最高の結果を出すKPIマネジメント

ビジネス

『最高の結果を出すKPIマネジメント』中尾隆一郎

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内容

KPIマネジメントとは、次の3点を関係者全員で共有・実行・改善し続けることです。

①現在の事業にとっての最重要プロセスを明確にし(=CSF)

②それをどの程度実行すると(=KPI)

③事業計画が達成できるのか(=KGI)

 

売上を上げるための選択肢

①アプローチ量を増やす

②歩留まり(CVR)を向上させる

③価格を上昇させる

 

KPIが悪化した場合の対策

①さらに資金を投入する

②さらに人を投入する

③両方やる

④現有戦力のままやる(つまり何も変えない)

 

CSFを「提案率」ではなく「提案数」にすればよいのです。

KPIを分数にする場合は、分母が変数なのは避けた方がよいことを覚えておいてください。

 

利益を最大化させる考え方

利益=売上-費用という式で表すことができます。

利益を上げるには、売上を上げるか、費用を下げるか、またはその両方ができればよいことになります。

つまり、「利益増=売上増-費用減」と表現できます。

 

ということは考えるべきは3つになります。

①どうやって売上を上げるのか

②どうやって費用を下げるのか

③売上と費用に相互影響がある項目をどうやってコントロールするのか

 

コストは3つに大別できます。

①無駄金(冗費)

②売上に関係しないコスト

③売上に関係するコスト

 

受注率を向上させる方法

受注率は、例えば「❺クロージング÷❷アプローチ」という分数で表現されます。

ですので、❺クロージング量を増やすか、❷アプローチ量を減らすかという選択肢があります。

❺クロージング量を増やすには、❸ヒヤリングを強化し、❹プレゼンテーション時の企画提案内容を向上させることなどが想定できます。

あるいは、❹プレゼンテーション時に顧客に分かりやすく価値がある商品を提案することでも実現できます。

また、❷アプローチ量を減らすには、❶営業先リストアップの品質を向上させることで実現できます。

 

営業プロセスの短縮

プロセスの短縮には次の3つの方法があります。

(1)プロセスの省略

(2)プロセスの標準化

(3)業務の分担

 

プロセスの省略とは例えば、❷アプローチと❸ヒヤリングを同時に行い、2つのプロセスを1つのプロセスにすることです。

ここで重要なポイントは、受注率を上げてから、営業活動量を向上させるという順番です。

すでに受注率が向上しているので、その後、営業活動量を増加しても、高い歩留まり率で受注できます。

間違っても、逆の順番ではしないことです。

 

高額取引企業

高取引額企業の共通点は、「理由が明確なターゲット企業に、自社独自の提案を準備」して、「その価値が分かり、決断できる人に提案ができている」という2つのことを同時に実行していること。

 

採用活動

採用活動で最も重要なCSFは何か。

それはずばり「スピード」「採用選考スピード」です。

 

採用活動を分解し、時間がかかっている箇所はどこだと思いますか?

実は、面接の日程設定なのです。

面接設定の時間には価値がありません。

ここのムダ取りをするだけで、採用力が向上します。

 

KPIステップ

ステップ①KGIの確認(例)利益○○億円がKGI

ステップ②ギャップの確認「現在」と「KGI」のギャップ

ステップ③プロセスの確認 モデル化

ステップ④絞り込み CSF(最重要プロセス)の設定

ステップ⑤目標設定 KPIの目標数値は○○

ステップ⑥運用性の確認 整合性・安定性・単純性の確認

ステップ⑦対策の事前検討 KPI悪化時の対策と有効性の事前検討

ステップ⑧コンセンサス 関係者との合意

ステップ⑨運用

ステップ⑩継続的に改善

 

面白かったポイント

KPI初心者向けの本。

いろいろな事例でKPIツリーを作成し、パターンをストックするのが習得への近道。

 

満足感を五段階評価

☆☆☆☆

 

目次

第1章 KPIの基礎知識
01 KPIって何ですか<? br> 02 ダメダメKPIの作り方でありがちなこと
03 どうやってイケてるKPIを作ればよいのか――? KPIのステップ1・2
04 プロセスの確認・モデル化――KPIのステップ3
05 絞り込み(CSFの設定)――KPIのステップ4
06 目標の設定――KPIのステップ5
07 運用性の確認――KPIのステップ6
08 対策の事前検討とコンセンサス――KPIのステップ7・8
コラム 前からやるか、後ろから考えるか

第2章 KPIマネジメントを実践するコツ
01 ダメダメなKPIってどこで分かるの<? br> 02 KPIは「信号」だから「1つ」
03 KPIは誰のものか<? br> 04 分母が変数の場合は要注意!
05 越えなければいけない2つの壁
06 キーワードはPDDS
07 PDDSサイクルが1周する期間を把握していますか<? br> 08 PDDSは組織を強くする
コラム リクルートのお家芸「TTPとTTPS」

第3章 KPIマネジメントを実践する前に知っておいてほしい3つのこと
01 会社の方向性を「構造」と「水準」でつかむ
02 ゴーイングコンサーンを実現させるKGI
03 利益を最大化させるための基本的な考え方

第4章 さまざまなケースから学ぶKPI事例集
01 事例1 特定の営業活動を強化することで業績向上を目指す
02 事例2 エリアにフォーカスすることで業績を拡大する
03 事例3 商品特性から特定ユーザ数をKPIに設定する
04 事例4 時代の変化を先取りして特定の商品にシフトする
05 事例5 従量課金モデルでは歩留まり向上から始める
06 事例6 採用活動におけるKPIの考え方
07 事例7 社外広報は目的を明確にしてKPIを設定する
08 事例8 社内スタッフ部門は従業員満足度をKPIにするのが基本
09 事例9 集客担当には集客単価を決めて自由に動いてもらう
10 事例10 仕事ができるようになるためのKPI
11 事例11 人生100年時代を健康に過ごすためのKPI

第5章 KPIを作ってみよう
01 KPIステップの復習
02 KPIマネジメントを始めるための事前準備
03 KGIを確認する
04 ギャップを確認する
05 プロセスを確認する
06 絞り込み(CSF)とKPI
07 運用性を確認する
08 対策を事前に検討しておく
09 コンセンサスを得て運用していく
10 継続的に改善を繰り返す
11 究極のKPIマネジメントとは――?すべての判断をKPIに紐づける
コラム 最強の振り返りは「リアルタイム」

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