内容
ガバナンスとマネジメント
データガバナンス活動とは、EDMを循環させることです。
EDMとは、E:Evaluate(評価)、D:Direction(方向付け)、M:Monitor(モニタリング)を表します。
データマネジメント活動とは、PDCAを循環させることです。
PDCAとは、P:Plan(計画)、D:Do(実行)、C:Check(チェック)、A:Act(改善)を表します。
EDMは経営視点で循環させ、PDCAは現場を育てる視点で循環させます。
役割
●CDO:経営戦略に基づくデータ戦略策定者でガバナンス委員会の責任者
●CDA:全体設計(組織・データ構造・ルールなどすべて)の責任者
●DO:自部門の業務データに責任を持つ人
●DSt:データ要件を定義する人であり、現場の調整役でもある
●DA:データ構造やデータ定義を直接現場にガバナンスを利かせる人
それぞれの役割を流れで説明すると、CDOは戦略を考え、CDAが戦略に合わせて全体をデザインします。
戦略と全体デザインのもとDAは現場を監督し、DStが現場の様々なことを調整し、DOにデータ仕様の決定と責任をもってもらうようにします。
サービスモデルレイヤーは、顧客の体験価値を創出するビジネス施策に直結するため、データについては、戦略を考えるCDOが担います。
業務モデルレイヤーは、アーキテクチャに関わる部分が多いため、CDAが担い、施策実行としてDAとDStが担います。
行動モデルレイヤーは、経営者や上司といった意思決定者に納得してもらえるように、論理的思考や根拠となるデータを示す必要があるため、DSが担います。
エンティティの種類
バリューチェーンモデルに合わせて、エンティティの種類もマスタ、トランザクション、情報系データの3系統に分類されます。
マスタ系 企業がビジネス活動を続けていくために必要な「資源」に関するエンティティです。
トランザクション系 行為や指図など、業務遂行における「出来事」に関するエンティティです。
情報系 出来事(トランザクション)の結果を「分析・集計」したエンティティです。
仮説構築スキル
仮説構築スキルは、たくさんの改善事例を知ることで身につきます。
改善事例が手に入らない場合は、現場に出向き事実をつかみます。
一緒に仕事をして他者との共感の中から事実をつかんでいくのです。
事例や事実をたくさん見ることで、新たな提案ができるようになります。
提案とは精度の高い仮説なので、経営者や上司により良い提案を投げ続けて採用してもらうことで、仮説構築のスキルが磨かれます。
面白かったポイント
データマネジメントが網羅的に学べる本。
網羅的なので、一つひとつの内容が概要的で教科書的です。
満足感を五段階評価
☆☆☆
目次
〈第1部 データマネジメント組織の立ち上げ〉
第1章 データ駆動型経営へのシフト
第2章 成功するデータマネジメント組織づくりの8原則
第3章 データマネジメント施策策定
第4章 データマネジメント組織設計
第5章 データマネジメントガイドライン策定
〈第2部 データマネジメントの実践〉
第6章 データ活用の課題とデータ活用基盤
第7章 マスタデータ管理
第8章 データ連携管理
第9章 データカタログ管理
〈第3部 データマネジメントの継続的実践〉
第10章 データマネジメントを支えるスキル
第11章 データマネジメントの組織文化醸成