プロダクトマネジメントのすべて

ビジネス

『プロダクトマネジメントのすべて』及川 卓也

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内容

プロダクト

目指すべきはマーケティングの力をそれほど借りなくても自立的に成長できるプロダクトである。

 

BtoBスタートアップ企業でとくにCEOが営業出身ともなるとプロダクトマネジメントチームが機能していなければ、CEOの鶴の一声でプロダクト開発の方向性がぶれてしまう。

こうした場合、普段からプロダクトマネージャーとCEOの間でコミュニケーションを取り、ロードマップやその基盤となる考え方の共有、CEOが仕様変更を要求した場合のリスクを伝えておく必要がある。

 

営業チームやカスタマーサポートチームがもっとも顧客の声を聞いていることは確かであるが、彼らが上げてくる機能改善要求はともすると狭い視野で語られることもあり、それをそのまま拾うことは避けたい。

 

ユーザーのゴール

UXの文脈において、ユーザーのゴールを次の3つのレベルで理解することが推奨されている。

①達成するもの(End goal):ユーザーはプロダクトを使うことで何を成し遂げたいのか?

②感じるもの(Experience goal):ユーザーがプロダクトを使う際に大切にしている感情やモチベーションはどのようなものか?

③人生に彩りを与えるもの(Life goal):ユーザーの人生における究極のゴールは?そこにプロダクトがどのように影響を与えるか?

 

North Star Metric

North Starは「北極星」を意味し、米国では「人々を迷うことなく同じ方向へと導くための光り輝く目標」という比喩表現で使われる。

これをKGIの考え方と組み合わせたのがNorth Star Metric(NSM)である。

NSMは「プロダクトのコアとなる価値がユーザーに届いているかを知る、単一の指標」と定義できる。

 

よいNSMとして大事なポイントは以下の5つである。

①NSMの改善がユーザー体験の向上とリンクしている

②ユーザーがプロダクトにどのくらい定着しているかを示す

③NSMを目指すことで x軸に時間、y軸に収益や成長目標を取ったグラフが長期的には右上方向に進む

④収益に結びつくための先行指標である

⑤組織内で理解してもらいやすい

 

ビジネスモデルキャンパス

キャンバスの右から左へ、CS(カスタマーセグメント) →  VP(価値提案) →  CH(チャネル) →  CR(カスタマーとの関係) →  RS(収益の流れ) →  KR(主なリソース) →  KA(主な活動) →  KP(キーパートナー) →  CS(コスト構造)といった順で書いていくことを推奨する。

 

プロダクトマネージャー

プロダクトマネージャーの仕事に必要な領域はビジネス、UX、テクノロジーの3つである。

プロダクトマネージャーに必要な計画力は中期的なロードマップの作成や指標の立案など、プロダクトを着実に成功へと向かわせる力である。

プロダクトマネージャーが6つのスキルである発想力、計画力、実行力、仮説検証力、リスク管理力、チーム構築力が必要な理由は、プロダクトを成功させる仕事が知的な総合格闘技だからである。

 

プロダクトオーナーは、「スクラムチームから生み出されるプロダクトの価値を最大化」することが役割

 

チーム

誰が何の権限をもっているのか、意思決定にどのように関与するのかを可視化するため、 DACIという手法がある。

決定する事項ごとに、推進者(Driver)、承認者(Approver)、貢献者(Contributor)、報告先(Informed)の権限を誰がもっているのかをあらかじめ合意をしておくことで、その後のコミュニケーションがスムーズになる。

 

チームメンバーの責任分担を明確にするために、RACIという手法が存在する。

タスクごとに実行責任者(Responsible)、説明責任者(Accountable)、協業先(Consulted)、報告先(Informed)を決めておく手法である。

 

意思決定の権限が分散した状態であってもプロダクトチームのメンバー各々が正しい意思決定をするために、プロダクトの長期的な計画を知っておくことは必須である。

ビジョンを達成するためにどのタイミングで何をしなければいけないのか、どの順番で実施するのかを周知しておくことで、時間軸を意識した意思決定ができる。

そのためにはプロダクトのロードマップを共有しておく必要がある。

まだスケジュールが決まっていないのであれば、いつ頃にスケジュールを決めるのかを共有しておくとよい。

 

心理的安全性をつくり出すには、まず認知共有が必要とされている。

認知共有とは組織心理学の言葉で、チームメンバーの価値観や考え方およびそれをもとにした組織の文化やマナーを共有すること。

 

インセプションデッキ

インセプションデッキは以下の10個の質問からなる。

プロジェクト開始時には答えづらいような手ごわい質問も含まれている。

(1)我々はなぜここにいるのか

(2)エレベーターピッチ

(3)パッケージデザイン

(4)やらないことリスト

(5)「ご近所さん」を探せ

(6)解決策を描く

(7)夜も眠れない問題

(8)期間を見極める

(9)何を諦めるのか(トレードオフスライダー)

(10)何がどれだけ必要か

 

「大切なものランキング」の形式で記載してもよい。

たとえば、「機能ABCが実装できること」 >「クリスマスまでにリリースできること」 >「機能DEFが実装できること」のように機能ABCがなければクリスマスまでにリリースできても価値がないことを表すことができる。

 

OKR

OKRは、目標(Objectives)と主要結果(Key Results)の頭文字であるOとKRから名づけられた手法で、目標(O)とは「達成するもの」、主要結果(KR)は目標(O)の達成状況を監視するための基準を意味する。

 

一般的には、1つの目標(O)に対して3 ~ 5つくらいの主要結果(KR)をもつことが推奨される。

 

ユーザビリティー

ユーザビリティー工学の第一人者であるヤコブ・ニールセンによると、ユーザービリティーに関するユーザーインタビューは5人行えば必要なインサイトの80%以上が得られるという結果がある。

 

インタビューにあたって、まずはユーザに一通りプロトタイプを触ってもらおう。

プロダクトを操作するときには思っていることをすべて口に出してもらうとよい。

たとえば、「設定画面を開きたいのでこのボタンを押します」といったように操作をするための背景や思いについて気軽に口に出してもらうように依頼をしておく。

 

FTUX

ユーザーは初めてプロダクトを使うことになる。

これをシリコンバレー企業ではFirst Time User Experience(FTUX:ユーザーが初めてプロダクトに触れたときの体験。エフタックスもしくはエフチューイとよばれる)という。

ここでユーザーにプロダクトに興味をもってもらうことで、アンインストールされずに別のタイミングでまた使ってくれることになる。

 

アカウント開設の際、ユーザーから得る情報について「なぜこれを必要としているのか、許可しないとどうなるのか」といった不安を取り除くメッセージを準備することで安心してもらうなど、企業の多くはFTUXを重要視しており、専門のプロダクトチームが設けられることもよくある。

 

アジャイル

小さな単位で開発を進めてその単位ごとにユーザーと対話をして、ユーザーからのフィードバックをもとに計画を変更していく、といったやり方である。

 

カンバン

ソフトウェア開発に特化する場合にはTODO、PLANNING、DEVELOPING、TESTING、WAITING、DONEといった行程になる。

各工程にはWIP(Work In Progress)という概念があり複数のタスクに同時に取りかかることを防ぐため、各工程で一度に取りかかることができるタスクの数に上限を決めておく。

 

限界費用

ラーメン屋では1日200杯まで提供できるとすると、199杯目から200杯目はラーメン1杯分の変動費がかかるだけだが、200杯目から201杯目となると、いまの店舗の設備だけでは足りなくなってしまい、厨房の改造や店舗の拡張など大きな投資が必要になる。

このラーメンを1杯多くつくることになったときに追加でかかる費用が限界費用である。

 

面白かったポイント

プロダクトマネジメントについて網羅的に書かれている。

初めての人には最適な本。

しかし、各テーマは専門書で深掘りしたほうがいいレベルです。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆

 

目次

PartⅠプロダクトの成功
PartⅡプロダクトを育てる
PartⅢステークホルダーをまとめ、プロダクトチームを率いる
PartⅣプロダクトの置かれた状況を理解する
PartⅤプロダクトマネージャーと組織の成長
PartⅥプロダクトマネージャーに必要な基礎知識

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