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『ネット・プロモーター経営―顧客ロイヤルティ指標 NPS で「利益ある成長」を実現する』フレッド・ライクヘルド

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内容

顧客満足度の新指標として注目を集めたNPSだが、その本質は顧客からのフィードバックに真摯に向き合い、組織を徹底した顧客志向に変えていく「クローズド・フィードバック・ループ」の運用にある。

 

NPSは、単に顧客満足度を測定する方法の一つではない。

究極的にはビジネス哲学であり、オペレーションを行うためのシステムであり、経営者が関与すべき事柄なのです。

 

質問

「○~○点で表すとして、この企業(あるいは、この製品、サービス、ブランド)を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか」

これに続けて、少なくとももう一問、「そのスコアをつけた主な理由は何ですか」と聞いてみるとよい。

 

B2Bでは、「X社の製品やサービスを継続購入する可能性はどのくらいありますか」、あるいは「X社との取引を増やすように薦める可能性は、どのくらいありますか」といった質問がより適しているかもしれない。

法人顧客の場合、的外れな顧客が回答している。

購入の意思決定権を持つ顧客企業の幹部が、調査票の回答に時間を割くことは稀である。

 

時系列データが収集できていない段階であっても、その時点の批判者と推奨者について、顧客としての平均的な継続期間を予測することは可能だ。

「薦めますか」という質問を尋ねる際に、あわせて顧客になってからの期間を尋ねるだけでよい。

こうして求めた平均的な継続期間を使い、蓋然性が高い顧客維持パターンを推定するのである。

 

推奨者

9点または10点をつけた人々は、その企業とのやりとりによって、自分たちの生活が豊かになったと感じている。

彼らはロイヤルティの高い顧客であるため、通常は何度も再購入し、全出費の中においてその企業への支出が占める割合が高い。

また、この質問にそう回答しているように、友人や同僚に対して実際にその企業について好意的な話をする。

調査への回答に時間を割き、建設的なフィードバックや提言を与えてくれる。

 

①第一のセグメント

その企業に九点または一〇点をつけた顧客。

推奨役を果たすことから、文字通り「推奨者」と呼ぶことにした。

再購入比率が群を抜いて高く、紹介客のうち、このセグメントの顧客に薦められた顧客が八〇%を超えている。

 

中立者

7点か8点をつけた人々は、自分が支払った分の見返りは得ているが、それ以上ではないと思っている。

満足はしているがあくまで受け身であり、推奨者とはまったく異なる態度や行動を示す。

彼らは、友人や同僚にその企業を紹介することはほとんどない。

紹介したとしてもそのときは限定つきで、それほど熱心でもない。

競合他社の割引価格や豪華な広告が目に留まれば、そちらに移ってしまう可能性もある。

 

②第二のセグメント

受け身で満足している顧客で「中立者」と呼ぶ。

七点または八点をつけた顧客である。

このセグメントの顧客は、再購入比率と推奨率が推奨者より大幅に低く、五〇%以上も差がつくことも多い。

ロイヤルティや熱意よりも惰性が動機付けとなっているので、この層の顧客は、他社が好条件を提示するまでは留まる可能性がある。

 

批判者

6点以下をつけた人々である。

このスコアが示しているのは、その企業との取引が愉快なものではなかったと、彼らが感じているということだ。

彼らは自分の扱われ方に不平や不満を持ち、失望すらしている。

しかも彼らは、友人や同僚にその企業の悪口を言う。

長期契約を結んでしまっていたり、同様のサービスを提供する競合他社がいないなどの理由で、簡単に他社に切り替えられない場合は、とてもやっかいな存在となる。

彼らは次々に苦情を寄せては、コストを押し上げる。

また、彼らの不機嫌な言動によって、従業員のモチベーションや誇りは損なわれる。

 

③最後のセグメント

〇点から六点の点数をつけたグループを「批判者」と名付けた。

彼らは否定的な口コミの八〇%以上を占める。

彼らの一部は、会計上、収益性が高く見えるかもしれないが、彼らの批判や否定的態度によって企業の評判は傷つき、新規顧客の購入意欲に水を差し、従業員の意欲をそぐ。

彼らは企業の活力を吸いとってしまう存在である。

 

マネジメントシステム

三つの要素で構成されるマネジメント・システムの開発へとつながっていることに注目してほしい。

一つ目の要素は、簡単な調査を通して、顧客を推奨者・中立者・批判者に分類することである。

二つ目は、その分類に基づき、分かりやすいスコアを作ったことであり、そこからNPSが誕生した。

 

ところがその後、三つ目の欠かせない構成要素があることがわかった。

それは、NPSの観点で、進捗管理や成功に向けた枠組みをつくることだ。

それによって、推奨者を増やし批判者を減らすために必要な行動をとるよう、組織の全員を駆り立てていくのである。

言い換えると、NPSおよび顧客からのフィードバックを組織的かつ定期的に活用し、改善を図る能力を高めていくのだ。

そうすれば、企業はより良い成果を出せるようになり、優れた企業への王道を進んでいける。

こうして、NPSはスコアからシステムへと進化するのである。

 

NPSがわれわれの組織のエネルギーを、より良い顧客体験を構築することに真に集中させてくれたのです。

この手法を用いれば、行動に直結する顧客理解を得られます。

 

どの企業にも、事業を推進するためのコア・プロセスがいくつかある。

優れた結果を出したいのなら、これらのプロセスにNPSを完全に組み込まなくてはならない。

 

クローズド・ループ

「クローズド・ループ」のプロセスをつくり、学びと改善を日々の活動に組み込まなくてはならない。

企業が実際に学んだことを実践しなければ、つまり学びと行動がループ状になっていなければ、NPSでは何も達成されない。

「クローズド・ループ」のプロセスは断じて「あったら望ましいもの」などではなく、「ネット・プロモーター経営」の要としていかなくてはならない。

 

成長

ロイヤルティは利益ある成長の鍵だ。

この無残なスコアを見れば、なぜ多くの企業が、新しい取引の獲得を目指してどんなに積極投資をしても、利益ある継続的成長を実現できないのかがよくわかる。

成長に欠かせない二つの条件は、顧客の「利益」と顧客の「幸福」だと、クックは好んで語っていた。

 

良好な顧客リレーションシップを築くことは、企業にとって今後の競争激化への備えとなる。

また、優れたNPSを誇る企業は隣接サービス分野への拡大も可能なため、成長の可能性が高まる。

 

企業文化を変える最良の方法は、顧客の声に直接耳を傾け、顧客が抱える問題を一つずつ解決していくことだと理解していたからです。

顧客からの推奨や紹介を通してしか、私たちには成長の余地がないことはわかっていました。

ですから、どうしても顧客ロイヤルティを獲得する必要があったのです。

 

どちらの柱も、追求していけばきりがない。

たとえば、チームメンバーがNPSの心地よい部分に夢中になりすぎて、すべての顧客接点で推奨者をつくろうとすることがある。

推奨者がたくさんいれば、利益が勝手についてくると思うかもしれない。

当然だが、それでは意味をなさない。

なぜなら、短期的に推奨者を生み出すことで、企業を倒産に至らしめることも多々ありうるからだ。

大幅な値下げ、無料プレゼント、そうした手法をとればNPSのスコアは急上昇するかもしれないが、利益は急落する。

「推奨者を創出するという目標は、店の利益の確保とバランスをとらなければならないことを、皆に理解させる必要があります」

 

伝統的な予算編成や資源配分プロセス、報酬、手当もまた、NPSとぶつかってしまう。

悪しき利益を大目に見る企業文化は、NPSに真剣に取り組むうえで邪魔になる。

信頼性の低いスコアを生み出すずさんな測定システムは、NPSを徐々に弱体化させていく。

そのせいで、自社と競合のスコアを相対的に追跡する堅実なベンチマーク調査への投資ができなくなってします。

 

顧客管理の最適化

成長を目指す企業は推奨者の割合を増やすだけでなく、批判者の割合を減らさなくてはならない。

これらは、二つの異なるプロセスであり、それぞれ別に管理されるべきものである。

 

たとえば、小売、銀行、航空会社などの企業は、ターゲットとする重点顧客に加えて、多種多様な顧客にもサービスを提供しなくてはならない。

そうした非重点顧客の否定的な口コミは、ほかの口コミと同じくらい破壊的な力を持つので、防いでいく必要がある。

一方、非重点顧客を「喜ばせる」ための投資をしても、それほど経済的な見返りはないかもしれない。

このようにNPSは、顧客管理の最適化のために必要な情報をもたらしてくれるである。

 

否定的なコメント一件につき、三件から十件の肯定的なコメントが相殺されると仮定するのが安全である。

たとえば、新しく引っ越してきた町で歯医者を探す場合、自分がどんな手順を踏むかを考えてみるとよい。

信頼する友人や同僚から、ある歯医者について否定的なコメントを一つ聞かされた場合、その歯医者を選ぶには肯定的なコメントがいくつ必要だろうか。

 

推奨条件

顧客は二つの条件が満たされない限り、個人的な推奨を行わないことも判明した。

まず、その企業が優れた価値を提供していると、顧客が信じていなくてはならない。

優れた価値とは、経済学者が理解するような言葉で表すと、価格、特徴、品質、機能、使いやすさなど、ありとあらゆる実質的な要素である。

 

また、それだけではなく、その企業とのリレーションシップに対して顧客が良い感情を持っていなくてはならない。

その企業が自分を個人として認識し、理解し、尊重し、意見に耳を傾け、信条を分かち合っているという確信を、顧客が持てなければならない。

 

第一の条件は顧客の理性を惹きつけるものであり、第二の条件は顧客の感情に訴えかけるものである。

 

この両者が満たされたときに初めて、顧客はその企業を熱心に友人に薦めるようになる。

つまり友人が優れた価値を得られるというだけでなく、その企業が友人を大切にしてくれると確信できなければならない。

だからこそ「薦めますか」という質問で、これほど適切にリレーションシップの質を測れるのだ。

この質問は、理性と感情の両方の側面を試すものなのである。

 

不満の顧客に謝罪

エンタープライズは時間をかけて、最初の調査票の質問数を減らしていき、「直近のレンタカーの利用経験について、あなたはどのくらい満足しましたか」という一つの質問に収斂させた。

顧客が不満であれば調査員は謝罪し、お客様の都合がよいときにこの件についてスタッフから電話させてほしいと伝える。

これだけである。

 

ESQi調査では、何らかの不満が顧客から伝えられたときはいつも、電話調査員は「支店長から、電話で連絡させていただいてもよろしいでしょうか」と尋ねることになっている。

九〇%以上の顧客は承諾してくれる。

同意を得られるとすぐに、顧客の電話番号と調査のスコアなどを載せた警告の電子メールが、自動的にその支店長に転送される。

支店長は、すぐに電話をかけて謝罪し、顧客の期待に沿わなかった根本原因を確認し、適切な解決策を講じるように指導されている。

謝罪するだけで一件落着となることもあれば、レンタカー代金を無料にすることで収束する場合もある。

支店がすべての問題点の把握や解決策の実施を一貫して行えるようにするため、主な原因究明は常に現場の第一線で行われる。

 

アップルでは、店長が24時間以内にすべての批判者に電話をかけることになっている。

だが、なかにはどうしても連絡の取れない人もいる。

そこでアップルは、店長から連絡のとれた批判者と連絡のとれなかった批判者の購買パターンを追跡することにした。

2年間の追跡で、連絡のとれた批判者はとれなかった批判者よりもたくさんのアップル製品やサービスを購入していたことが判明した。

 

アップルは、この「クローズド・ループ」を実現するための電話対応にかかる時間を計算してみた。

すると、批判者に1時間電話した時に得られる追加売上高が1000ドル以上になること、また取り組み初年度で2500万ドルもの追加売上高を生み出したことが判明した。

たいへん高い投資効率だ。

しかも、この数字には批判的な口コミを避けられたことによる効果も含まれていない。

また当然ながら、店長がそのやりとりから店舗改善に役立つヒントを学んだ効果も含まれていない。

 

NPSの測定

ほとんどの事業において、顧客を推奨者、中立者、批判者に分類するために問うべき質問は、たった一つしかない。

それは、多少のバリエーションはあるが、「当社のことを友人や同僚に推薦する可能性はどのくらいありますか」という質問である。

 

そして二つ目には通常、「そのスコアをつけた主な理由は何ですか」といった質問が続く。

この質問に対する答えは、一つ目の質問の背後にある根本原因を究明するための最初のステップとなる。

必要に応じて、担当マネジャーがその顧客に連絡し、より深く原因を追究し、対応していくことができる。

 

また、満点をつけなかった回答者の原因究明のためには、「当社のことを推薦していただくために、最も重要な改善すべき点は何でしょうか」というのも良い質問である。

こうした追加質問への回答は、原因分析のためだけに使用し、スコアの計算そのものには影響させてはならないという点にも注意すべきである。

 

何事にも常に改善の余地があるはずだという信念を持つ顧客は、どれほど喜んでいたとしても、決して満点をつけようとしない傾向がある。

9点という選択肢があれば、そうした人々を中立者に分類することを避けられる。

またその後の調査で、10点から9点に落ちた時は、常に早期の警告サインであることもわかった。

 

経験則からいうと、調査の回答率が65%未満なら、プロセスを改善する必要がある。

同じく、回答率が低下していたら、アプローチを再点検したほうがよい。

法人顧客相手の事業であれば、適切な顧客から十分な数の回答を得ることは、特に難しいかもしれない。

 

たとえばベインでは、クライアント企業でベインのコンサルタントチームと直接やりとりを行う管理者層に加えて、関わりのある意思決定者についてもリストを定期的に更新している。

また、クライアント企業の各部門から幅広く適切なやり方で意見が収集されているかどうか、注意深く回答状況を追跡している。

ここでも、高い回答率はプロセスの信頼性を示す証拠となる。

一部の企業では、回答しなかった人をすべて批判者として評価している。

というのは、短い調査に回答する時間すら割いてくれないのは、リレーションシップに問題があることを示しているからだ。

 

一般的に、悪いスコアをつけるのは唯一、その製品やサービスに完全に失望した顧客のみとなる。

 

二つ目の解決策は、正確にスコアをつけることの重要性を示すことである。

悪いスコアをつけることでサービス改善につながることを顧客が目の当たりにすれば、より正直に答えてくれるようになる可能性が高い。

 

ボトムアップ調査では、すべての非回答者を批判者と見なす(おそらく法人向けビジネスでは、そう間違っていないはずだ)、もしくは、中立者と批判者が半分ずついると見なす(消費者向けビジネスでは妥当な見積もりである)。

 

報酬と直接連動させれば、ほぼ間違いなく不正行為やごまかしを誘発することだ。

従業員が顧客に高いスコアをつけるように頼むかもしれない。

さらに悪ければ、チェックアウト担当者が顧客が特に幸せそうに見える場合にだけ毎回、黄色のマーカーでレシート調査の協力依頼文を丸で囲って渡す一方で、不満そうな顧客に対しては絶対に調査に言及しない、というようなことが起こるかもしれない。

 

電話で測定

エンタープライズの成功の鍵の一つは、月次で信頼性の高いスコアに基づいて各店舗のランキングを出す手法であった。

スコアをとるには各支店の業務からサンプルを抜き出し、それを基に顧客に電話をかけるやり方を用いていたが、その際に経営陣は、三カ月ごとの移動平均が統計的に信頼できることを確認しながらサンプル規模を慎重に決定していた。

もっと安上がりな選択肢もあったが、同社はわざわざ第三者調査員から顧客に電話をかけてもらう方法に、それだけの価値を見出していた。

 

経営幹部たちが求めていたのは信頼性の高い店舗ランキングであり、電話による調査プロセスは信頼性の高いスコアを得るうえで重要だと彼らは考えていた。

なぜなら電話での調査はごまかしがしにくく、監査もしやすいからである。

回答率が高いので、サンプル数の調節も簡単だった。

エンタープライズでは、電話に出た顧客の九五%以上が調査に協力していた。

この手法は従来の方法よりもコストが五割増しになるが、結果の信頼性ははるかに高くなる。

 

相対的NPS

一部の事業分野や地域では、他と比較して、NPSがもとから低くなる。

たとえば、オーストラリアのほぼすべての自動車保険業者は、NPSがマイナスになる。

しかし、バスケットボールの試合と同じで、自社のスコアがどれだけ高いかは重要ではない。

 

競争相手よりも高い得点をとることが重要なのだ。

だからこそ、経験豊富なNPS実践企業は、自社の優先事項を決め、目標を設定するために、相対的NPSや「競合ベンチマークNPS」と呼ばれるものを用いるようになった。

 

顧客フィードバック

顧客フィードバックを心に強く訴えかけるものにする最良の方法の一つは、マネージャーによる解釈や統計分析の要約ではなく、顧客の実際の声を従業員に聞かせることだ。

プログレッシブ・インシュアランスでは、批判者との「クローズド・ループ」において電話の会話を録音し、その顧客に応対した従業員にデジタル音声ファイルを転送している。

顧客の声を聞くことで、従業員は声の調子に触れ、感情的な効果を感じ取る。

それだけで学習や行動の変化への動機付けとなり、別途コーチングする必要性はほとんどなくなる。

 

顧客接点の最前線でのフィードバックに加えて、成功している企業では、ミドルマネージャーや技術チームがNPSのフィードバックを直接聞けるようにしている。

多忙を極めるエンジニアのために、顧客フィードバックを要約して伝える専門グループを作ってしまいたいと思うこともありました。

しかし、私たちはそうしませんでした。

顧客のスコアとコメントの一言一句が、製品チームの考え方に直接影響するようにしたのです。

推奨者や批判者からのコメントを直接読むことは、本部からの月次の統計分析としてまとめられたものを見るよりも、はるかに多くの効果があるのです。

 

従業員NPS

マトリクス・チームでは、NPSだけでなく顧客数も大幅に積み上がった。

また興味深いことに、従業員NPSも急上昇したのである。

従業員にしてみれば、コミュニケーションが容易で、共同で責任を担い、顧客のために働くのに必要なリソースがすべて揃った環境でチーム活動をするほうが、やりがいがあったのである。

 

NPSに対する理解の深さ

少なくとも1年に1度NPS調査を受ける顧客比率は何%で、どのくらい回答が戻ってくるか?

これらの顧客は売上高の何%を占めているか?

 

「クローズド・ループ」を用いて、フォローアップのために48時間以内に連絡をとっている批判者は何%にのぼるか?

連絡をとった人々のうち、講じられた対応に満足した人はどのくらいいるか?

 

所属部門の現在のNPSとその目標を知っている従業員はどのくらいいるか?

また、その目標を達成するために必要な最も重要な改善点を一つ挙げることのできる従業員はどのくらいいるか?

 

ターゲット顧客セグメントの中で、推奨者と批判者の顧客生涯価値の違いはどのくらいか?

推奨者を増やすために最も重要な取り組みは何か?

推奨者一人を生み出すためにかかるコストはどのくらいか?

 

ロジテック

ロジテックのブランド力は、同ブランドを掲げる各製品のNPSによって決まってくると、同社の経営幹部は思っている。

ロジテックの企業文化に最も影響を及ぼした施策の一つは、製造を開始する前に、NPSを各製品の通過すべき最終意思決定の関門としたことである。

「ゲートX」と呼ばれるこのプロセスは25人の顧客に試作品をテストしてもらい、フィードバックをもらう。

そして、経営陣はこれら顧客からのNPSを最低限のハードルとして採用したのである。

このハードルを越えられなければ、NPSが基準を満たすまで、製品は再設計プロセスへと戻される。

 

平成建設

軽視されがちではあっても重要な顧客接点において、対応品質が競合と差別化されていることである。

顧客からのフィードバックが直接顧客接点の担当者に届き、その対応が迅速になされるという仕組みができている点である。

顧客の要望に正確に応えるということだけでなく、「一緒に家をつくってくれる、親身になって対応してくれる」といった感情面・情緒面で、顧客の支持を得ているものと思われる。

 

面白かったポイント

顧客志向やカスタマーサクセスを掲げている企業は必読です。

NPSの指標自体は単純だが、この指標を高める組織や仕組みを作るのは並大抵ではありません。

しかし、NPSを使ったシステムを作り上げることが企業が成長するためには必須であることがわかります。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

目次

◆序章 スコアからシステムへ
◇第1部 ネット・プロモーター・システムの基礎
◆第1章 悪しき利益と良き利益、そして究極の質問
◆第2章 成果を測定する基準
◆第3章 NPSが利益ある成長をもたらすメカニズム
◆第4章 エンタープライズの物語
◆第5章 NPSを測定するには
◇第2部 結果をつくり出す
◆第6章 NPSで成果を出すということ
◆第7章 経済性と動機付け:二つの欠かせない柱
◆第8章 顧客との「クローズド・ループ」を回す
◆第9章 長期的な変革に備える
◆第10章 ネット・プロモーターの最前線

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