更新日:

内容

動画制作プロセス

動画を制作するプロセスは、たった4つしかありません。

1シナリオ制作・前→第1章

シナリオ制作・前は、動画を使って、何を伝えるのかという目的、誰に伝えるのかというターゲット、どう伝えるのかという媒体を明確にします。

2シナリオ制作・中→第2章

シナリオ制作の段階では、どういうテーマをどんな構成で、どんな素材を使って、どういう映像やセリフで伝えるかを明確にします。

3シナリオ制作・後→第3章

シナリオ制作・後は、シナリオを読んで直すべき部分を明確にし、直しの指示をします。撮影のための簡単な絵コンテがある場合もあります。その場合は、絵コンテで直しの指示をします。

4撮影・編集→付録

シナリオが作られ、何を撮るかが決まれば最後に撮影になります。撮影したものを編集する作業を経て、動画の完成です。

 

映像制作現場

企業側の

・テーマが不明確。

・映像にしたいことが多過ぎる。

・イメージしている動画の提示がない。

・動画の使い道が定まっていない(動画を最終的にどうしたいかがわからない)。

・撮影に立ち会わない。

・動画が出来上がってから、直しを要求される。

 

依頼する企業としては、よくわからないからプロにお任せしてしまいたい……というところですが、制作会社だって、しっかり固まりきっていないアイデアを形にすることは不可能です。

 

動画タイプ

A商品直接型

・商品やサービスの購入をお客様に促すときに効果的

・商品やサービスについての具体的な数字や機能について伝える

・生活雑貨全般(家電・食品・衣類・雑貨)に使える

・商品紹介ページ、ECサイト(Web)、公式SNSとの相性がいい

・シナリオの難易度は低い

 

B商品間接型

・長期間での認知拡大、ファンの獲得をしたいときに効果的

・商品やサービスによる体験を伝える

・体験に重きを置くサービス(レストラン・宿泊施設)などに使いやすい

・SNS広告との相性がいい

・シナリオの難易度はやや低い

 

C理念直接型

・企業理念をより詳しく伝えたいときに効果的

・企業の理念や目標について、明確なメッセージを伝える

・求人サイトや会社案内、リクルート、社内広報向け

・シナリオの難易度はやや高め

 

D理念間接型

・企業理念をより多くの人に知ってもらいたい場合に効果的

・企業の考え方や理念を感じ取ってもらう

・SNS広告との相性がいい

・シナリオの難易度は高め

 

直接型

自社の商品、自社についてすでに興味を持っている方をターゲットにする場合に有効な表現手段が直接型です。

すでに興味を持っている方をターゲットにする直接型の動画では、商品についての詳細な情報や会社理念について、ストレートに伝えると大変喜ばれます。

 

ターゲットが決まれば、そのお客様が接する媒体を考えることができます。

直接型の表現は、顕在層のお客様に対して有効に働きます。

 

間接型

自社の商品や理念について、まだあまり知らない方をターゲットにする場合に有効な表現手段が間接型です。

間接型の表現は商品そのもの、会社理念そのものに興味を持っていない潜在層をターゲットにする場合に有効に働く傾向にあります。

間接的にそれとなく、商品や会社の良さをアピールすることができます。

 

ターゲットとなるお客様は、興味を持っている顕在層とこれから興味を持ってもらいたい潜在層の二つに分けることができます。

ターゲットの属性がどちらなのかがわかれば、動画を制作する目的に合わせて、直接型か間接型か、表現方法を選ぶことができます。

 

伝わる動画

答えは、ドラマがあるかないかの差なのです。

印象に残る映像には必ずドラマがあります。

「伝わる動画」を作るためには、ドラマが必要なのです。

ではドラマとは何か。

ドラマとは、変化です。

 

例えば……

料理が下手だったお母さんが、その調味料を使って食事を作ると、子どもたちがおいしいと言ってくれる。

・変化  下手 →上手

 

旅行に行きたいなぁと思っていたOLが、貯めていたポイントを使って格安で南の島へ!

・変化  行きたいなぁ →行ける

 

ちょっとぽっちゃりしていた女の子に好きな人ができた。彼に振り向いてほしいから、ダイエットを始める。スポーツジムに通うことでやせてきれいになり、相手との恋が始まる。

・変化  ぽっちゃり →スリム

 

小さな町工場だった会社が、徐々に社員も増え、さまざまな苦難を乗り越えながら、大きな会社へと成長する……。

・変化  町工場 →大企業

 

笑顔で働く女性が、地域への貢献活動を通して、地域の人も笑顔になり、社員と地域の人みんなと微笑みあう。

・変化  一人の笑顔 →みんなの笑顔

 

変化のある動画は、

・短くても感動的

・思わず試したくなる

・使っている自分がイメージできる

・企業姿勢がかっこいいと思う

・企業姿勢に共感できる

と、いいことだらけです。

キーワードは、ドラマです!

 

「現状を変えたい人が、その夢を阻む障害(対立や葛藤)を乗り越えることで、最後には変化・成長する」

 

ドラマの構成

テーマを伝えるのが「転」の機能です。

つまりすべての動画は「転」に向かって進んでいくのです。

 

「転」で伝えたテーマを定着させ、余韻*を残すのが「結」の機能です。

 

ドラマが始まるのが「起」です。

「起」では、ドラマが起きる世界を紹介します。

その時、「天地人」で整理すると考えやすくなります。

天:時代

地:場所

人:登場人物

 

さらに、テーマに対するアンチテーゼを考えます。

アンチテーゼとは、反対という意味です。

アンチエイジングという言葉でもお馴染です。

テーマで伝えたいことの正反対のことを、「起」で出してしまうわけです。

「暗い」のアンチテーゼは、「明るい」

「必要」のアンチテーゼは、「不要」

「仲間」のアンチテーゼは、「独りぼっち」

テーマに対して反対であるアンチテーゼを考えることで、変化を生むことができます。

 

・変化をつけてドラマチックにする

・「転」のテーマから考える

・「結」でテーマを定着させる

・「起」でアンチテーゼと天地人を考える

・「承」で障害を乗り越える

 

商品直接型

・ターゲット

商品直接型のターゲットは、今、もしくは近い将来に商品やサービスを必要とする人。

・媒体

媒体は、ECサイト、自社のサイトなどで有効です。

動画を見たらすぐに購入!という流れになるものが一番です。

・自社サイト(トップページ、商品紹介ページ)

・ECサイト

・公式SNS

・店頭ビジョン

・YouTube公式チャンネル

 

テーマ

テーマはとても重要です。

テーマが明確に定まっていないと「伝わる動画」を作ることはできません。

テーマを作るときのポイントは、二つあります。

 

一つ目は、具体的にすることです。

使いやすいなら、どう使いやすいのか、もしくはどうして使いやすいのか、具体的にする必要があります。

 

二つ目は、一つに絞ることです。

伝えたいことを考えていくと、おそらくいろいろなことがでてきます。

しかし、だからといってあれもこれもと入れてしまうと、何が言いたい動画なのかわからなくなってしまいます。

「特に」何をいいと思ってもらいたいのかを整理してください。

 

商品間接型

この型のターゲットは、商品に対して、元々高い興味を持っていない潜在層です。

商品やサービスがあまりにも自分の興味や環境とかけ離れていると、お客様は自分のこととして捉えることができません。

お客様の興味を引き出すためには、登場人物に「共通性」と「憧れ性」を設定してください。

 

商品やサービスが視聴者=潜在顧客の暮らしを豊かにする小道具として使うのがポイントです。

商品やサービスを主で描かないようにするのも、商品間接型では大切になります。

 

理念直接型

ポイントは、どんな理念を持っているのかを「転」でストレートに伝えることです。

「転」で伝えたいテーマを実現するために、「承」で障害を乗り越えてきた様子を伝えていくとドラマチックになります。

 

理念直接型の構成のポイントは「承」です。

「転」でストレートにテーマを伝えるためにも、「承」をドラマチックに展開させてお客様を動画の世界に引き込みます。

企業理念を実現するために、どんな障害を乗り越えてきたのか、どんな思いで乗り越えてきたかなどを「承」に盛り込んでください。

反対にお客様がしらけてしまうのは、成功談や美談ばかりで描かれる動画です。

 

直接理念型の「起」では、二つのことを整理します。

一つ目は、天地人の整理です。

特に企業の歴史を扱う場合は、

天:時代

地:場所

人:人物

を整理することで、動画のスタートがいつ、どこで、誰が関係しているのかをはっきりさせることができます。

 

理念間接型

アイデアの引き出しを増やす一番簡単な方法は、たくさんのPR動画を観ることです。

たとえば、TCC賞やACC賞などで表彰される作品には、低予算ながら見ごたえのある作品もたくさんあります。

 

動画制作

プロデューサー

プリプロでは、企画立案や動画の方向性の決定、スタッフ編成やキャスティング、シナリオの打ち合わせ、直しなどがプロデューサーの役割になります。

撮影時の役割は、現場にはアシスタントプロデューサー(AP)、または制作進行を配置して助手的存在にバトンタッチし、撮影の進行を一任するのが一般的です。

制作進行は、撮影当日のスケジュールの組み立てや、当日の進行、仕出し弁当の発注など細かいところまで配慮し、スムーズに撮影を進ませる役割を担います。

制作進行については、テレビ局または映画会社から現場へ派遣する場合と、制作会社に委託することもあります。

プリプロでの役割は、完成品をチェックし、より多くの視聴者・観客の目に触れるよう、プロモーション活動を行ない、視聴者(または観客)に届けます。

つまりプロデューサーの役割とは、組織編成や進行、宣伝などを担う、ビジネス的視点でその作品と向き合うポジションとなります。

 

監督(ディレクター)

監督の役割は、撮影時にスタッフ・キャストのまとめ役。

例えるならば、オーケストラの指揮者です。

プリプロでは、プロデューサーと脚本家がともにシナリオを揉み、完成させていきます。

シナリオが完成した後は、具体的に映像イメージを明確化するため、絵コンテを制作していくのも監督の役割です。

撮影時は、大所帯の場合はとりわけ、さまざまな役職に伝えたり、セットの細部までの演出面に気を遣っていく必要があるため、助手として、助監督(AD=アシスタントディレクター)がついています。

ポスプロでは、編集に立ち会い、完成するまで、映像をチェック・指揮していきます。

 

脚本家

脚本家は、完成するまでプロデューサーや監督のブレーンとして柔軟に対応していきます。

 

面白かったポイント

PR動画は4タイプに分類できることが勉強になった。

伝える動画にするためにはドラマ=変化が必要だということもその通りだと思う。

タイプ別のチェックリストも使えるので、PR動画制作の型を身につけるための必読書だと思う。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

目次

序章
▼何から考えればいいの?…ビジネス動画は4つのタイプだけ
第1章
▼何をどうしたらいいか、具体的に解説します……作りたい動画を4つのタイプに当てはめてみる
第2章
▼決め手はシナリオ…キーワードは「変化」/ドラマを作るための構成/4つのタイプ別・動画の作り方…【A商品直接型】【B商品間接型】【C理念直接型】【D理念間接型】
第3章
▼「伝わる動画」になっているかチェックリスト

-ビジネス

Copyright© まさたい , 2024 All Rights Reserved.