事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践

ビジネス

『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』栗原 康太

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内容

マーケティングのオンライン化

いきなり商談を設定するのではなく、まずはオンラインセミナーやオンライン相談会等で顧客接点をつくる段階を踏み、その後に個別に商談の打診をするのは有力な選択肢です。

とくにオンラインセミナーで集客した見込み客は、多くの場合、商品を探している段階ではなく、情報収集の段階にいるため、いきなり商談を設定しても断られてしまいます。

つまり「リード獲得→商談打診」という単純なプロセスから、「リード獲得→オンラインセミナーやオンライン相談会→商談打診」と1段階、従来より多くのステップを挟むことで、顧客接点の強化を行うのがおすすめです。

 

営業のオンライン化

  • SFAツールを導入し、商談履歴をオンラインで共有
  • ベルフェイスのようなオンライン商談ツールや、MiiTelなどの電話営業支援/管理ツールを導入し、商談の様子を記録してリモートで上司がフィードバック
  • ハイパフォーマーの営業トークを録画して、チーム内で共有

 

リード獲得プロセスのオンライン化・デジタル化に必要なToDoリスト

□ SEO

□ 検索広告の出稿

□ ディスプレイ広告の出稿

□ SNS広告(Facebook・Instagram・Twitter)の出稿

□ SNSの活用

□ 記事や動画コンテンツの作成

□ ホワイトペーパーの作成

□ オンラインセミナーやオンラインカンファレンスの開催

□ Webサイト改善

□ ランディングページ(自社サイトを訪問した見込み客が最初にアクセスするページ)の制作/改善

□ 外部メディアへの出稿

□ フォームDM(各社サイトの「問い合わせフォーム」を利用して送る、メール形式のDM)の送付

□ プレスリリースの発信

 

リード育成プロセスのオンライン化・デジタル化に必要なToDoリスト

□ メールマーケティングの強化

□ オンラインセミナー/勉強会の開催

□ MA(Marketing Automation:マーケティング活動の自動化支援)によるスコアリングの活用

□ MAによるシナリオメール(ステップメール)の活用

□ リード育成用コンテンツの作成

 

営業・受注プロセスのオンライン化・デジタル化に必要なToDoリスト

□ Web商談ツールの導入

□ 営業資料/パンフレットの見直し

□ サービス説明/プレゼンテーション動画の作成

□ SFAツールの導入/活用強化

□ 電子契約サービスの導入

□ ロープレ動画、営業ノウハウ動画の共有

□ 営業トークの見直し

 

Webサイトや営業資料、広告のクリエイティブ(制作物)で打ち出すメッセージやコンテンツは、企業の課題解決にいかに寄与するかを訴求することが重要になります。

マス広告よりも業界紙での広告出稿が有効だったり、一度作った顧客接点を維持・深掘りしていく重要性が高かったりするのも、BtoBマーケティングの特徴と言えるでしょう。

 

LTVとCAC

LTVは顧客生涯価値とも言われ、1顧客が生涯に生み出す利益の合計のことです。

たとえばサブスクリプション型のビジネスであれば「1顧客あたりの月次利益×継続月数」、スポット型のビジネスであれば「1取引当たりの利益×リピート購買回数」で算出できます。

 

CACは顧客獲得コストのことで、新規顧客獲得にかかった営業・マーケティング費用の合計を、新規顧客獲得数で割ることで算出できます。

LTV÷CACが健全な数値であれば、収益性のあるビジネスとみなせます。

 

LTVが高ければ高いほど、LTVとCACの差分が大きければ大きいほど、CACに費用をかけられます。

 

  • 検索広告によるリードをCPA15,000円で獲得
  • 営業が1回の訪問で契約を決める
  • 受注率25%の場合

CAC = (CPA15,000円 + 営業人件費5,000円/時間×商談時間) ÷ 受注率25% = 140,000円

 

  • CPA3,000円を100件
  • 営業が1回の訪問で契約を決める
  • 受注率20%の場合

CAC = (CPA3,000円×100件 + 営業人件費5,000円/時間×商談時間) ÷ 受注率20% = 140,000円

 

これに加えて、展示会やイベントでリードを集客した上で、MAツールやインサイドセールスによって育成し、検討段階の上がった見込み客と商談を設定する現代的なBtoBマーケティングモデルを実行するなら、CACは最低でも500,000円程度は必要になります。

 

新規顧客の獲得コストは、既存顧客に売る場合のコストの5倍はかかると言われています。

これはつまり、既存顧客への追加販売は、新規顧客へ売る場合に比べてCACを5分の1に抑えられる、と言うのと同義です。

 

サービスの継続率を高めるには、サービス体験のゼロから1のフェーズ、いわゆる「オンボーディング」のフェーズが決定的に重要で、ここで顧客の利用開始をしっかり支援する必要があります。

 

過去に受注したことのある顧客をいくつかのセグメントに分け、サービス利用の継続や解約について分析すると、一定の傾向を見つけられることがあります。

 

サービス内に顧客のデータが蓄積されていく仕組みになっているため、顧客企業にとっては利用期間が長くなればなるほど、利用価値が高まると同時に乗り換えるコストが上がります。

結果、解約率が低くなって、継続購買期間も延びるのです。

もうひとつ例を挙げると、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールもこれに該当するでしょう。

他の解析ツールに移行するとそれまでに蓄積したデータが使えなくなるので、移行や切り替えの判断は非常に難しく、一度使うとなかなか離れられなくなる類のサービスです。

 

階段設計の見直しをして、休眠顧客が登りたくなる新しいステップ、つまりは新メニューや新サービスの開発をしたほうが、受注数を引き上げる効果が大きくなる。

 

戦略立案

BtoBマーケティングにおける戦略立案の最初のステップは、経営課題や経営戦略から逆算して、マーケティング活動の目的・目標を定めることです。

 

顧客への解像度

顧客に対する理解の精緻さのことです。

  • 顧客は何を考えているのか
  • どんなことが関心事なのか
  • 日頃、どんな形で情報収集を行っているのか

上記のような事柄を正確に理解できている人を「顧客への解像度が高い」と言っています。

 

BtoB企業の場合、商談で顧客と接している営業パーソン、電話やメールで顧客とやり取りし、ニーズを把握しているインサイドセールスの担当者などが、顧客への解像度が高い場合が多いです。

 

顧客の層

顕在層向け

  • 検索広告、ディスプレイ広告の出稿
  • 特定のキーワードでのSEOを狙う
  • Webサイトの改善でCV率を向上させる
  • 導入事例を月に2本作成し、自社サイトで公開する

 

準顕在層向け

  • ブログメディアの構築
  • ホワイトペーパーの作成
  • 月2回のメール配信を実施
  • セミナーの開催

 

潜在層向け

  • 年に1回、カンファレンスを開催
  • 広報活動として、業界のホットトピックに関するリサーチを実施し、公表する

 

チャネル拡大の原則は、明確層や顕在層など、見込み度の高い層から拡げていくこと。

ビジネスを拡大していく際には、どうしても準顕在層や潜在層に対するマーケティング活動も展開していく必要があります。

 

セグメント分析

  • 受注企業を分析
  • 失注企業を分析
  • 商談したが動きがない企業を分析

 

失注企業一覧を分析

過去に商談したものの受注までには至らなかった失注顧客を一覧化

  • なぜ失注したのか?
  • 足りなかった機能は何か?
  • どの競合商品や代替手段を選んだのか?

といった要素を把握したのです。

同時に、当時は機能不足で売れなかったけれど、機能が向上した現在では売れるようになっているセグメントがないかも調査しました。

 

BtoBメール

BtoBのメール配信において、開封率(開封された数/配信リスト数×100)の目安は20%です。

さらにクリック率(メール内URLクリック数/配信リスト数×100)の目安は5%に過ぎません。

 

コンテンツ

リードに対してメールや電話でコミュニケーションを取るための「ネタ」として、記事コンテンツやホワイトペーパー、セミナー、商品の新機能追加、キャンペーンなどの新しい「コンテンツ」が必要になるのです。

商談につながったリード、受注につながったリードの行動履歴を追うことで、どんなコンテンツを閲覧したリードの商談化率や受注率が高いのかを把握できます。

リードの行動履歴の把握機能は、ストレートに商談化率や受注率を引き上げてくれることが多い。

 

BtoBでの購買行動では、一般に検討期間が長く、予算取りの都合しだいで半年とか1年、2年先にまで検討期間が延びることがままあります。

その際、多少時間が経っても自社のことを忘れず、定期的に思い出してもらうこと、また見込み客の検討段階が進んだタイミングを逃さずキャッチすることが重要です。

 

配信するコンテンツとしては、事例インタビューの案内やセミナーの案内、新しいブログ記事やお役立ち資料の送付などは反応率が高く、比較的すぐに効果も出ます。

 

受注率を上げるコンテンツ

  • 投資対効果の説明
  • 他社での実績
  • 競合他社や代替手段との違い
  • シェアNo.1などの第三者評価
  • 資本金や上場の有無などの自社紹介
  • 自社の役員など、経営メンバーの紹介
  • プロジェクトに関わるメンバーの紹介
  • 製品開発に携わっている技術者の紹介
  • プロジェクトの納品物の紹介

 

BtoBの場合は内容が専門的になるため、クラウドソーシングを利用したり、コンテンツ制作会社にアウトソースしたりすることが難しく、社内で内製できる体制を構築するのがベストです。

コンテンツを届ける見込み客・顧客に対してのチームメンバーの解像度を上げることです。

 

できれば週に1回、最低でも月に2回は、既存リストにメールを送付するようにしたいところです。

 

MAツールを使いこなすには、インサイドセールスやコンテンツ制作能力が決定的に重要になる。

 

USP

購買プロセスの前半から自社を認知してもらい「〇〇ツールと言えば〇〇」という想起を獲得することをめざす方針です。

 

自社サービスのポジショニングを見直し、ユニークなポジションを取る。

あるカテゴリーで一番手になれない場合には、一番手になれる新しいカテゴリをつくれ。

 

顧客の意思決定の背中を押すために「自社の商品がなぜその課題解決を実現できるのか?」「なぜ競合他社ではなく、自社の商品を選ぶべきなのか?」という点を論理的に説明できるようにしておく必要があります。

 

発信媒体

売れるロジックを整理できたら、それらを以下のようなさまざまな媒体に落とし込んでいきます。

  • Webサイト
  • LP
  • 広告のクリエイティブ
  • 営業資料
  • 営業トーク
  • インサイドセールスのスクリプト

 

顧客の情報収集・購買行動

●どのような方法で業務上の情報収集を行っているのか?

●どのような方法で業務上の課題解決に必要な製品・サービスを探しているのか?

●過去に導入した類似の製品やサービスは、どのようなきっかけで検討を始めたか?

●それらの製品・サービスの導入にあたり、どのような会社と比較検討したか?

●それらの製品・サービスの導入にあたり、実際にはどんな情報が必要だったか?

●それらの製品・サービスの導入にあたり、導入の決め手となる要素は何だったか?

 

ターゲット顧客がどんな行動をしているのかあれこれ想像して悩むよりも、こうした手法でひと手間をかけ、直接聞いてしまうのがよほどてっとり早い。

既存顧客やターゲット層に近い見込み客に、どのチャネルがよいのか直接聞いてしまうことです。

 

集客チャネルの見つけ方は、

  • 既存顧客にインタビュー
  • 競合他社サービスの導入顧客にインタビュー
  • 見込み客にインタビュー
  • 見込み客にアンケート
  • 競合他社のマーケティング活動を調査

既存顧客に直接、どんなチャネルを利用しているか聞くことで、あっさりと狙うべきチャネルが判明する場合があります。

 

  • 製品・サービス選定の情報収集はどこで行っているか?
  • よく見るメディアはどこか?
  • 日頃の業務上の情報収集はどこで行っているか?

 

面白かったポイント

BtoBマーケティングについてよくまとまっています。

初心者は必ず読んでほしい本です。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆☆

 

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