実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた

ビジネス

『実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた』橋下 徹

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内容

人事・組織

「絶対的な正解を見つけることはできない」ということを前提に置くと、自分とは違う立場の人の意見を聞くことが非常に重要になってきます。

「周囲にイエスマンばかり置くな」というのは、一理あります。

しかし「最終的に決まったことには従う」という点を押さえていないと、意見が平行線をたどって、いつまで経っても結論が出なくなります。

「最後は従う」という原則がないと、同意見の人ばかりを集めなければならなくなります。

 

組織内の人間関係は、甘い友人関係とは異なり、仕事をやり遂げる人間関係。

 

業務能力以外のおかしな政治力を行使できないようにするには、巨大組織であればあるほど情報をフラット化することが必要でした。

縦割りで権限と責任の所在をきっちりと決めた上で、横串を通していく。

組織の中に「縦」と「横」の格子をしっかり入れることが重要です。

 

大事業

マキャベリも名著「君主論」において、「統治者は最初に衝撃的な大事業を行うべき」という意味のことを語っています。

絶対にできないと思っていたことが実際にできてしまうと、その他にもこれまでは「できない」と諦めていたアイデアがどんどん出てきます。

部下の意識改革をしようとするなら、小さな「改善」だけではなく、メンバーに衝撃を与えるようなことを実現させることが必要です。

 

大胆な改革とは、強烈な反対の声が上がるもの。

ゆえに議論が紛糾するのは当然で、だからこそ決定権者をしっかりと定めておかなければなりません。

 

道を拓くには行動しかありません。

目の前の階段を上り続けるしかないのです。

 

まずは目の前の壁を超えることに全力をあげる。

このような執念が、誰もが実現不可能だと思っているビジョンを実行するために最も必要かつ重要なリーダーの姿勢です。

 

仕組みをきちんと作れば、リーダーシップは発揮できますし、逆に仕組みをきちんと作らなければ、どれだけ資質のある人間でもリーダーシップは発揮できないでしょう。

 

ビジョンを実行するためには、実行プランと組織体制に加えて、組織の動的なエネルギーというのも必要です。

そのエネルギーを組織に注入するのも、リーダー・トップの役割です。

 

想像力

起こりうるあらゆることを想像すると、準備の数は一万にも、二万にもなるかもしれません。

たまたまそのうちの一個が活きるかどうかという程度で、一万の準備をしてもすべてがムダになることもあります。

おそらく九九%の準備はムダになるはずです。

 

それでも、たまたま一個、その準備が活きれば、大きな効果があります。

いつも想像力を最大限に働かせて準備する人だったのだと思います。

 

想像力を働かせることのできる人は、仕事がうまくいきます。

そして、誰からも認められます。

ただし、ムダになる努力を惜しまずにできるかどうかです。

ムダになるかもしれない準備を完璧にしておく。

 

単にニュースに目を通すのではなく、そこから課題・論点を見つけ出すことが非常に重要。

 

都市

ヒト、モノ、カネ、情報を通過させるだけで都市は発展できます。

ヒト、モノ、カネ、情報が通過するごとに、経済的な付加価値が生まれ、そこにまたヒト、モノ、カネ、情報が集まってきます。

金融都市が発展するのも、同じ理屈です。

 

面白かったポイント

大きな改革をやるためには、目の前のやるべきことをしっかりやるということを改めて認識できた。

 

書かれている内容は目新しいことはないです。

本になるとエッセンスが抽出されるのでしょうがないですが、実行するのはめちゃくちゃ大変です。

それも自分のビジネスのためではなく、公のために命を削ってここまでやったことは尊敬しかありません。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

目次

第1章 まずは、人を動かす―実行のための人間関係、人事の要諦
第2章 本当に実行すべき課題はどう見つけるか―橋下流・問題解決のノウハウと、マインドの持ち方
第3章 実行し、信頼される人の条件とは―部下は結局、上司の背中を見て動いている
第4章 実行のための「ビジョン作り」と「チーム作り」―結果を出す「仕組み」はこう作る
第5章 上司を動かし、提案を通す―「トップの視界」を想像しながら仕事をする
第6章 情報を制する者は、組織を制す―強い組織は、情報共有の横串がしっかり入っている
第7章 日本と大阪を「実行できる組織」にするために―徹底的に考え抜かれた大阪都構想の実行プロセス

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