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華僑の起業ノート

書籍

『華僑の起業ノート』大城 太

更新日:

内容

「なぜ華僑なのか?」

答えは単純。「お金儲けが上手いから」です。

 

中国人は「攻め」、華僑は「守り」なのです。

華僑もその多くが漢民族ですので攻撃的な性質は持っていますが、現地に根付いて商売をする華僑にとって、現地の人々とのトラブルは命とりです。

 

「最終的には必ず成功」

これは華僑にとって、成功は夢や希望などではなく「使命」であるということです。

 

中国では失敗した人は英雄なんです。

倒産社長は「失敗の仕方」を知っているのだから、知らない人よりも成功の確率が高いというわけです。

 

人間が目指す共通のところは富と貴、お金と地位ね。

起業するなら「富」と「貴」への欲を認め、受け入れるべきです。

お金儲けをして社会にお金を回さなければ商人の価値はないのです。

 

華僑は自分がやりたいこと、子供の教育、親の介護、夫婦の老後の生活など、もれなく具体的に考えて今後の人生に必要な金額を算出します。だから金額の目標もその根拠も明確なのです。

現実と理想のギャップを埋めるのが仕事で、イメージできないことは永遠に実現しないということ。

 

他の国へ来た華僑がまずやるのは3Kの仕事です。

要するに時給の高い仕事をするわけ。

それでお金を作って自分のビジネスを始める。

それも最初は「儲かる」ビジネスをやるのが基本です。

やりたいビジネスをやるのは儲けてからの話ですね。

儲かるビジネスとは粗利額が大きいビジネス。

 

他人のリソースを使わせてもらうというのも華僑ビジネスの成功法則のひとつですが、自分の持っているリソースを有効に使うことが先決。

貧乏な時こそ、なるべく人にためにする。できるだけ人に使ってもらう。

そこそこ成功しても、もっと上に行きたいなら、自分よりレベルの高い人に使ってもらう。

 

華僑は貧乏な時はなるべく外へ出てチャンスを取る機会を増やす。

家にあるのは作業だけで、仕事は外にしかない、お金儲けのチャンスは外にしかないのです。

お金を動かすのは人です。

お金が欲しければ自分から外へ出て人と会い、人に使ってもらってお金を頂戴する。

 

自分を修身して家をまとめられない人が国をまとめられるわけがない、会社をまとめられるわけもない。

 

ハイペース=マイペース

日本人が90%の完成度や成功率を求めるのに対し、30%の可能性に賭けるのが華僑であり中国人。

この違いはチャンスをつかむスピードの差になって現れてきます。

走りながら修正するのは当たり前です。

修正の必要を感じないとしたら、自分が何も成長していない証拠。

 

華僑は実際、何をやるのもハイペースです。ハイペース=マイペースなのです。

疲れずにハイペースを保つポイントは、やることとやらないことを決めて、やらないと決めたことはやらない、それだけです。

 

差を生むのがスピードです。

ひとつのことへの投下時間を増やすのも、結果的にスピードアップにつながります。

華僑はハイペースで長時間仕事に打ち込むため、成功するのも速いのです。

 

最大限に頑張るべきは、起業して基盤ができるまでです。

華僑はやる時は突撃、短期集中。勝負は最初の2年間です。2年でできなかったらできません。

最初に精一杯スピードを上げておけば、あとは慣性の法則で事業が回り続けるのです。

 

トライアングル経営

ビジネスはひとりでやるな。

華僑流ビジネスはプロジェクト制で、プロジェクトごとに人材を集めてチームを作るところから始まります。

 

「アイデアを出す人」

「お金を出す人」

「作業する人」

は、華僑流ビジネスに欠かせない三大要素。

1人は個人、2人は相棒・パートナー、3人で初めて組織・チームになる。

 

日本では自分が考えたビジネスプランと自己資金で起業し、初期は実務作業も自分でやる、という人が多いですが、華僑に言わせれば間違いなく失敗する最悪のパターンということになってしまいます。

 

ビジネスは継続が命。

「アイデアを出す人」と「お金を出す人」は兼ねてはいけません。

お金優先だと、短期回収プランになりがちです。

アイデア優先だと、アイデアを形にしたい気持ちが資金計画を狂わせます。

 

「アイデアを出す人」と「作業する人」は兼ねてはいけません。

アイデアを出す人が作業に手を取られて考える余裕がないような会社は成長がストップし、そのうち傾いていきます。

作業が得意な人は、自分の仕事が増えるのは嫌ですから、無意識にアイデアの効果よりも作業の手間を計算してしまいます。

「アイデアを出す人」→「作業する人」の指示系統によって、それぞれの強みを発揮できると言えます。

 

「お金を出す人」と「作業する人」は兼ねてはいけません。

「作業する人」と「お金を出す人」を兼ねてもやっていけるのは、個人の技術や才能などを売るモデルなのです。当然、スケールの大きなビジネスにはなりません。

本来かけるべき経費をケチってしまうのもこのパターンの問題点です。

逆に、なんでも経費になるのだと無駄遣いをするタイプもいます。

どちらにしても組織に投資するという意識が低いので、事業拡大は望めません。

 

中国人はスケールにこだわりますが、華僑は小さなビジネスもどんどんやります。

ひとつひとつの儲けは小さくても、たくさんの小さなビジネスを長く続ければ必ず儲かるからです。

すべてが上手くいくとは考えていません。

分母が大きければひとつふたつコケたところで影響は小さいので、成功率よりもビジネスの数=トライアングルの数を増やすことを優先するのです。

 

華僑が重視するのはまさに基盤作り、しかも短期間での基盤作りです。

フルパワー&フルスピードで基盤を作ることが華僑の成功の絶対要件なのです。

 

起業1年で1億円

  1. 3つの役割でトライアングルを作る
  2. 最小限からスタート
  3. 「初速」をフルに上げて飛び立つ
  4. 華僑流アップセル&クロスセルで売上増
  5. 社長による作業のマニュアル化

 

3つの役割でトライアングルを作る

まずはビジネスの基盤作り。

「アイデアを出す人」

「お金を出す人」

「作業する人」

のトライアングルをしっかり考えることです。

3つの役割がそれぞれ最低1人ずつ確保するのが基本。

 

社外に求めるのもアリです。

「アイデアを出す人」はコンサルタント

「お金を出す人」は銀行

「作業する人」は事務代行

 

最小限からスタート

事務所などの固定費は最小限に抑え、その他経費も節約を徹底するように。

お金はマーケティングのテストや見込み客の確保に資金を投入するべき。

 

先もらい、後払いでキャッシュを確保

 

「初速」をフルに上げて飛び立つ

華僑は、最初は24時間ほとんど寝ずに働きますよ。

最初に頑張ったら後は楽なんです。

ビジネス以外のことを考えられない環境に身を置くこと、そして効率よりも効果を優先させることです。

 

最初はマーケティングのテストに専念。

考えられる手段をどんどん試してデータを記録。

費用対効果、時間対効果を洗い出し、より効果の高い手段に絞っていった。

 

見込み客は「先に利する」

お客さんにサイトを無料で作成する、お客さんが欲しがる情報を無料で提供。

 

華僑流アップセル&クロスセルで売上増

アップセルのポイントは、お客さんと長く付き合うこと。

最初から取引の継続を前提としたシステムで売ることで、良好な関係を保ちながら、今も将来の利益もしっかり取れるのです。

 

クロスセルのポイントは、お客さんをひとりの「人間」として見ること。

お客さんを生活者としてその人のメリットを考えると、さまざまなアプローチが可能になります。

 

社長による作業のマニュアル化

これまでやってきたことをマニュアル化して誰でもできるようにすることです。

作業のルール化・マニュアル化は社長の仕事なのです。

社長の仕事は「誰でもできるやり方」を考えることです。

マニュアルを作る作業は自分でやらず「作業する人」に任せましょう。

 

ビジネスパートナーの見極め方

ずっと一緒にビジネスをやる仲間は「できる」と言う人より「やりたい」と言う人の方がいいんです。

 

この人とつき合っていけるか、一緒にビジネスをやっていけるか。どこ見たらいいですか?

一番は成長スピードですね。

今は自分とレベル同じだとしても、成長スピードが遅かったらいずれ邪魔になります。こっちが邪魔にしなくても、相手がしんどくなります。

 

皆それぞれ育ってきた環境が違う。経験値も能力も違う。立場も資源もぜんぶ違うんだから、他人を説得しようといくら頑張っても無駄なんです。

 

ビジネスも最終的には人材の勝負ですけど、良い人を選ばないとできないというのはレベルが低い。頭を使えばどんな人でも活かせるんです。与えられた資源をいかに有効に使うかですね。

 

高学歴な人は大企業に就職するか公務員になり、出世を目指す。学歴がなくても優秀な人は自分でビジネスをする。そのどちらでもない人の雇用の受け皿となるのが中小ベンチャー企業なのです。

「いかに使うか」で「育てよう」などと思わないことです。

社員に余計なことを考えさせない作戦として、次々と作業を命じ、常に忙しい状態にしていました。

 

中国では一通り仕事を覚えたら辞めるのが当たり前なんです。

スタートアップ期は人が入れ替わっても回せるシステムが必要で、残ってもらうシステムは次の段階です。

初期はとにかく「自分のほかは誰でもいい」を貫くことです。

 

華僑の対人術でひとつ大事なことは寛容。

人を許す、受け入れることです。

人を受け入れる寛容の心を持てば、たくさんの人が集まってくるのです。

1対1でなければ避ける必要はない。

 

人が本当に欲しいのはお金じゃありません。お金の先にあるもの、お金で得られるものが欲しいんです。

社員が給料を使って得たいのは「衣食住」です。

今よりも上等な服、上等な食事、広くきれいな家。

 

そこで、基本給は上げずに「衣食住」に関する手当をプラスすることにしました。

衣:上等なスーツの生地を支給する

食:会社の経費枠で食事の面倒を見る

住:住宅手当を出す

もちろん全員に全部ではありません。何が欲しいかは人によって異なりますので、選べるようにしています。

ベースアップすると簡単には下げられません。手当は業績次第で増減するものとして支給しますので、一時的に減らしたりなくしたりしても不満が出にくいのです。

 

社長の仕事

起業初期は会社の器=社長の器。

しかし、社長頼みの状態からなるべく早く脱却するべきです。

まず作るべきは「システムの器」なのです。

 

事業計画書でもビジネスモデルでもプランでも、目に見える形にして他人と共有することは非常に大切なのです。

 

社長の仕事の最優先事項は考えることです。

しかし、「その場」で考えるのでは遅いのですね。

出来る限り想定外がないように、常に先回りして漏れなく考えるのが社長の仕事なのです。

 

いずれも適切に動くことが肝心。

ここにも華僑の強さの秘訣があります。

未知の土地に来て、最初は言葉もわからない、お金もない、不安も悩みもないわけはありませんが、彼らは何があっても立ち止まりません。

 

小さい会社の社長ほど、上手くいっているやり方を変えたがる傾向があります。

売上が下がった時に不安にかられてジタバタしてしまうのです。

 

複数のビジネスを同時に走らせておけば、ひとつのビジネスの波が下がった時に別の波が上がります。たくさん波を作るほど全体で安定するのです。

華僑は複数のビジネスを同時にやるといっても、それは軌道に乗ってからの話。

最初は1つに集中して、結果が出るまで根気よく掘り続けます。

 

社長の貯金はまず会社のため。社長の財布は会社のためにあるのです。

というわけで、社長の持ち物は換金性の高いものでなければいけません。

中途半端な高級品を買うのも賢い社長とは言えません。

 

小さい会社ほど社長の個人資産がないと守れないのです。

中小企業の社長のほとんどは、会社の連帯保証人になっています。会社が返済できなければ社長が返済しなければなりません。

 

本当に価値のある情報は人が持っている。

ネットから離れて人と話す時間を増やすだけで、早く起業できるかもしれません。

 

貸し借りで考えると、自分よりレベルの高い人に「貸し」を作ることなどむりなのです。

しかし弱い立場だからこそ「借り」を作ることはできます。

借りを作る目的は、返す機会を得ることです。

お金を返し続ける必要はありません。偉い人はお金や物より情報や人を欲していますから、リサーチして、その人が求めている情報を集めたり、役に立つ人を紹介することができればお金よりずっと喜んでもらえます。

偉い人に自分を使ってもらう心意気は、起業家にとって非常に重要です。

 

お客様

商売のタネなんてそこらじゅうに落ちてます。

世の中、困ってる人が必ずいるんだから。

人々が困っていることの大半は、実は「面倒くさいこと」なのです。

やろうと思えば自分でできる。でも面倒くさいからやりたくなくて困っている。

つまり「簡単だけど面倒なこと」を発見して代わりにやってあげればよいのです。

 

生産者のストーリーやメッセージを伝えれば効果的ですね。

そこでありがちな苦労話は持ち出しません。

消費は快楽でもありますので、「あなたの役に立つように、あなたやあなたの大切な人が幸せになるように」といった明るく夢のあるメッセージやストーリーがベター。

 

「お客さんの意見は聞かない」のが華僑の常識です。

お客さんは意見を訊く相手ではない。こちらがプロとして教えてあげる相手なのだということを、華僑は昔から原則として心得ているのです。

 

面白かったポイント

ベンチャーや中小企業の経営者は必読の本です。

久々にメモを取る量が多くなりました。

 

大企業の経営ノウハウを学ぶより、グローバルで一からビジネスを築いている華僑の経営ノウハウの方が、これから起業する方や中小企業の経営者に役に立つと思います。

華僑の泥臭くて合理的で、お金を追い求め、家族を大事にする考え方は、経営者に必要な考え方です。

華僑から学ぶべきは、スピードと結果を出すまでにめちゃくちゃ働くことですね。

 

トライアングル経営もとても頭がスッキリするフレームワークです。

自分はどこ部分を担うのかを明確にし、そこに集中することが大事です。

個人事業だとついついすべてのことをこなして、スピードが出ないことがよくあるので刺さりました。

 

ビジネスパートナーを組むにも人を雇うにもリスクがあります。

今はネットでパートナーを探すことができるので、できるだけ外注することがこれからのプロジェクトの立ち上げ方なのかなと思います。

 

「アイデアを出す人」は、ビジネス書やTwitter、オンラインサロンなどには、いくらでも転がっています。

「お金を出す人」は、銀行やクラウドファンディングも使えます。

「作業する人」は、クラウドソーシングでいろいろスキルを持った方を見つけることができます。

 

ビジネスの立ち上げフェーズは、リソースをできるだけ外注してビジネスの最低限の形を作って、市場でテストすることができます。

上手く立ち上がってから、ビジネスパートナーを見つけるのが、一番リスクが少ないと思います。

 

ビジネスパートナーの見極め方もいろいろ刺さるところが多いです。

ビジネスを成長させるうえで、人間関係が一番難しい。

サラリーマンとして人間関係を構築するのと、事業オーナーとして人を使っていくのでは、まったく求められるものが違ってきます。

人を使うというのは、一生勉強ですね。

 

これからも華僑ビジネスについて学び続けていきたいと思います。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

目次

第1章 大物華僑に学んだ「100%起業」のマインド
第2章 起業1年で結果を出す「華僑流ビジネス」のスタートアップ
第3章 最強の合理思考で「人」の悩みをシンプル化する
第4章 折れない心を養う華僑流「社長論」
第5章 人間心理をグサリの思考法でお客とお金を引き寄せる
第6章 華僑流の人脈術&交際術でひとつ上のステージへ

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