インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド

ビジネス

『インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド』茂野 明彦

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内容

インサイドセールスの役割

インサイドセールスには大きく分けて3つの役割が存在します。

  1. 主に問い合わせからお客様との商談の機会を創出するSDR
  2. ターゲット企業を選定し、主に手紙やアウトバウンドコールによって商談機会を創出するBDR
  3. そして、客先に訪問せずにオンライン商談を進め、最終的な契約締結までを行うOnline Sales

自社製品の知識が乏しい状態では課題の発見も、最適な提案も不可能です。

まずは製品知識を身につけること、そしてそれを継続することがとても重要です。

インサイドセールスは将来のお客様が出会う最初の接点です。

 

FAB

SPINはヒアリングのフレームであり、製品の特徴を理解するフレームはFABです。

  • 特徴 Feature
  • 利点 Advantage
  • 便益 Benefit

 

そこでの体験がお客様の期待値を下回った場合、その後の取引が難しくなることすらあります。

ですからインサイドセールスは「会社の代表である」という意識を常に持ち続け、良質な顧客体験を提供し続ける必要があります。

 

また、お客様の生の声に触れ、社内にフィードバックすることです。

日々多くの見込み顧客とコミュニケーションをする中から見えてくる情報は多く、人間だからこそ得られる情報も少なくありません。

 

テレアポとの違い

テレアポはフロー型で「架電リストの上から順にただ電話してリストを消化しているだけで情報が蓄積されない状態で、顧客との信頼関係も毀損しているもの」

インサイドセールスは「コミュニケーションの履歴を蓄積することによって最適なタイミングで最適な情報を届け、お客様との信頼関係を構築することを目的としている」

 

サブスクの台頭

サブスクの台頭により、インサイドセールスがより求められるようになりました。

理由の1つは営業の負担が増加するためです。

サブスクは継続的な機能開発が発生するため営業はその機能に対応していく必要があり、かつそれ自体が商談のチャンスとなるため常に見込み顧客や既存顧客と商談をする必要があります。

加えて売り切り型ではないために契約の継続交渉、契約期間中のライセンスの追加契約など、今までよりも複雑かつ膨大な業務に追われることになったのです。

 

サブスクは初期にかかる費用が非常に安価なため、契約自体をオンライン商談で完結することが可能になりました。

これもサブスク台頭によるインサイドセールスの需要拡大の理由として挙げられます。

 

初期の取り組み

立ち上げ初期に集中して取り組むべきは、即効性がある失注商談の掘り起こしです。

情報があり、かつ過去にコンタクト済みなのでコミュニケーションしやすく、タイミングが合えばすぐに成約につながります。

 

新規で獲得するリードが少ない場合や特定の営業の商談供給数が足りない場合は、過去に獲得した古いリード、過去に失注した商談、そして今まで問い合わせや商談履歴のない企業へのアウトバウンドコールも実施します。

SDRは組織全体の生産性を担う、非常に重要な役割と言えます。

 

CRM

CRMに一元化された情報から対象となるリードを抽出し、MAでメール送信。

メールの開封やURLのクリックなどの反応があった見込み顧客を即座に把握し過去の閲覧履歴を参照しながら電話やメールでアプローチし、オンライン商談システムで商談を行いそのまま受注する。

 

商談化の条件

営業にパスする条件(商談化の条件)を明確に決めておかないとインサイドセールスの成果を正しく測ることができません。

商談化とは「インサイドセールスから提供した商談が商談するに値する、もしくは見込み顧客として認定できた」という意味が一般的です。

 

必要な条件とは自社の製品を検討しうる情報です。

例えばBANT情報(Budget:予算、Authority:決裁権、Needs:必要性、Timeframe:導入時期)などの購買可能性を表すものや、新規顧客開拓数、採用予定人数など、成約率が高い顧客を表す指標などを設定します。

 

チャレンジ

  • 詳細情報の取得
  • 訪問日の前倒し
  • 上位役職者の同席依頼

 

最も重要なのが、上位役職者の同席依頼のチャレンジです。

その際に使う言葉が「〇〇様も社内で上申される際、資料作成や社長からの質問に答えなくてはいけないので大変ですよね。そうであれば我々が直接ご説明しますので、ぜひご同席をいただけませんか?併せて社長がお持ちの課題にもお応えできるかもしれません」です。

 

しかし、この同席依頼と日程の前倒しは両立できない場合があります。

そのような時のために役職者の同席を優先するか、日程の前倒しを優先するかルールを決めておきましょう。

ただ、役職者同席の前提は「初回からしっかりとした提案ができる状態」ですので、ヒアリング不足やお客様の課題をつかみきれていない場合は控えるべきです。

 

ワーストケースを想定

  • お客様がダウンロードした資料と類似するコンテンツを準備しておく
  • お客様と同業種の事例を用意しておく
  • (自社のことを理解していない場合)会社紹介資料を準備しておく
  • (製品のことを理解していない場合)製品紹介資料を準備しておく
  • お客様が参加された、もしくは興味に合いそうなイベント案内を準備しておく

関係性は「接触回数×内容の質」によって醸成されていきますので回数も重要です。

 

失注の定義

共通して重要なのが失注理由を明記し、次のアクションやその期日を明示すること。

 

商談化すらしなかった失注です。

条件にそぐわなかった商談、つまり営業が本来対応すべきものではなかったものを指します。

  • 製品の導入をするかしないかの決断そのものをしなかった場合
  • 導入そのものを見送った場合

 

失注後は商談の管理がインサイドセールス部門に移行される運用が一般的ですので、その際に情報の薄い失注商談はアプローチの対象外となるパターンが多く、機会損失を起こしやすくなります。

 

失注商談を再度商談として提供する場合にはまず、「商談機会なし」を除外し、「その他の失注」を中心に抽出しますが、失注時の情報が正しくないとリストから漏れることになります。

それではせっかく蓄積している意味がありません。

 

また、失注理由が明確ではない場合の無駄はもう1点あります。

それは失注商談を再度提供するときのルールである「失注理由が払拭されていること」の精度が低くなるという点です。

失注理由が解決できない限り、再度商談を行ったところで受注することはありません。

 

例えば「機能不足」で失注した場合は機能が拡充しない限り受注することはありえませんし、「コストネックで社長NG」の場合は料金改定、社長が交代する、もしくは経営状況が一変するなどの変化が必要です。

インサイドセールスはそういった変化がない商談を再度設定しないような意識が必要ですし、営業側もそういった事象を防ぐためにも失注理由は明確に記載する必要があります。

 

KPI設定

  • 成約した企業情報を分析する(業種、規模、成長率)
  • 成約した商談情報を分析する(検討の背景、商談者の役職や特性)
  • 集めた情報を営業担当に肌感覚と相違ないかを確認して条件設定
  • 設定した条件で商談供給が可能かをインサイドセールス部門内で確認する
  • 不可の場合、営業とインサイドセールスを交えて議論する
  • 除外条件を設定

 

追っかけ

リードの発生月を基準にその月のリードから何件の商談を獲得できたのかを見る方法

追っかけで見るメリットは正しく数値を把握することができる、過去のリードからも商談を生み出せているかを確認することができる、という点が挙げられます。

デメリットは、その評価までに時間がかかってしまうことです。

 

人材

  • 高額商材を扱っていた経験
  • 接客接遇にこだわる業界のビジネス経験
  • 圧倒的な量で勝負してきた経験
  • 論理的思考力がある
  • 他責傾向がない

高額商材や接客接遇の経験を重要視するのはインサイドセールスにとって重要なヒアリング能力が備わっているからです。

 

設計者

レベル1 部門の各種数値設計が可能(KPI/KGIの設計ができる)

レベル2 マーケティング部門、営業部門との合意形成ができる

レベル3 発生する不具合に対して計画的に事前対処できる

 

どんなお客様が、何を目的に、どう問い合わせてくるのかを考え、最適な対応を設計する人間は必ず必要になります。

もちろんデータで判断できることは増えますが、それでも変化に対応し、チューニングしていく役割がなくなることはありません。

 

マネージャー

インサイドセールスのマネージャーの役割は主に3つです。

それは商談数や売上貢献を中心とした目標数値の達成、分業スタイルのThe Modelをつなぐ役目、そして人材育成です。

 

インサイドセールスのマネージャーは数字に強く、集計や分析から課題を見つけるとともに最適なオペレーションを構築し、その事実をもとに毅然とした態度で他部門との折衝を行うことで組織全体の生産性を向上させ、人に寄り添った丁寧なコミュニケーションを通じて人材育成と、強いチームを創生することが求められている。

 

膨大な数字を分析し、課題を発見する能力や精度の高い予算設計などの数字への強さが求められます。

また、インサイドセールスは行動量から成果までの転換率が計算しやすく、行動量がそのまま成果につながる可能性が高い業務です。

つまり、人の力がダイレクトに成果に結び付くために、教育や支援の能力が重要となります。

また、外出が少なく移動時間での息抜きができず、基本的にデスクで仕事をしているためストレスが溜まりやすいうえに、吐き出しにくいという特徴があります。

 

働き方

在宅ワークに最適な職種がインサイドセールスなのです。

最低限パソコンとスマートフォンがあれば業務が可能で、過去に営業経験がある方はオフィス勤務のインサイドセールスよりも成果を上げているといった事例も聞くようになりました。

 

キャリア

1点目は働き方の柔軟性

2点目はスペシャリストが少なく希少性が高いこと

3点目はマーケティングや営業へキャリアを転換しやすい汎用性があること

 

インサイドセールス経験者が営業やカスタマーサクセスマネージャーへ異動し活躍する人材育成の場となっている点も、当時から変わらないインサイドセールスの大きな存在意義だと考えています。

 

コンテンツ制作

インサイドセールスがお客様の反応や参加後の生の声を正しく、正確にマーケティング部門に伝達して改善していくことで参加率と満足度の高いウェビナーへと進化していくことができます。

 

面白かったポイント

インサイドセールスについてまとまっている良書。

The Modelの補足資料として読むと理解が深まります。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆

 

目次

第1章 インサイドセールスとは
第2章 なぜ今インサイドセールスが必要なのか
第3章 インサイドセールスチームの立ち上げ
第4章 インサイドセールスの採用
第5章 成約率を高めるインサイドセールスのKPI
第6章 成果を出すインサイドセールスのテクニック
第7章 チームマネジメントの鉄則
第8章 インサイドセールスの未来

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